悪魔王、メガスに力を
シギアは押されていた。
剣の圧で額を切り血が流れ目に入りそうだ。
後退したがバロナバはどんどん攻めてくる。
防戦一方ではやられてしまう。
膝が崩れ落ちそうになる。
まだ負けてたまるか。
バロナバの振りかぶり切りを何とか防いだ。
また同様の少し角度を変えた誤差の袈裟切りが飛ぶ。
血のせいで同様に見えてしまう。
今のシギアには少しの角度のずれが同様の剣筋に見えてしまった。
袈裟切りは何度も飛んで来る。
血の目と戦い見切るのが必死だった。
そして首を狙う水平切りに戦慄と恐怖を感じた。
シギアは反撃しようと右足を踏み出しバロナバの左腹の位置に突きを放つ。
やっと反撃出来た……
しかし脆くも防がれた。
しかし諦めない。
ここからだ。
防がれたショックをこらえそこから胴への横切りを放つ。
これも防がれる。
しかし続けて左下から右上に56度の45度から少しの角度をずらした切り上げを出す。
そして即座に78度の右上から左下への切りおろしを続ける。
また左上頭部付近に打突した。
だが突破口はまだ開けない。
はあ……はあ……
こいつとメガス、悪魔王を倒せばラストだ。これが終われば全ての戦いが報われる。
そう自分に言い聞かせた。
メガスは言う。
「もうすぐ悪魔王様が来る頃だ」
皆叫んだ。
「負けられない! ここまで来て、あと少しなんだ」
バロナバは中心から足へ55度の切りを出す。
同じような角度と位置にまた来る。
バロナバは後ろへステップしフェイントの様に後方から同じくらいの角度に切りを放つ。
構え直してど真ん中に突きを放つ。
ど真ん中と言うのがいささか意外だった。
「もうすぐ悪魔王が来てメガスに力を与える。その前にこんな奴に負けてたまるか。勇者学校でアンデッド対策はしたんだ」
シギアは目を瞑り視界に頼るのを止めた。
すると羽根が輝きだした。
「ぬっ!」
「はっ!」
シギアの的確な水平切りが出た。
そして右下から左上60度にアンデッド特有の気配を察知した剣が出た。
「グウ!」
バロナボはひるんだ。
「よしもう少しで!」
ところがそこへ壁をすり抜け悪魔王が遂に登場した。
女神と同じ半透明の霊体になっている。
「くっ、悪魔王!」
「メガスに力を与えられたらやばいぞ!」
しかしシギアは言った。
「どうせどちらも倒さなければならない、ならば同じ!」
「おお、悪魔王様! 遂に来たのですね! 私に力を!」
メガスが言うと悪魔王は言った。
「良いだろう。お前に力を与える、いや憑依する。今こそオロゴンの後を継ぎ世界制覇の為戦え」
悪魔王はメガスの体内に入った。
黒色に変化するメガスの体。
背中には悪魔の羽根が生えた。
にやりとするラスビイ。
それをシギアは疑念を感じながらも見逃さなかった。




