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137話 あけまして

 心は決まった。ならあとはステージで堂々と百合百合するのみ。

 今さら恥ずかしいとか、そんなことは言ってられない。そもそもデジタルタトゥーとして消えない百合キスだって残しているわけだし、これから何が放送されてもノーダメージだろ。


 覚悟が決まってからは強かった。堂々とリラックスして、大晦日特有の夜になっても眠くならない効果を利用して少しだけストレッチをし、本番に備えた。

 ちなみに今さらだが18歳未満の深夜労働は禁止されているのは当然だけど、アイドルにはそれが免除されている。アイドルは法すら変えてしまうのだ。

 まぁもちろん、まともな事務所ならこういった大きな大会以外では深夜労働なんて極力避けるように言ってくれるけどな。


「おい薫〜、マッサージしてくれ〜」

「ふふっ、さっきとは凄い変わりようだね。何か吹っ切れたのかい?」

「まぁそんなとこ」


 時間はすぐに進んでいき、ハッピーニューイヤーを迎えた。


「あけましておめでとう、薫」

「うん。あけましておめでとう、明日香」


 あと30分したら私たちはステージの上に立つ。そして最後になるかもしれない(?)百合営業をするんだ。


「なぁ、最終ステージでの百合営業って何をすると思う?」

「…………想像もつかないね。ただ……」

「ただ?」

「大丈夫。何を指示されてもあまり関係ないから」

「……?」


 薫が何を言っているのかよくわからない。けどまぁ聡明な薫のことだ、何か考えがあっての発言だろう。たぶん。

 こんな話をしていると、廊下が少し騒がしくなった。次の瞬間私たちの控え室のドアが開かれ、スタッフの人が声を張る。


「felizさん、そろそろステージ袖にお願いします」

「「はい!」」


 薫と一瞬だけ見つめあって頷いた。

 さぁ……いくぜ最終ステージ!

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