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犬猿アイドル百合営業中  作者: 三色ライト
2章 1周年記念ライブ編
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58話 頑張れ明日香

「ライブのスケジュールって……そういうものはマネージャーや上の人が作るんじゃないのか?」

「アイドルが自分の頭を使って考えたライブにする。その一体感を狙いたいそうよ」


 その結果、私たちの負担がマシマシになってるわけだけどな。働き方改革ってどこ?


「スケジュールねぇ……とにもかくにもフルーツパフェの面々が集まらないと話にならないわけだけど、遅いね」


 そろそろ集合時間だってのに、フルーツパフェのメンバーはりんごちゃんを除いて集まる予感がしない。

 昨日の薫の件に腹を立てて、ボイコットのようなことをしているのだとしたら厄介だ。


「ぁ、ぁの……みかんちゃん……隣の部屋」


 りんごちゃんが声を振り絞って伝えてくれた。隣の部屋……なんでまたそんなところに。


 とりあえず小会議室を出て、私だけで隣の部屋へ入ってみることにした。

 意を決してドアを開けると、本当にいた。イチゴにみかんちゃんにメロンちゃんまで。


「えっと……何してんの?」

「薫が謝りに来るまでここにいるわよ!」


 うわ〜……予想していた通りの悪い展開だ。


「それに関しては私が謝るからさ、ね?」

「ダメよ! 薫が謝らないと意味ないもの!」


 うぐ……思っている倍は強情だ。

 チラッと見えたけどイチゴはニヤニヤしてるし、メロンちゃんは困っている様子だ。たぶんイチゴは私が困っているところを見て楽しんでいるんだろう。後でチョップしてやる。


「その、なんでみかんちゃんはりんごちゃんをフルーツパフェに誘ったの?」


 あんなに自信がない子ならずっとそのオーラが漏れているような気がするんだけど。どこに目をつけたんだろうか。


「事務所の前で一礼していたのよ。きっと緊張して事務所に入れないんだわと思ったの。その顔を見た時ビビッときてね、この子は必ずビッグになる。だから私が『アンタを私と同じユニットに入れてあげる! 光栄でしょ?』って言ってあげたのよ!」


 うわぁ……りんごちゃんに聞いていたよりもっと強引な誘い方だ。まぁりんごちゃんなら流されちゃうよね……。

 なんか少しりんごちゃんがかわいそうに思えてきた。でもウチの事務所の前にいたってことは、アイドルになる気があった……ってことだよな? ファンの出待ちってタイプでもなさそうだし。


 謎が謎を呼ぶ。とりあえず私はみんなを説得して、なんとか小会議室へ連れ込むことに成功した。もしかしたら私、中間管理職とか向いているのかも。

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