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犬猿アイドル百合営業中  作者: 三色ライト
2章 1周年記念ライブ編
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44話 豊スタのメリット

「44000人キャパって……逆に大丈夫か!?」


 今までのライブでも、1万人ホールを埋めたことが最高値。お互いのファンで割っても22000人って、正直言って異次元だ。


「何言ってんのよ、最高のスタジアムよ。傾斜が大きくて、どの席からでもピッチを満喫できる日本有数のスタジアムなんだから!」


 なんでこんなにマネージャーが熱く語り、そんでもってやけにヨイショするのかは置いておいて、私たちが言いたいのはそういうことではないんだが。


「そうじゃなく、空席が目立つだろ。流石にちょっと22000人ずつ埋められる気はしないというか……」

「あら、そうかしら? あなたもそう思う? 薫」


 マネージャーは何故か薫を指名して質問した。

 薫は指を顎に当てて、少しの間思案する。


「いや、私は不可能ではないと思うよ」

「えっ! 何でだ?」

「1つはライブの決行日がシルバーウィーク、つまり大型連休であること、そしてもう1つは愛知県という場所にある」


 愛知県……そんなに重要なポイントか? 東京や大阪の方が人が集まるだろ。


「なるほどね! 私分かっちゃったわ!」


 みかんちゃんが立ち上がって手をあげる。立ち上がったというのにちんまりしていて、またそこが可愛くもある。


「みか〜ん、どゆこと〜?」


 私と同じく、理解できていないイチゴがみかんちゃんに尋ねた。


「日本地図をよく思い出してみなさい! 愛知県って大阪と東京の間にあるでしょ? つまり、三大都市圏に住むファンを一斉に呼べる可能性があるってことよ!」

「そういうこと。普段から東京のライブに来てくれる層は一定数来てくれるだろうし、名古屋のファンは愛知開催となれば来てくれるはず。そして普段は大阪ー東京間の移動を躊躇うファンも、中間地点である愛知県であれば来てくれる可能性が高いということさ」


 な、なるほど。正直よくわからないけど……なんか人が来そうなのはわかったぞ!


「これで懸念点は無くなったかしら? じゃあこれから1ヶ月と少し、felizとフルーツパフェは協力していくわけだから、今日は親睦を深めなさい。これから2時間はこの部屋にいること! いいわね」


 そう言ってマネージャー2人は席を外し、部屋から出て行ってしまった。

 フルーツパフェと親睦を深める、か。イチゴとは仲良いし、なんとかなる……か?


「なんだかすごいことになってきたな、イチゴ」

「緊張してるね〜。ヘイ! みやのんビビってる、ヘイヘイヘイ」


 ……イチゴとも仲良くできないかもしれない。うん、この先が不安になってきたぞ……。

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