新しい仲間の少女
「新人が3人、男が2人女が1人入る。今日はその内1人が来る」
朝朝礼で副隊長は説明した。
「じゃあ勇者パーティはこれから修行に。後ほど新しい人が来たら紹介する」
「はあ」
移動中、シギアは溜息をついた。
「どうした」
レオンハルトは心配で聞いた。
実はシギアは溜息を最小限にして悩みを見せないつもりだったのだが見えてしまった。
フィリオは口を挟んだ。
「実はシギアさんのご両親が病気なんです」
「おいおい言うなよ」
レオンハルトは嫌な顔をした。
「言うなって事はないだろ? また黙って隠す気か」
クリウも続いた。
「この前口酸っぱく辛かったら皆に言ってって言ったじゃない!」
「あ、ああ……」
シギアはばつの悪そうな顔をした。
午前は体力作りを一通りして手合い練習に移った。
皆さすがに少し疲れが出ていた。
そして午前が終わった。
そこへ兵士に連れられて17歳程の少女が来るのが見えた。遠くからでも何となく皆が見とれる魅力があった。
特に宝児は少しだけぼうっとした。
その少女は育ちの良さそうな外見の少女が素朴な村人の服を着ている、そんな印象だった。
しかし柔和な雰囲気の全身やあどけない目や口元にも逆にどこか内に秘めた強さ、誇り、風格の様な物を感じさせた。
「あの人強いんですか」
宝児は聞いた。レオンハルトは答えた。
「そりゃもちろん宮廷で選ばれたんだからな。ほら腰に剣を差してる」
「ふええ、あの顔で人を切るとは」
「じゃあ、着替えて」
兵士に着替えるよう言われ少女は更衣室の方へ消えた。
そして、少しして騎士が少女を連れて来た。
「はい、少し休憩、紹介する人がいます」
皆は集まった。
皆は「おおっ」と言う感じで声を上げた。
少女は騎士団の女性制服に着替えていたが、これが何とも似合う。
村人の素朴な服も良かったが、あどけなさのある顔とびしっとした制服のコントラストがまた異なる印象を与えた。
彼女は緊張し手を前に組んでなるべく背筋を伸ばそうとしている様な感じだ。
しかし緊張しながら瞳の奥に強さを感じさせた。ただ一方で少し何かにおびえている様にも見えた。
「宮廷に選ばれた新しい仲間、ミランディ君だ」
「宜しくお願いします」
挨拶も丁寧だった。
目は前を見据えながらも、繊細に口を小さく開けて言った。
腹と喉の中間から声を出している印象だった。
目はわずかにほほ笑みをたたえた。
目つきはそんなに自信満々ではない。大人しくあどけなさが残る。
しかし強い眼力も隠し持っている只者ではない感じも受け、特にシギアとレオンハルトは感じていた。
髪はブルーでフィリオと同じ位ふぁさとして手入れが行き届いている。
しかし鼻等顔の各部位を通して凛とし怒らせたら怖いかもと言う印象も少し与えた。彼女が戦士である予備知識も手伝ってだが。
「ところで彼女は父親は剣士ダゼリオ、母親は魔法使いマロナロだ」
「へええ!」
レオンハルトとドレッドは感心した。
宝児は興味深く聞いた。
「誰?」
「この国を代表する剣士さ。凄い血筋だな」
「すごい人なんですね」
騎士は説明した。
「彼女は両親に将来勇者となるべく育てられた勇者見習いだ」
「ええ?」
「勇者見習い⁉」
これはかなり皆驚いた。
ミランディは否定した。
「そんな!」
「いやそんな謙遜するな。彼女は高い能力を持っているのは本当だ。剣と魔法が両方使える。それを見せる為これから手合いをする」
そしてレオンハルトは剣で手合いする事になった。
新キャラは何人か登場し、多少メンバーが入れ替わるやもしれません。
追記
ラストの三行ほどに少し説明がおかしなところがあり削除致しました。




