殴るか殴らないか
「お前は化け物だ!」
とメガスが言った時ミミ―デンは物音に気が付いて庭に来た。
メガスはミミ―デンが来て嫌な顔をした。
「ど、どういう」
状況を掴み切れないミミ―デンに対しメガスは通告した。
「ははは、兄上も見たか。そうこの女は皆に正体を隠した化け物だったのだ。一国の姫がこんな秘密を持っていたとは大変な騒ぎになるぞ」
ミミ―デンはマライをちらりと見た。
そしてメガスに言った。
「お前、言いふらす気か」
「まだ決めてない」
ミミ―デンは拳をぐっと握った。
「……」
「お、殴るのか? いいぞ殴ってみろ。兄弟げんかは久しぶりだな。まあどうせ王位を賭けて争う事になるだろうがな」
「……」
「ふん、殴れんのか腰抜けめ。さてと戻って寝る」
メガスは高笑いしながら帰った。
マライは悲しい目をした。
「ミミ―デン様、見ないで。見なかった事にして」
ミミ―デンは少し間を置いて答えた。
「よく分からないが君は竜なんだろ。誰にも言わない。訳はゆっくり話してくれれば」
そしてマライは落ち着いてから話し始めた。
「父ワンザの前の前の代の姫が実は竜族だという事を隠して結婚し、隔世遺伝で私が竜族の血を受け継ぎました」
「とても驚いたけど、マライさんはマライさんだよ」
しかし後日メガスは言いがかりを付けた。
「嘘を付くな。兄上はあの女を化け物だと思っている。本心ではそうなんだろう」
「お前も少しは人の気持ちを分かる様になれ」
「そんな物必要ない。いつの時代も理解されるのは勝者、強者だけだ」
「お前にもわかる時が来る」
「ああ、せいぜい楽しみにしておくよ」
メガスはミミ―デンをはめようと策略を図った。
「父上、兄上は我々の反対の考えを持っています。このまま放っておくとまずいのでは」
「わかった。あいつを戦場に連れ事故や攻撃に見せかけて殺す」
こうしてミミ―デンは策謀で殺されてしまったが一命をとりとめ顔を整形した。
「それが我々の過去だ」
とメガスが言うとシギア達は一斉に非難した。
「なんてひどいやつだ」
「お前はマライさんを傷つけその上策謀で」
「もう少し誇りある男だと思っていた」
「惚れた女を化け物呼ばわり何て」
「惚れて等いない。それは正体が発覚するまでの話だ。マライは私の妃に相応しくない」
「くっ!」
流石にミンガードは手が出そうになった。
「お、殴るのか? 平和主義じゃなかったのか?」
「……」
「こんな醜い女の為怒るとは」
ついにミンガードはメガスを殴った。
「殴ったな」
メガスは殴り返した。そして言った。
「剣を使えば株が落ちる。とうとう暴力に出たな」
「ああ、俺は未熟さ」
「これでもか!」
ついにメガスは剣でミンガードの胸を切った。
「ミンガードさん!」
シギア達は叫んだ。
「俺達に交代だ」
「もうやめてくれ!」
メガスは言った。
「口先だけでいざとなったら切れる偽善者だ」
シギアは言った。
「屑が他人、いや兄を偽善者呼ばわりかよ」
「何!」
遂にシギアは立ちふさがった。
そしてミンガードにエネルギーを与えた。
「遂にやる気か」
「俺達が相手だ。ミンガードさんの意志は受け継ぐ」




