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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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明かされたアリザインの過去

 レオンハルトはアリザインの履歴書を見ていた。


「あいつは殺人気道術の流派の一族? それの秘密を隠してもらう為と言っていたが、秘密って何だろうか。まあ要するに犯罪を犯してたとかそういう事じゃないかと思うが、それを弱みに取られたとか言う事なんだろうか」


 アレーナは聞いた。

「殺人気道術って?」


「古来からヘリウムだけでなく多くの国に伝承された、初めから相手の命を取る事を目的とした武術さ。例えば寸止めじゃなく最初から本気で拳や蹴りを撃ちまた人体の急所を狙って行く、他の武術よりはるかに強い力を持った武術さ。確か空気の様に相手に触れずに投げる技がある。だからあいつは本当に使い手なんだろう。昔は道場があって多く伝承されたが、あまりに危険だったり悪用される事が多くてついに国によって封印された。教えた相手がその後悪人になったり悪人に教えたり、未成年が覚えたいと言ったりとかね。そして元祖の伝承者である1族は国の弾圧によって処刑されたらしい」


「それじゃ、もしかしてアリザインさんがその一族の末裔だったり、親族がそうだったり?」


「まだ調べないと分からないがそうじゃないかと思う。いずれにしても次の拠点攻略までもう日がない。あいつが良からぬことを考えて我々を例えば軍や勇者パーティそのものを混乱させてやる事が目的、いや帝国に命令されているか操られているんだとすれば大変な事になる」


「じゃあ、早く皆に伝えた方が?」


「いや、あいつは命を取ると言ったが、俺は別に取られても構わない。しかし何か他の汚い手に出てくる可能性がある。例えば関係ない人を人質にするとか」


「じゃあ私達だけで」


「うん。ただ後問題なのはあいつが自主的に悪い事をしているのか操られているのか脅されているのか等その辺りを調べないと」


 シギアは次の日また修練に出て来た。

 しかし前の様な闘争心はない、何か疲れて悟った様な目や表情をしている。


 皆どうなったんだと言う表情で見ている。

 そして休み時間穏やかにとつとつとアリザインの所に行き話しかけた。


「アリザイン、もう1度勝負してくれないか」

「いいだろう」


 そして2人はまた闘技場中央で向かい合った。

 しかしすっかりシギアは血の気が失せている。

 アリザインは自信満々だ。


 しかしわずかに「シギアが何か考えているのか?」と言うような不安の欠片ものぞかせた。


 そして

「はじめ」

 の合図が鳴った。


 2人は組み合おうとした。


 ところが今度も、昨日より1秒遅い位のタイミングでシギアは投げ飛ばされてしまった。


 シギアは天を仰ぎ絶句した。

 ミラムロはシギアに駆け寄った。


「大丈夫ですか⁉」

 前の日の因縁を感じさせない心配の仕方だった。


 シギアはぽつりと言った。


「ごめん」

「え?」

「君に嫌な事を言ったから、罰が当たったのかもしれない」


 レオンハルトは修練後アリザインの所へ行き誰もいない所で話した。


「何だ」

「教えてくれ。お前の秘密を」


 レオンハルトは真摯に、相手が悪人と思わず同僚として信じようとした。


 アリザインは嘲笑った。

 簡単に人を信じるやつだ、と。

「ふふ」


 しかしレオンハルトは真っすぐ目を見て表情を変えない。

 これに対しアリザインは怪訝な顔をした。

 

 完全に疑っている。

 それだけでなく「教えてくれ」と真正面から言ってくる事が「こいつ馬鹿か」と言う笑うより変なやつ扱いの目を持った。


「知ってどうする。他の奴らに言う気か。そんな事をしたら」


「俺の命を取ってくれて構わない」


 レオンハルトの目には嘘はないと皆が信じ思う程信頼した感情が感じられた。


 しかしアリザインはまだ信じなかった。


「ふん、それ以上の、例えばお前達の近親者にも危害を加えるぞ」

「わかった。誰にも言わない」


 ここまで言われようやくアリザインは少し教えてやろうと言う気になった。

 勿論完全に全てを言うと言う様子ではないが。


「じゃあ少し教えてやる。俺は今確かに催眠術の様な帝国の魔術で操られている。いきさつを少し話せば、少し前に帝国の皇帝メガス様直々に俺に話があった。そして俺の親父や祖父、それより前を調べるうちに1族が殺人気道術を使い皆殺人や犯罪を犯してかつ隠していた事が分かった、それを公表すれば俺は外をもう歩けなくなる。だから協力し手先になりヘリウムに対しスパイや内部工作をしろと言われたんだ」


「そうだったのか」


 1転してアリザインは野心で嬉しそうな顔をした。


「俺はそれに答えれば皇帝メガスから国を支配する程の力を与えると言われた。だからそれが楽しみなんだよ今は」


 しかしレオンハルトはそれを聞いても顔を変えなかった。


「お前は脅されているだけだ。利用されてるに決まってるだろう」

相手を真摯に信じていた。


 アリザインはレオンハルトが態度を変えない事が意外だった様な表情をした。


「あの勇者も1秒で倒した」

「それも皇帝メガスにもらった物か」


 そう言われてプライドを傷つけられたのかアリザインは怒り口調になった。


「違う、あれは正真正銘、祖父と親父から伝承された物さ。それを俺はずっと他人に隠していたんだ。履歴には仕方なくその1一族と言う事は書いたが。俺は恐ろしい技を子供の頃に習いそれを体得した事を周囲に隠し地味な人間のふりをして生きる事を余儀なくされた」


 ここで回想に入る。


 アリザインが小学校の頃、柔道大会で手も触れずに生徒を投げてしまった。

「ま、まぐれだよまぐれ、手が滑っただけさ」


 また高校時代殺人現場に偶然居合わせた時


「彼は家が殺人流派の道場とか。参考に来てもらいましょう」

「嫌だ、僕は何もしてない!」


 回想から現実に戻る。


「そして俺はいつしか隠して人生を送る事で精神負荷がとても大きくなった。そしていつかこの大きな力を使って何か大きな悪い事をしようと思い始めた」



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