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123話 ダメな大人

「というわけで、felizちゃんたちもコレに着替えちゃって☆」


 伊佐美さんがニヤニヤとしながらカゴから取り出したのは……セクシーなネグリジェだった。おそらく黄色が私の、深い青が薫のだろう。

 ってそんなことはどうでもいい! これを着るの? 私たちが? そんなバカな!


「えと……私たちもそれを?」

「うん! お揃いの方がいいでしょ?」

「今から何をするんですか? まったく方向性が見えませんが」


 薫が私の聞きたかったことを代弁してくれた。ナイスだ!


「あれ〜? 言ってなかったっけ。私たちのリキュールレディチャンネルの生放送にゲストとして出てもらうんだよ?」


 き、聞いてね〜。ってつまりあれか? 私たちは今からネグリジェ姿を全国に晒すってことか?


「はいはい、ボサっとしてないでさっさと着替える! アタシだってこんか格好、酒飲んでなきゃやってられないんだから」


 私たちそのお酒ドーピングもできないんですけど!? とは言えなかった。伊佐美さんと違って霧島さんの方はなんだかすごく怖いし。

 だからそそくさと空き部屋に行ってネグリジェに着替える。ひゃー、布うっす。これで守るべきところは守れているんだから不思議だよな。


 部屋を出てネグリジェ姿の薫を見ると思わず顔が熱くなってしまった。気まずさからか、薫も目を逸らしている。


「んじゃ、19時から生配信、始めちゃおうか」


 つまりあと30分後ってことか。それまでお互い親睦を深めるのかな……と思った次の瞬間、伊佐美さんがテーブルに置いてある酒瓶を持って豪快にラッパ飲みを始めた。


「ほいいーっき、いーっき」

「いやそれダメなやつでは!?」


 本当に一気飲みのペースだし。大丈夫かよ……っていうかまだ始まってすらないのに飲むんだ。


「カッーー!! 生配信前の焼酎は違うわ〜〜」

「アタシも飲む! んぐっ、んぐっ」


 やべ、帰りたい。


「〜〜〜〜で、felizちゃんたちって暫定2位でしょ〜? 凄くな〜い?」


 もう酔いが回っているのか微妙に口調が変わったような気がする伊佐美さん。

 私は悟ったよ。もうあの優しい伊佐美お姉さんはどこかへ行ってしまったんだと。


「まだまだ1位を目指していますから」

「あぁ〜ん? それならアタシらだって目指して、うぃっく、目指せ一等〜」

「うぇ〜い」


 あ、うん。まじ帰りたい。

 とりあえずはよ30分経てやと、時計を睨みつけたのでした。

*マネしないでください

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