太刀筋の違い
右上から左下に打ちおろすけさぎりと正中線小手部を通る斬撃はアリザインの最も得意とする所でこれを何回か使った。
しかし正中線小手部を打つ太刀は間合いや相手の斬撃で切られる可能性がある為「転化」等の体裁きを併用した。
袈裟切りは踏み出す時は通常時右足だ。これにより右半身が前に出る。
アリザインは斬撃の際柄付近を握る左手の位置までずらすと柄の端を握る左手が伸びる範囲まで広がる。
一刀流の「延打ち」に近い。
対してサリディアスは突きを多用した。
中段や正眼から一拍子で攻撃できる唯一の刀法だからだ。
左足で踏み込み左側を前に出した半身で突きを繰り出せば刀身は最大限に伸び屈指の到達率を見せる。
さらには相手からすれば突きは「点」の様に見えにくい。
かつ距離感が付きにくい。
ただし防御間合いを把握する必要がある。
かつ打突はまずはそれが届くかどうかを見る必要がある。
しかし打突を放つ側にしても受けられると切り返しで攻撃に転じられる事がある。
また剣は「拍子」が大事とされるがアリザインが斬撃してくるのを異なる手拍子で打とうと思った。
サリディアスはアリザインの構えが崩れずしっかりしているのを利用し相手の剣に自分の剣を密着させ小さく捲こうとした。
反時計回りに捲いて顔を打ちに行くのも有効と踏んでいた。 これに対しアリザインは正中線を取り相手の剣を左下に払い正中線にすぐ戻そうとしていた。




