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121話 コラボの相手

「コラボとは珍しいね。どことコラボする気だい?」


 驚く私とは対照的に、あくまで冷静にマネージャーに問う薫。


「ふっふっふっ……リキュールレディよ!」


 マネージャーから答えが返ってきた瞬間、私も薫もずっこけそうになった。


「いや、なんで同じCグループのリキュールレディとコラボしなきゃいけないんだよ! メリットないだろ、お互い!」


 そう、ICLのルール上、同じグループに配置された2つのアイドルに投票することはできない。つまり、私たちがリキュールレディとコラボして2つのグループを好きになってくれても票を分け合うことになってしまうのだ。


「まぁそう思うのも無理はないわ。でもこのコラボが成立すればあなた達の弱点を克服できるのよ!」

「弱点? 私たちに?」


 そんなのあったっけ。


「……なるほど、大人への人気か」

「イグザクトリー!」

「大人への人気?」

「明日香、私たちのファンの多くは中学生・高校生から大学生だ。でもリキュールレディのファンの多くは大人。それをコラボで補おうと言いつつ、すべて掻っ攫ってしまおうという腹づもりだろう?」

「そういうことー」


 な、なるほど。たしかに私たちのライブに来てくれる人で大人らしい大人っていないかも。

 どちらかと言えばキャピキャピした女の子(薫ファン)やイケイケの女の子(私のファン)、そして普通の学生男子って感じだもんな。


「まぁもう一つ理由はあるのよ。今felizが何かアクションを起こせばかなりの人数が見てくれる。だからここは数打っていきたいわけ。その上で見てくれた人すべての票をかっさらう! これが目的よ」


 ふむ……じゃあ理にかなっている……のかな? 私にはわかんねぇけど薫が分かっているならそれでいいや。分業分業。


「コラボの時間は? いつどこで行うんだい?」

「時間は今から! 場所は都内のホテルの一室よ」

「今からって……また急な話だな」


 もう急なのは慣れたけども。

 というわけで今日はマネージャーの運転でホテルに向かうことになった。コラボでホテルって何をするんだろうか。特に何も思いつかない。また会食とか? 大人の女性と会食するのってなんだかドキドキするな。


 車に揺られること20分前後、ゴージャスなホテルの前に止まった。……え? こんなすごいところでコラボするの? ポット3とポット4のアイドルが?


「さぁ行ってきなさい! 場所は1801室よ!」

「えぇ……」


 なんとも雑な送迎だ。だけどまぁそんなこと気にしていられない。このコラボでウェザーガールズをも凌ぐ票、稼いでやるさ!

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