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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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意識下の葛藤

 その時だった。

 シギアはカーレルをかばい矢を体に受けてしまった。


「シギア!」

 カーレルは叫んだ。


「う……」

 実は、シギアには今朝ある事があった。


 布団から起きた頃フィリオが伝言を持ってきた。

「シギアさん、実はご両親が病気になられたと言う事です」


「え……」

 シギアは思わず歯ブラシを落とした。


「すみません。こんな時に」

「いや、まあ君が悪いんじゃないよ。でもどんな状態かな」


「入院されてるらしいです。心労がたたったらしくて。すぐに命に、という事ではないらしいですが」

「……」


 シギアは前にレオンハルトに言われた事を思い出した。

「じゃあ、残されたこの国の人たちはどうするんだ? ご両親が辛いからと言ってこの国の力なき人たちを放っておいても良いのか?」

「そうか、それが君の考えなんだな」


 そして城下町洪水で水没した際に薄れゆく意識の中で思った事を思い出した。


「俺は最低の勇者だ。人助けよりいかに効率よく敵を倒し水害を減らす事しか考えていなかった。でも皆は敵を倒すより溺れている人達を助ける事を優先していた。俺はやっぱり最低だ」


 シギアは意識が遠くなる中思っていた。


 ヘリウムに来てから最初は自分を捨てたと言っても天秤にかけて親を救う事や堕天使学校の奴らを捕まえる事を優先していたけど、色々あって皆に影響を受けたりしてからこの国にとどまって帝国と戦おうと決めていた。心に迷いはあっても。


 でも朝の親の病気の知らせから少しぐらつき始めてしまった。何が正しいのかよく分からなくなった。


 洞窟の時もそうだけど、勇者学校の教えで「人前で弱みを見せるな」と言う教えに縛られすぎたからクリウ達の考えを聞くまではそれが絶対正しいと思っていた。


 だけどそれだけでなく、俺が自身のプライドで皆に弱音を見せたくないと思っていたのかもしれない。

 いや自分自身に対しても認めたくなかったのかもしれない。俺にはまだ勇者学校出のプライドがあったから。


 シギアは勇者学校の教師の言葉を思い出した。

「シギアは間違いなくAランクで卒業出来るだろう」


 しかし友人の評判は相半ばしていた。

「でもあいつ堕天使学校出だろ」

「ただあいつ実力はあるよな」

「陰で努力したのかも」

「ただ、堕天使学校出だって言うのを覆したい感じが凄く感じるよな。それにクールで1人でいる事が多いし、意地張ってるんだろうな。他の奴に負けたくない。俺は違うと」



 その頃から「俺はAランクなんだ、しかも堕天使学校出で差別されたけど努力して掴んだ。皆ともなれ合わなかった」と言う悪いプライドが生まれていたんだ、と思っていた。


 その後の職員室の前

「彼は理由を付けてCランクに落としましょう」


 これで人間不信気味にもなった。で尖りだした。

 そして、再び現実に意識は戻る。


「シギア!」

「シギアさん!」

 気が付くとレオンハルトと宝児が叫び、クリウが傷の手当てをしていた。


「あれ、皆?」


 他の騎士は言った。

「全く皆お前が戻ったのに気づいて来たんだ。困った話だよ」

「われわれはちゃんとやってる。お前らを送り出すためだ」

「リーダーのレオンにも責任があるぞ」


「もっときちんと教えておくべきだった」

 カーレルは言った。


 先輩騎士は言った。

「シギアはここで休んでろよ。あとクリウは勿論治療、レオンハルトと宝児君はガード。他のメンバーで先に行け」


 そしてドレッドやアレーナは先に行った。

 ドレッドたちは戦いの合間をぬって敵のいる奥地に行った。


「あの女は魔法使いだ、接近戦には弱いはずだ。取り囲め!」

 アレーナに兵士達が迫る中、アレーナは天に指をかざした。


 アレーナは落雷をおこし、落ちて来た雷を体に浴び、電気体質状態になった。


「な、何だ⁉」

 ドレッドは驚愕した。


 体が電気でしびれながら鎧の様に身に着けてようとしている。


「雷を纏った⁉」

 驚く兵士たちをアレーナはスキル「高速移動」で体当たりで蹴散らして行った。


「うわあ!」

 兵士は叫んだ。


 ドレッドも驚いた。

「すげえ……何て戦法だ」


 するとジェネラル・マドンと手下たちの所の町内部に来た。


 ドレッドは言う。

「俺達だけでやってやる」

「勇者一行ようこそ。2人だけだが」



今後はかなり一人一人のキャラにスポットを当て掘り下げ一騎討ちの活躍が多くなりシギアばかり強敵と戦う訳ではなくなります。

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