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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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シギアの苦悩と自己犠牲

 シギアと宝児は女神の命令通り剣の力を集めていた。

 段々と力が溜まって来た。


 しかし同時に飛び出して行きたい気持ちがどんどん上がった。

 仲間の悲鳴を聞いて何も思わない訳がない。


 その時レオンハルト達の悲鳴は一層強くなった。

「ぐぐうう」


 た、耐えるんだ、皆の厚意に応えヘリウムの他の平民を救うために心を鬼にしなければならないんだ。

 とシギアは言い聞かせた。


 そういう場面が勇者にはある事を分かっていた。

 その気持ちとのせめぎあいの辛さにシギアと宝児は苦しんだ。


 しかし

「ぐああああ!」

 レオンハルト達への攻撃が激しくなった。

「ぐっ!」

 

 シギアはこらえられなくなりレオンハルトの方を向いた。

「よせ! 俺達の事は構うな!」

「しかし!」


「だが、どうしてもと言うならクリウとアレーナ君は助けてやってくれ。女を犠牲にするのは忍びない、さすがに」

 クリウも必死にこらえながら言う。

「女だからって特別扱いしないで! 死は元より覚悟の上よ」

 

 アレーナも言った。

「私もよ、足手まといにはなりたくない」


 マーティラスも言う。

「早く聖剣のパワーを溜めるんだ」


「だけど!」

「行けません!」

 と女神が止めるのも聞かず遂にシギアはアスタロトに向かって言った。


「聖剣のパワーが溜まってなくたって!」

 しかし剣はあっさりアスタロトに避けられた。

 アスタロトは反撃せずレオンハルト達に攻撃した。

 

 衝撃波を弾丸の様に、瘴気の針を浴びせ触手の様にして首などを絞める。

「よせ、何故俺より彼らを!」


「お前の無力さを分からせ仲間を救えない絶望感を味合わせてから今度はじっくり貴様を殺すのよ。その方が面白いからだ」

「くっ!」

 

 シギアは再度アスタロトに切りつけたが効かない。

「無駄だ、祈りの力が溜まり切ってなければそんな剣ただのガラクタだ! 空回りとはこの事だな。はっはっは!」


 レオンハルトは言った。

「俺達の方が足手まといになってる」

「さっさと殺せ!」


 とマーティラスは言ったが

 

 アスタロトは言った。

「さっさと殺したら面白くないからいたぶってるんだよ」


「やめなさいシギア! 宝児君!」

 と女神は言った。


「貴方達が負けたらヘリウムの国民は全て支配されるか殺されるかどちらかなんです! それでも良いんですか!」

「良くないですよ!」


「貴方はそういう力のない人達の為力を持ち犠牲にもなり背負わなければならないのです」

「でも俺は目の前の仲間を見捨てたり仮に勝ってもめでたしと言う訳に行かないんだ!」

「それでもあなた達は背負わなければならないのです」


「うおお!」

  シギアは剣を持って走り出し、レオンハルトにからむ触手を切ろうとした。

「シギア!」


「チャンスを逃さないでくれ! デュバンやドレッドの死を無駄にするな」

「2人死んだのにこれ以上仲間の死を受け入れろって言うのか」

「俺だってドレッドやデュバンの仇が討ちたくて血のにじむ思いだ。あいつを切りたい殺したい」

「俺が!」


 女神はシギアに向かって言った。

「シギア、止めなさい!」


「僕も!」

 宝児も駆け出した。


 シギアは言った。

「くっ! やっぱり無理だ! 俺には、今の俺には無理だ! 今の俺を作ってくれた皆を見捨てる事は!」


 女神は言った。

「貴方は勇者失格になってしまいます! 辛いのを我慢し犠牲となってくれている仲間の厚意を受け入れ弱者を守るのも使命です!」


 「なら俺はビリの最低ランク、いや勇者でなくていい! 認められたくてやってるんじゃない‼ 仲間の事を放っておけるか!」


「馬鹿め!」

 そしてシギアは仲間への攻撃を全て食ってしまった。

 

    

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