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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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ドレッドの死とシギアの激情

 デュバンは絶命した。

 誰も確認しに行く者がいない。


 デュバンは縦型の瘴気の槍型の柱で体を縦に貫かれた。

 死んだという事が確認せずともわかるからだ。

 皆絶句した。


 宝児は

「あ、ああ」

 と言いクリウは無残な死体を見て口を塞がずにいられなかった。


「死んでる……!」

 と宝児が現実を突きつける事を言った。


「うおあああああ!」

 宝児は絶叫した。

 メガスはそれを見てにやりとした。


 ドレッドも叫ぶ。

「う、うおおおお!」


 自分の無力さを嘆いた。

「く、くそ! くそ!!」

「ようやく理解できたか自分の無力さが」


 とメガスが言うとドレッドの中で何かがはじけた。


 野獣の様にうなった。

「う、う、うううう」


 そして遂にメガスに向け突進して行った。

「よせ!」


 とシギアは叫んだ。


 しかし手遅れだった。

 メガスは剣を捨てた。


 それに対しドレッドも皆も戸惑った。

 しかし構わず突進したドレッドの首を片手で受け止めた。

「あ、ああ」


 止められたドレッドは持ち上げられ首を絞められた。

「ぐ、ああ」

 あまりの苦しさに口から泡を吹きそうになる。


 しかし恐怖で皆体が動かなかった。


 メガスは片手でドレッドの首を絞め続けた。

「あ、あううう」


 ドレッドの苦しい声が響き渡る。

 メガスは笑う。


 そしてついにぐきりと音がした。

 首の骨が折れた。


 ドレッドは力なく地に落ちた。

 皆騒然とした。

 何が起きたか把握しきれない。

 しかしあまりに無残な殺され方に認識せざるを得なかった。


「ま、まさか、うそ」

 宝児はまた言った。


 メガスは言う。

「勇者パーティ早くも全滅か」

 と言いメガスは衝撃波を放つと皆吹きとばされた。


 皆気絶寸前だがシギアは何とか立ち上がれた。

 そして言った。

「俺が1人で相手する! 皆には手を出すな!」

「ふん」


 シギアは何とか怒りを収めようとした。

 勇者学校時代の言葉を思い出した。

「相手を憎むのは悪だ。また冷静さを欠いたら負ける」


 シギアは必死に頭を冷やした。

「ぐっ!」


 こう言う時こそ、冷静にならなければ。

 そして突き動かされた感情と2人が死んだ現実を受け止めたくない気持ちが複雑に折り重なりメガスに向け走り出した。


 恐怖を感じる気持ちや必死で勇者学校の教えを頭に刻もうと言う気持ちが重なった。


 にやりとするメガスにシギアはいつもと違い少し大味な剣筋で切りかかった。

 でも怒りは抑えようとしていた。


 激しく連続攻撃を繰り出したがどこか単調で剣だけでなく気持ちもメガスに見透かされた。

 剣どころかパンチで吹っ飛ばされた。


 そしてシギアだけでなく皆に向け再度衝撃波を放った。

 そしてレオンハルト、アリザイン、ミランディ、アレーナは瘴気で腹や胸を貫かれてしまう。

 クリウは何とか皆を回復させようとした。


 メガスはさらにシギアを攻撃しようとしたがマーティラスとクリウはバリアでかばった。

 しかし吹き飛ばされた。


 シギアは立ち上がりクリウに言った。

「俺はいい、皆を回復させてくれ」


 マーティラスはクリウに言った。

「俺があいつを引き付けるからクリウは白魔法で奴を攻撃するんだ。聖なる属性なら闇に効くはずだ」


 メガスは言った。

「女とマーティラスと言う奴だけ回復魔法が使えるだろう。だから見逃してやったのだ。回復手がいなくなると希望が無くなるからな」


「舐めやがって!」


 シギアは切りかかった。

 しかしさっきよりも単純になっていた。


 メガスは思った。

 さっきより動きは速くなっているが単調になっている。やけくそか。


 シギアの剣筋は30度、32度、35度とほとんど角度が変わらない。

 左からも40度、38度、27度とあまり変わらない。

 顔は鬼の様になっていた。


 皆の無念を晴らす!

 しかしメガスは涼しい顔で受け止め、ロープ状になった瘴気で足を絡めた。


 シギアを天井に放り投げ瘴気で逆さづりにした。

 そして顔や腹を殴る。


 クリウは白魔法を放ったが吸収されてしまう。

「なっ⁉」

「悪魔王様はそんな物吸収して食ってしまう」

        

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