洞窟探索
シギアは特訓をしていた。
僅かな待ち時間も惜しまず。
周りに気持ちを言わず黙々とやるのが彼らしい。
キングヘイルに敗北同然だった事、それへの悔しさかはたまた皆を守ろうとする責任感か。
そして待ち時間が終わった。
一行は副隊長達の先導で洞窟へ向かった。
コアやグライも加えてだった。
副隊長は言う。
「先日も言ったけど、王宮の募集でまた少し新たなメンバーが加わる事になる。新しい人が入っても上手く連携やコミュニケーションを取ってくれ。王宮の審査があるので変な人は入ってこないと思うが」
レオンハルトは呆れ気味に言った。
「ああ、変な人はもう間に合ってますから」
シギアはすぐ反応した。
「誰の事だい」
洞窟はワンザが行った神殿とは逆の方向に小2時間程歩く距離で皆馬車で移動した。
「すごいモンスターとか出るんですか」
クリウは少し不安だった。
副隊長は
「あ、ああ、何と言うか、少し癖のある奴が出るかな」
「癖のある奴ですか」
そして洞窟についた。
遺跡のように古い建造物がバラバラ砕かれた石がそこら中に散らばっている。50センチほどの大きな破片、10センチほどの小さな破片。
そこはまるで瓦解した城の様で建物の無事な場所は全くなく足の踏み場がなく歩きにくかった。
「もう少しで入り口だ」
そして着いた洞窟への入り口はまるで壊れた門の様な形で門自体が斜め後ろになって倒れかかった感じで固定状態になっている。
穴は1メートル60程でくぐって入る感じだった。
「この中に階段がある。入り口は小さいが」
「何階くらいですか」
クリウは聞いた。
「それはお楽しみだ」
レオンハルトはシギアに盗賊グライの方を見て小声で耳打ちした。
「あのグライと言う男、前にも言ったが怪しい、気を付けろ」
「ああ、わかった」
そして皆は階段を下りた。
中は暗い。松明が勿論必要だった。
道はまず一本道だった。外から光はあまり入らない。
壁はセメントで包装されていて、あまり高級ではないかなり古された感じだ。
綺麗なお城とは勿論雲泥の差で、古くから試練場として使われ年季が入っている。
宝児は見回した。
「右側が見えにくいですね」
隊列は前から、レオンハルト、シギア、宝児、アレーナ、クリウ、コア、グライ、ドレッドの順だった。
「ゆっくり、慎重に」
「まだ部屋は角は見えないな」
ゆっくり歩いたため進行速度は遅かった。
4分程歩くと初めての右の曲がり角が見えた。
そこを曲がるとまた一本道だった。
アレーナは飽き気味に言った。
「長い」
ドレッドは答えた。
「不安をあおる構造にしているのかもしれない」
その内斜め前に2方向への分かれ道が見えた。
「どちらにしようか」
グライは何かを感じ言った。
「どうも左側にお宝のにおいがします」
それに従い、左側に進むとまた細い1本道だった。
しばらく5分程歩くと宝箱があった。
「おお、見つかった。もしかして水の杖」
「いやこんな早くは」
「トラップチェックをしましょう」
グライは慎重に宝箱を調べ開錠した。
「これは杖ですかね」
クリウは楽しみと不安で聞いた。
「魔力とかあるのかな」
ドレッドは考えを言った。
「クリウが装備してみたらいいかもしれない。」
そしてその先は行き止まりだったため、戻る事になったが後ろに気配を感じた。
「何だ、あっ!」
振り向くと何と水面から出る様に床から浮き上がったモンスターがいた。
これはかなり皆を驚かせた。
そんなに強そうではないとはいえ。
全長2メートル程の銀色のサンショウウオかトカゲの様なモンスターが出た。
宝児はさすがに驚いた。
「な、何だこいつ、床から浮き上がって来た」
クリウは不安がった。
「もしかして誰かの使い?」
アレーナは魔物辞典を見た。
「ううん、これはれっきとした野生怪物ね、でも金属とかに水化して潜り込み獲物を待つ習性がある鋼鉄サンショウウオね」
「す、すごい能力を持っているんじゃ」
宝児は不安がった。
アレーナは不安を和らげようとした。
「外見は弱そうだけどね」
「よし、弓矢で様子を見よう」
とコアは矢を放ったが軽くはじかれてしまった。
「硬い!」
レオンハルトは切りかかったが、かなり硬い。
「あの銀色の体、まるで鉄だ」
シギアも切りかかったが突然素早く伸びる舌で襲われた。
「ぐわ!」
「大丈夫か」
「気を付けろ、奴の舌も硬くて剣の様だ」
さらにアレーナは雷を放ったがいまいち手ごたえが薄い。
ドレッドも剣をふるった。
「弱点がないなら根気よく攻撃するしかない」
そして剣と魔法で何回か攻撃しサンショウウオを倒した。




