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対人戦闘訓練①

台詞の台本書きに関しては行く行く修正します。申し訳ございません。

 学園施設には闘技場コロシアムがあった。

 円形の闘技場に周りを観戦席が覆うオーソドックスな形となっている。

 特徴のあるところといえば、天井が魔術によって開閉可能な構造となっている点だ。

 今日は雨が降っているため天井は閉まっている。

 しかし、その天井には魔術で発行する球がびっしりとついており、中はまるで昼間のような明るさになっている。


 対人戦闘術の授業の時間だ。

 人と人との間で戦闘を行う意義、最終的に行われる州対抗戦に備える為にも、対人戦闘でお互いに剣を交わすことは意味がある。

 この時間、戦闘要員は自身の得意とする武器の研鑽、非戦闘要員は戦闘時の補助となるような活動、補給、医療、等を学ぶか、基本剣術の習得を行う。

 今日は……1対1の模擬戦だ。

 戦闘で使う武器は木剣や木槍に布を巻いて殺傷力を殺したものが使われる。


 対戦は魔導くじでランダムにマッチする相手を決める。

 最初は……リカルマとスギであった。



 リカルマ「相手が貴方で良かったですよ」

 スギ「どうしてです?」

 リカルマ「冷淡な所作からどのような攻撃が展開されるのか、楽しみでした」

 スギ「ご期待に応えられるか……よろしくお願いします」


 ブレイス「では、はじめぃ!」


 シュバッ


 初手は意外にもスギだった。

 スギは剣、リカルマは槍、リーチの差でどうしてもスギは劣勢となるため、慎重に相手の出方を探るだろう……リカルマはそんな風に考えていたが、どうもその読みは外れた。

 スギの剣筋はどこか、外れて当然、というような形でむなしく空を切っていたが、徐々に徐々にその太刀筋を変えて、リカルマを追い立てているかに見えた。


 リカルマ「貴方……ふざけているのですか?」


 普段笑わないスギが少し笑みを見せた。

 

 スギ「何故……そう思うんです?」


 リカルマ「誘っているのか……」


 スギはわざとリカルマの間合いで隙を見せて誘っているのである。


 リカルマ「いいでしょう、一突きで終わらせてあげましょう!!!」


 リカルマの槍が大きくうねり、止まったかと思った瞬間、まっすぐスギに向かった。

 普段糸目のスギが大きく目を見開いた。


 スギ(はやい!! これは、避けれるか!?)


 スギは胸を突かれる瞬間に上体をそらし間一髪でその攻撃をしのいだ。

 その際服に引っかかり彼の上半身があらわになるほど上着はずたずたとなっていた。


 スギはすぐに間合いをとった。


 リカルマ「目……覚めましたか?」

 スギ「ええ……もうスッキリです」


 リカルマ「では次も、いきますよ!!」


 リカルマの槍が大きく回転し始めた。

 その軌道は360度どこにでも対応できることを示すには十分だった。

 身体強化と槍の操縦に魔術を利用している。

 流れるように、槍術と魔術を融合させているその技に闘技場が沸いた。

 

 スギ(槍の軌跡で球状のフィールドが作られてるようだ……これに剣で切り込んでいくのか……)


 誰から見ても無理筋な展開に、スギは自ら足を進めた。

 それは、周りからみても異様であることが分かった。


 ベルナ「なに!? あいつリカルマの槍術領域に剣で向かっていくのか!? む、無謀だイムス、止めないのか?」

 イムス「え? 俺が? なんで」

 ベルナ「いくら威力を殺した木槍だからといってあの回転からの槍をまともに食らったらスギといえども命の保証はないぞ」

イムス「大丈夫、降参しないであいつから向かって行ってるんだ、死にはしないよ」


 初戦にも関わらず、闘技場はかなりの盛り上がりを見せている。

 スギはリカルマの槍に弾かれながら、何度も何度も剣撃を繰り返していた、またその剣撃も、一撃一撃角度をかえ、速さを変え、まるで実験を繰り返すような、そんな攻撃だった。

 勝ちに行ってはいないが、リカルマの一撃も許さず、負ける気もない、そんな攻防だった。


 そんな膠着状態に嫌気がさしたのか、一旦リカルマから間合いを取った。


 リカルマ「貴方という人は……本当に人をからかうのもいいかげんにてください!」

 スギ「決して、貴方をからかっているわけではないのですよ」

 リカルマ「でしたら……この技は人には使いたくなかったが……」


 ピキーーーーン


 槍の握りが変わった瞬間スギが何かを感じ取った。


 スギ「降参です」

 リカルマ「な……に……」

 スギ「ですから、降参です、貴方には勝てません、先ほど、直観しました」

 リカルマ「貴様……貴族であったら! 剣士であるというのなら! 自ら背中を向けることの意味が分かるだろう、貴様にはプライドはないのかぁ!?」

 スギ「私には、そのようなものは、ありません」


 闘技場は静まり返った。


 ベルナ「イムス、勇敢に槍に立ち向かっていったと思えば、あっさり降参する……あいつは何なのだ……」

 イムス「ああ、ああいうやつだよ」


――


 戦場から帰るスギはイムスに耳打ちした。

 

 スギ(彼は左利きですね。右手側の攻撃速度が若干落ちます)

 イムス(だな……ありがとう……)


 スギの目的は徹頭徹尾、情報収集であった。


 リカルマは授業の中で自身の力を示していきたかった。

 今回の模擬戦で、それを達成させるはずだったが、スギによってその調子は狂わされた。

 勝ったはずのリカルマの背中は何とも言えない悔しさを映していた。


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