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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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シギアの目と聖剣共鳴

 ついに5勇者は封印結界を解除した。

 解除した途端、5人の聖剣をかざし共鳴させた事で発する光線がアスタロトを襲う。


「なっ⁉」

 聖なる閃光を浴びたアスタロトは肩から腰辺りまで焼き切られるような傷を負った。

「があ……」



 勿論鉄壁の防御を誇るアスタロトにとってこんな傷を受けるのは初めてだ。

「こ、これが共鳴した聖剣の力」


「こんなのは序ノ口だ」

 とゴッドタンは言った。


 イーンラは言う。

「散々暴れてくれた手前の覚悟は出来てんだろな、え?」


「だ、黙れ!」

 とアスタロトは向かってきたがイーンラの剣で光の刃を飛ばされ傷を負い血を流した。

「あ、あぐぐあ」


「よし、一気に5人で決着を付けよう」

 とフィーグスが言うとシギアは手で制した。


「どうした?」

「少し俺1人でやらせて下さい」

「何言ってるんだ。5人いなければあいつを封印出来ないんだぞ」

「いえ、倒すんじゃなく俺の感情をぶつけたいんです」


 イーンラも言う。

「感情をぶつける? 意味が良く分からんが」


「仕返しをしたいんです」

「……」


「俺はこれでも抑えてます」


「そうか」

 イーンラはにやりとしてシギアを1人で前に出した。


「何だ?」

 アスタロトは疑念を感じた。

「あんたは俺が」


 何だこいつ、1人で俺とやろうと言うのか、馬鹿め、1人でも倒せば聖剣は共鳴出来なくなり奴らに勝ち目はなくなる!

 とアスタロトは思った。


 シギアの意図に不明な点がある事から、静寂が流れた。

 アスタロトはチャンスとばかりにシギアに襲い掛かった。

 しかしシギアは殆ど動かない。そして目にも止まらぬ剣の一閃を浴びせた。


「がっ!」

 アスタロトは体を切られた。

「がうう」


 シギアは薄い目をしていた。


「何だ貴様、何か言いたい事があるのか?」

 とアスタロトが言い終わる前にシギアはまた一閃を浴びせるとアスタロトは左腕から出血した。


「あぐあああ!」

 と叫び終わる前にまた切った。

 右腕から血が出る。


 腕の痛みを抱えながらアスタロトはやけくそに襲い掛かったがまた切られた。

「ああ!」


 シギアは冷たい静かな怒りの目でアスタロトを見た。

 怒鳴ったり叫んだりはしない。

 目が血走ってもいない。


 すわっている目、と言うやつである。


 更にシギアは光の刃を目にも止まらぬ速さで出した。


「あああ!」

 おびただしい血をアスタロトは流した。


「俺はこんな傷すぐに塞げるんだ!」

 と言いアスタロトの傷が回復始めたが、今度はいきなりシギアは腹を殴った。


「あ、あぐぐ」

 さらに顔を蹴った。


 吹っ飛ばされるアスタロト。


「お、おい、パンチなんかじゃあいつは封印できないぞ」

 フィーグスは言ったがイーンラは言った。


「分かってるんだあいつも」

「えっ?」

「殺すんじゃなく感情をぶつけたかったんだ。仲間達をなぶった怒りを」


 さらにシギアは猛スピードで間合いを詰めアスタロトを殴った。そして蹴った。

 その数7発。


 倒れたアスタロトは震えた。

「ぐぐぐ」


 ゴッドタンはシギアに言った。

「もう良いだろう。これで決着を付けるぞ」


 こくりとシギアは頷き4人の所へ戻った。

 そして5本の剣を合わせた。


 凄まじいエネルギーが集まる。

 ゴッドタンは叫ぶ。

「消えろ!」


 メガスはその瞬間、アスタロトをかばい立ったが貫かれアスタロトも貫かれた。

「があ!」


「倒した⁉」

 宝児は言った。


「まだだ!」

 それはアスタロトと言うより悪魔王の真の声だった。

 アスタロトは悪魔、魔人の様に巨大化して行った。

 そしてメガスも取り込んだ。


「奴を怒らせた?」

「まだこんな力が?」

「やけくそじゃないのか?」   


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