恐るべき悪霊兵
「さてと、兵を呼ぼう」
メガスは言った。
「兵?」
メガスが悪霊の剣を一振りすると床の数か所に水たまりの様に瘴気が溜まった。
「何だ?」
そして瘴気は粘土の様に徐々に盛り上がり、2メートル程の大きさになって行く。
黒い影はやがて人間の形となった。
しかし全身が黒で表情はない。まるで木製人形だ。
「何だこいつら⁉」
「ふふ、彼らこそがこの悪霊の剣で呼び出した。かつて戦争で散って行った我が国の戦士だ」
「な?」
「その霊を呼び出し瘴気の肉体を与えたのだ。これから彼らと戦ってもらおう」
霊の戦士たちは剣を持ちゆっくりとシギア達に近づく。
「みんな、気を付けろ!」
騎士、戦士タイプの仲間は皆戦う事になった。
悪霊戦士と対峙する一同。
ドレッドは先手必勝とばかり敵の腹を切った。
「やったか」
しかし霊の戦士は全くこたえていない。
体勢も崩れておらず痛み自体あるのか分からない。
戦士の剣が突如ドレッドの体をかすめる。
ドレッドはかろうじて防いだ。
しかし今度は横切りを打って来た。
歩き方や動き方が不気味だ。
上段切りがドレッドを襲う。
さらに左上30度の袈裟切りも来る。
何とか防いだがまた打って来る。
少し間を置いたと思った直後に連続の袈裟切りが来る。
何とか払えたがまさにぎりぎりだ。
上段で剣が交じり合う。
中段への打突を払う。
正確無比でかつ感情のない無機質な剣が飛ぶ。
足の動きも重いのか静かなのかどちらとも言えない。
陰には筋肉の形が見える。鍛えられた足のフットワークがある感じだ。
すすっと入り無音静けさでいきなりテンポを変える様に斜め60度の袈裟切りを放つ。
一方デュバンは恐怖を感じていた。
彼は実はアンデット恐怖症なのだ。
それをごまかすように克服するために速く攻めていく。
彼は恐怖を感じている事を認めたくなかった。
今までだって「努力、努力」で壁を破って来た、と言い聞かせた。
レオンハルトの戦う戦士はぐいぐい攻めてくる。
急なテンポで強圧を伴う剣を繰り出す。
レオンハルトも冷や汗を垂らした。
踏み込み右上30度の袈裟切りを打って来る。
それを足移動と上半身スウェーでかわした。
しかし体勢が苦しくなるほどに2,3の手を打って来る。
右腹近くに打突を放ち引っ込めると左上から右下45度に振り下ろしてくる。
その後スペイン式に構えを変え左肩や顔に突きを打って来る。
からかうように左肩付近への突きを繰り出しすぐに右上から切り下してくる。
水平に近い18度で左の袈裟切り。
「皆!」
心配するシギアにメガスは言った。
「君にはもっと強い戦士を用意してある」
と言い同様の方法で召喚すると今度は人形の様ではない明らかに人間の顔をした、影で覆われた男が現れた。
「こいつ顔はあるけど感情が感じられない。
戦いは始まったが戦士の剣の腕はシギアを上回っていた。




