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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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輝く稲妻

「はあああ!」

 アレーナは天を仰ぎ叫ぶ。


「ぬう⁉」

 マドンはアレーナの様子を見て疑心にかられた。


 傷ついた体でアレーナは何とか力を振り絞り詠唱体勢を作り全ての雷エネルギーを両手に集めた。

 顔からも腹からも血は流れた。


 体の消耗と集めるエネルギーの大きさにふりまわされるようにアレーナの華奢な体は自分を支えているだけで精一杯の様だった。

「う、ぐぐ」


 アレーナは雷と言う重い物を傷ついた体で支える様に苦しみながらエネルギーを溜めた。

 体の中で制御しきれない程だった。


 集まった魔法パワーの波動大きさやアレーナの決死の表情に明らかに今までと様子が違う事にマドンも気づいていた。


「体が揺れ腕が固定出来なくなっている、それほどのエネルギーを溜めた魔法か。まともに受ければまずいか。しかし魔法のパワーもすごいが数か所刺され殴られたと言うのに何て精神力だ。奴が詠唱を終えるまでに切ってやるか。待てよ。いやこんな奴の魔法をいちいち避けたり未然に防ぐのも俺のプライドが廃る」


 マドンはアレーナに向かい体に力を入れ叫ぶ。

「良いだろう、受けてやるぞ貴様の魔法!」


 それは勿論アレーナに聞こえた。

「はああ!」


 アレーナの腕にバチバチと火花が散りぶつかり直径40センチ程の雷玉が作られようとしている。


 さらにパワーは溜まり大きな玉が出来そうだった。

 アレーナは感じていた。

「もう少し……」


「ふん」

 マドンは、どうやら本当に全てを賭けた最後の攻撃の様だな、と思った。


 そして遂に雷が集約しバチバチと散った。

 電気の粒が無くなり1つになり直径70センチ台の弾になった。


 見ただけでまるで弾にあふれそうなほど雷が充満しているのが素人でも分かりそうだった。

 500ボルトはあるのではないか。


 アレーナは鬼気迫る表情で言った。

「受けなさい!」

 これで勝負を決める、賭ける覚悟だ。


「来い」

 マドンは大声でも馬鹿にするのでもなく低く静かに言った。


 ドンと言う音と共に最大級の雷魔法がアレーナの手から発せられた。


 それは超スピードでマドンに向かって行く。

 周りに物があったら焦げそうである。

 それ程熱を持っている様に見えた。


 マドンはそれから目を離さず動かずついに真っ向から受け止めた。

 そして命中した弾は大爆発した。


 電気もマドンの鎧や体に伝わって行くのが傷ついたアレーナにも見えた。


 アレーナは煙でマドンの姿が全く見えなかった。

 しかし油断とは違うが、これで少なくとも相手は重症であると思った。

 もう効かなかったら打つ手がないと思っていた。


 ところがマドンの体は煙の中から現れた。

 アレーナはまさかと思ったがマドンの姿を見て理由が何となくわかった。


 マドンは鎧を強化形態に変えていたのだ。

 鎧の装甲は2重になっていて上側の装甲を反射板の様に全身開いた状態にしていたのだ。


「ま、まさか⁉」

 アレーナは青くなった。


 マドンは自分の方が上手だと勝ち誇った。

「くっくく、この鎧を強化形態に出来る事までは知らなかった様だな。これで貴様の力も打ち止めだろう」


 マドンはナイフを投げアレーナの右肩に命中した。

「ぐっ!」

 アレーナは肩を押さえた。


「とどめは剣で真っ2つにしてやる」

「くっ!」

 マドンはじりじりと迫ろうとしていた。


 しかしアレーナはまだ最後の力を振り絞り腕を抑え睨んでまだと言わんとしようとしてる様だった。

「何だ。まだやる力があるのか」


 アレーナは声を振り絞った。

「ま、まだよ! ドレッドの仇討ちと勇者パーティとしての意地、シギアも、レオンハルトも、宝児君も、クリウも、私と同じ立場だったら最後まであきらめないはず!」


「よく分からんが相手が悪すぎたな!」

 そしてマドンは剣で切ろうとした。


 ところが。

 剣は飛ばされた。


「誰だ⁉」


 アレーナは気づいた。

「シギア!」


 そこにはシギアと皆がいた。

「遅くなった、すまない!」



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