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114話 1週間ぶりの薫

 ……はっ! なんで私は薫の家の前で立っているんだ!? そんなことするつもりまったく無かったのに!

 どうやら体が勝手に動いて薫の家に来てしまったらしい。さてどうしたものか……薫はマネージャーにお見舞い拒否のメールを送ったらしいし、私が勝手に来たら怒る可能性大だよな……。


 よし、ここはクルッと反転して帰ろう! と思った瞬間……


 RRRRRRRRRRRRRRRR!!


 盛大に私のスマホが鳴りやがった! しかも電話をかけてきたのマネージャーだし!


「……外から音?」


 やべぇ! 中の薫に気づかれた! 隠れる場所なんてないし全力で逃げても間に合わないしこれじゃ……!

 混乱している間に無常にもドアが開き、薫とばっちり目が合ってしまった。


「……明日香?」

「よ、よう」


 圧倒的に気まずい1週間ぶりの顔合わせとなった。


 薫は何も言わずに私を部屋へ上げてくれた。怒るかと思ったけど……とりあえず大丈夫そう?

 薫の家に来るのは久しぶりだ。あの薫が高熱を出してお見舞い大作戦とかいうやつをやった時以来か。


「そ、それで? 体調は大丈夫なのか?」

「あぁ、元より仮病だしね」

「あぁ仮病ね……ってええっ!? 仮病なの!?」

「ふっ、良い反応だね、さすが明日香だ」


 驚く私にいつも通り笑ってみせた薫。


「い、いやなんで仮病なんか……」


 今は大切なICLの票集めの期間。今が頑張り時だっていうのは薫が一番理解しているはずだし、誰よりもストイックな薫が仮病で休むなんて信じられない。


「強いて言うなら……気持ちの整理がついていないから、かな」

「気持ちの整理?」

「あぁ。明日香とキスをして、少し自分を見失ってしまってね」


 キスで自分を見失うって……なんか私とのキスがめっちゃ嫌だったみたいじゃん。いやいやそんなことはないはず! そう言い聞かせないとショックで私が寝込んじゃう!


「と、というのはつまり?」

「いや……少し喋りすぎた。忘れて欲しい」


 薫は少し顔を赤らめてそっぽを向いてしまった。

 な、なんだ? 薫の様子が変だぞ?


「でも安心してくれ。仮病は1週間で終わるつもりだったから明日からはちゃんと活動するよ。心配かけて悪かったね」

「まぁ……何もなくてよかったよ」


 ちょっと様子は変だけどな。


「何も……か」

「ん?」

「明日香には話しておこうか。なぜ私がアイドルになろうと思ったのか、そしてなぜトップアイドルを目指すのかを」


 思いもよらない展開に唖然とする。薫のアイドルになった理由……それが明かされるなんて!

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