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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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決死の魔法

 クリウは目をつぶり、集中し前に出した攻撃白魔法の詠唱を始めた。


 後ろにいたシギアは危惧した。


「な、何か先日より詠唱に時間がかかっていないか?」


 アレーナは説明する。

「そうね。実は攻撃白魔法の威力、大きさには2,3階の大きさと溜め方がある」


「じゃあ、この前に出した物より威力が大きい? それに力や時間も使うって事か」


「そうね、危険よ」


「そうか、なら」


 一方レオンハルトとドレッドは前衛で戦っていたがダメージを与えられない。逆に反撃も食ってしまった。


 ドレッドは痛みを不気味に感じた。


「何だこいつの攻撃の衝撃は? 物理のはずなのに魔法で近くから攻撃されたみたいな痛さだ」

「鋼鉄の筋肉を持つお前が言う位なんだからそうなんだろうな」


 シギアは痛みが動きに伴いかつ攻撃も受ける覚悟をして前に飛び出した。

 そして同時にアレーナも前衛に出た。


「あ、何でお前が!」

 とレオンハルトはシギアを心配した。


 しかし、シギアは何も言わず黙って前衛に走りこんだ。

 無理をしているとあえて言いたくなかった。


 シギアは切りかかった。

 しかしやはり効果はなく、反撃を避けようとした。


 しかしあばらの痛みが邪魔をしてよけそこないもろに「呪」属性の攻撃を食ってしまった。


 もう1発食ったら危ないと言う所だった。

 

 アレーナはスキル「高速移動」で駆け付けシギアを抱えて跳び、離れた所で稲妻を撃った。


 しかしこれも効かない。


 ドレッドはさすがに希望が減った事を口に出した。

「剣も魔法も効かないのかよ!」


 シギアは説明した。

「白魔法しかあいつには効かないらしいんだ」


 そこへゴーストは口から直径80センチはある白い息の弾をアレーナに向け撃った。


 アレーナはこれをスキル「高速ジャンプ」で避けた。

 しかしさらに空中で追撃の1発をまともに食ってしまった。

 抱えていたシギアも倒れた。


 しかしシギアもアレーナもまだ意識はあった。


 2人とも闘志を途切れさせないようにした。

 そしてシギアは力を振り絞り手で床を掴む様に何とか立ち上がった。


 ドレッドには若干シギアが無茶に見えた。

「まだ攻撃するのかあいつに! 物理攻撃は効かないぞ!」


 シギアは力を振り絞る様に声を出し説明する。

 腹に声を出す負荷がかかる。


「いや、やっつけるより引き付けるんだ!」


 またシギアはゴーストに向かって行き白い息の弾を勇者スキル「衝撃波」で相殺した。


 クリウはそれを見て思った。


 また無茶をして……まだ「勇者だから弱みは見せられない、と思ってるの、と悲しい気持ちだった。自分の忠告は無視されているのでは、と。


 しかし、シギアは「勇者だから」「無理をしなければいけない、弱みを見せない」と言う理由ではなく「残った力で自分に出来る限りをやろう、皆を助け貢献しよう」と言う分をわきまえた、役割を認識した気持ちだった。


 出来る最善を尽くそうと言うおごらない考えからの行動だった。

 しかしクリウにあまり伝わって無い様だった。


 そしてレオンハルトとドレッドも何とか加わろうとした。

「俺達も戦う!」


 シギアは答えた。

「皆、攻撃するんじゃなくクリウが力を溜めるまで上手くあいつを引き付けるんだ! あいつは白魔法以外効かないらしい」


 アレーナは隙を見て傷つきながら中腰で稲妻をゴーストに放った。


 するとシギアはジャンプしてタイミングよく剣で避雷針の様に稲妻をキャッチし勢いを付けゴーストに撃ち放った。


「加速を付けた雷魔法だ」

 爆発を起こしてゴーストにさく裂したがこれもあまり効いていない。


 宝児はグライといらいらしていた。

「くそ、何も僕には出来ない。水の杖があれば僕も魔法が使えるかもしれないのに!」

「宝児さん、もしかして水の杖とやらはあの宝箱の中かもしれないすよ!」


「そ、そうか」

「俺が取って来ます!」


 大急ぎでグライは走り、恐る恐るゴーストの隙をついてさっと宝箱を奪った。

 そして大急ぎで宝児の所へ持ってきた。

「これ杖が入ってます!」


 アレーナは見て言った。

「それはまさしく水の杖!」

「これを使えば僕も水魔法が⁉」


「はっ、はっ!」

 一方レオンハルト達は効かなくても剣をふるい奮闘した。


 そして宝児は杖を手にした。


 アレーナは叫ぶ。

「宝児君! 初めてかもしれないけど、体内の水の聖霊に呼び掛けて念じて!」


「ええ、呼びかけて念じるんですね!」


 アレーナもレオンハルト、ドレッドと一緒に前で戦った。

 

 宝児は意識した。

「念じる、念じる……」


「呼びかけて! あう!」

 アレーナはよそ見したため吹っ飛ばされた。


「うう、水の聖霊、とやら、頼む」


「ぐわ!」

 レオンハルトとドレッドも打撃を受けた。


 シギアは無茶をして奥義を出した。


 光の出た剣で思い切り切ったがこれも効かない。

「ああ、これも駄目か!」


 宝児の体に何かが沸き上がり、まるで口から言葉が出てくるように自然と叫んだ。


「行けっ!」

 遂に水の杖の先端の宝石が光り水の塊の魔法が射出された。


 さらにクリウの白魔法が遂に溜め完了した。


 2つはほぼ同時に発射されゴーストに当たり爆発を起こした。


 ゴーストはあとかたもなくなくなった。

「やった! て」


 シギアは痛みにどさりと倒れた。

 そこへヘリウム城の兵士たちが救援に来た。


 次の日、休んでから皆城で話し合いになった。


 レオンハルトは家臣や副隊長に言った。

「水の杖を手に入れましたが、そんなに宝は手に入りませんでした」


 副隊長は言う。

「いや、それで十分だ。これで宝児君も戦える」


 家臣は説明する。


「で、今後の予定だが、いよいよ拠点奪還作戦に移る。3つの町と4つの基地を奪い返す。具体的には我々大軍で乗り込むんだ」


 レオンハルトは言う。

「大軍同士の戦いになるのですね」


「そうだ。そしてそこで突破口を見つけて君たちに深部に侵入してもらう。いよいよ本格的反攻が始まるんだ。これで帝国からペースを引き戻しそして最後勝つようにするんだ」


 そしてクリウは終わってからシギアに言った。


「昨日、『また無茶をしてる』と思ったけど、呪文詠唱の最中で何も言えなかったわ」


「いや、あれは『勇者として弱みを見せない』とかそう言う意味でやってたんじゃないんだ。俺も皆の忠告聞いて無視してるわけじゃないからね。最初はおとりになってあんたの白魔法で決めてもらおうと思っただけさ。まあ最後は結局少し無理しちゃったけど」


「じゃあ、勇者学校の教訓で無理をしたわけじゃないのね」


「そうだね、それにこだわったり凝り固まったりしてる訳じゃなく、皆のアドバイスを聞いた方が、あと負担をかけすぎない方が良いって思えたんだ」


「そう、それは良かった」

「君の看護師、白魔導士としてのポリシー、これからも大事にしてくれ」

「そうね」



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