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犬猿アイドル百合営業中  作者: 三色ライト
2章 1周年記念ライブ編
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59話 バラバラ

 ようやく集まった小会議室にて、ライブのスケジュール組みが始まった。

 ただここでも方針の違いからか、みかんちゃんと薫の間にバチバチが走っているような気がする。


「ライブの始まりは私たちの歌から! それは確定事項でしょ!?」

「まずは盛り上げるために入場時パフォーマンスをするべきだね。それに歌も私たちからのものが先だ」


 みかんちゃんと薫。この2人は自分の思い通りにことが運ばないと嫌なタイプなようだ。

 私はそんな2人を見ていられなくなって視線を泳がせる。するとイチゴやメロンちゃんと目線が合った。たぶん向こうも慣れっこなんだろうな。


 さて、ずっとこのままみかんちゃんと薫の言い争いをしていても先に進めないな。


「おい薫。意見のぶつかり合いは大事だと思うけど、あんまり細かいところでバチバチすんなよ」

「そうはいかないよ。この子たちにはプロ意識が欠けている。そんな生半可な気持ちでスケジュールを組まれても困るからね」


 ……こりゃダメだ。火に油を注ぐようなものだな。

 またフルーツパフェと薫の間に対立が生まれたらたまったものではない。だから私は小会議室を飛び出し、マネージャーの元へと向かった。


「あら? もうできたの? 早いわね」

「いや、その逆。一生かかっても話まとまらないぞ、あれじゃ」

「……アンタたちってそんなに仲悪かったの?」

「いや……そんなことはない……はずだった」


 もうライブの日まで1ヶ月を切ったというのに、このままじゃヤバい……かなりヤバい。


「あ〜! もうどうすりゃいいのよ」


 マネージャーが頭を抱えて机に伏してしまった。マネージャーがここまで追い詰められるところを見るのは初めてかも。


「ちょっと思ったんだけどさ、とりあえずfelizとフルーツパフェ、それぞれ分けて練習しないか? このままじゃ30点のライブになるかもだけど、最悪それぞれがそれぞれのライブをできたら70点くらいにはなるだろ?」

「そう……ね。よし、今日から3日間、felizとフルーツパフェは戦略的離別! それぞれのライブとして頑張ってもらうことにしましょう」


 そう言ってマネージャーは小走りで小会議室へと向かい、その旨をみんなに伝えた。

 別れる際、みかんちゃんと薫の間にさらなるバチバチが走って気が気じゃない。

 とりあえずこれで衝突は3日間ないな。よし……なんとか今やれることを全力でやるぞ!

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