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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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川での迷いと決断

計量の男のセリフの間違いを訂正しました。

 ヘリウム城下町には川が大きく町中を横切る様に長く流れている。


 美しい川の流れと美しい水面はさながら海洋都市を思わせる如くだ。


 橋も大きな物と小さな物複数作られ、あひるやがちょうもいる。

 休日釣りを楽しむ者もいる。



 実はシギアはドレッドやフィリオ、クリウと釣りをした事がある。

 

 回想

 シギアはぼうっと浮かない顔で肘をついて釣竿を見たがなかなか釣れない。


 ドレッドはシギアに聞いた。

「釣れたか?」

「釣れない、俺はじーっと待ったり一点を眺めてんの好きなんだよ、ふう……」


 シギアが釣りを無表情で待っている姿は面倒臭そうにたたずんでいる様で妙に彼のキャラクターに合っている。


「まだ釣れないんですか」

「あー俺釣り苦手なんだ、釣れないな集中して待ってんのに、あーあ」


「釣り苦手なんですか。ぶつぶつ言いながら待ってるのがイメージに合ってると言うか」


 あーあも面倒臭そうだ。 

 シギアは頭をかりかり掻いた。


「苦手なんですか」

「昔から釣れたためしない」


 そして終わり皆が釣った魚をシギアが料理すると言い出した。

「俺が料理するよ」

 

 しかしシギアの料理はとてもまずかった。

 皆気持ち悪くなった。


「私が作り直します」

 フィリオはそう言って作り直した。

 ところがシギアは言った。

 

「まずい」

「はあ⁉️ お前が一番まずいんだろ!」

 フィリオは枕でシギアを叩いた。


 回想を終わる。


 宝児のいる現代の町と比べ物にならない程澄んでいた。船道を乗せた船が景色に紛れ込む様だった。


「うん、ここの水は今日も綺麗だ」


 と言う町の住人の2人の中年男性は川岸で何か実験か観察の様な事をしていた。

 それが仕事の様だ。


「水質チェック」

 と言い、現在で言う体温計の大きな物を取り出し川に入れた。

 すると中の液体が緑色に変わって行った。

 男性はそれを見た。


「よし、緑色と言う事は水質は85パーセントOKだ」


 相手の男性は言った。

「我々が環境を守る努力をしたおかげだ。城下町全員の力だ」


 男は続けた。

「本当にこの川は城下町の綺麗さを象徴しているようだ。ん?」


「……」

 量った男性は浮かない顔をした。


「どうした」


「きれいなのは川だけだよ」

「……」


「連日の帝国の侵攻でこの町はすっかり荒れ果ててしまった。逃げた者もいるがその先も帝国の占領下で植民地化されているのを知らないで行った奴もいる。町から逃げる金もない者、食料を略奪された者、さらわれた女、どうなっちまうんだこの国は」


「だからせめて川が綺麗ならいいじゃないか」

「いや川が綺麗だからこそ俺達の悲しみは浮き彫りにされてるさ」


 その時、魔法の帽子と装束を着た17歳くらいの細身で顔を少し帽子で隠し気味の少女が通った。魔法の杖を持っている。


 少女は男性たちに声をかけた。

「いつも川をきれいにしていただき、ありがとうございます」


「え?」

 と言い少女は去った。


 男たちは言う。

「顔が良く見えなかったが綺麗な声だったな」

「後ろ姿だけど体細いな。恰好からして魔法使いかな」


「まっいいや仕事に戻ろう」

「そうだな。むなしい仕事に」


 シギアは全てではないが時々遠くの人の声を感じ取る能力がある。

 男2人の声はシギアに伝わっていた。


 苦しむ男2人の声が聞こえシギアはとてもやるせない気持ちになった。


「元の世界に戻りたい俺の考えは間違ってるのか」

 シギアは小声でつぶやいた。


 レオンハルトは声をかけた。

「どうした」

「……」


「何か気になるのか」


 シギアは思いつめていた。

「俺は自分勝手なのか。他人より家族を優先するのは」


 レオンハルトは少し間を置いて答えた。

「この前話をした時もそうだったが、俺は全否定しない。ただ疑問を感じているだけさ」

 レオンハルトは優し過ぎず厳し過ぎず気持ちを汲んだ言い方をした。


「その疑問が段々大きくなってる」


「他の人も多分お前の考えは全否定出来ないだろう。いや出来る人間はいないさ。みんないざとなったら家族が他人よりも大事になるのさ」


「……あんたもか?」

「ああ」


 ところが2人が話していた際、ふいに近くで聞き覚えのある声が聞こえレオンハルトは斜め後ろを向いた。


「久しぶりの休みだし、今日は遊ぼうぜ」

 と3人の若者が楽しそうにしていた。


 あいつら、とレオンハルトは思った。

 彼ら3人はレオンハルトの後輩だった。


 そして、また彼らの声が聞こえた。

「レオンさんは誘わなくて良かったよな」


 え? とレオンハルトの耳に引っかかった。

「ほんとほんと休みの日まであんな堅物と一緒じゃ肩がこって動かなくなるよ」


「たくあのくそ真面目な性格どうやったらああなるんだろうな頭の固い老人みたいで本当に18かよ」

「こないだの食事会なんかみんな楽しんでるのに水を差すように固い話始めてあげく説教始めてさ」


「父親が頑固で厳しい学校も出たらしい」

「まあどっちにしてもあまり話したくないな」


 会話は全てレオンハルトに聞こえてしまった。

 彼の心の中に寒い風が吹く感覚を覚えた。

 しかし彼は後輩たちの所へは行かず去った。


 後輩はいつも自分を信じていると思ったのに。それが上辺だけだと知った。


 まあ、俺も後輩とどう接するかは悩んでるんだけどな、と内心呟いた。何故か微笑みさえ出た。


 浮かない顔をしてるのを宝児が気がついた。

「どうしたんですか?」

「あっ、いやなんでもない。一休みしたらギルドへ行こう」


 その頃川岸の男達は異変に気付いていた。

「おい、何か水かさがさっきより増してないか?」

「まさか? 雨も降ってないのに」


 その時、川の陸から20メートル程離れた水域で異変が起こった。

「何だあれ?」


 突然川が半径10メートルほどの渦を巻き始めた

「何だ?」


 そしてその渦はどんどん大きくなり水かさは増していった。

「何だ一体⁉」


 川岸の人が叫んだ。

「逃げろ。水が大量に!」

 突如水が大量に陸に流れ込みあふれ始めた。


 町は大騒ぎになった。

「津波だ!」

「津波って海じゃないんだぞ」


 それは津波をはるかに上回る勢いだった。


 騒ぎはシギアの所まで響いた。

「何だ一体?」


 レオンハルトは言った。

「とんでもない速さで町に水が!」


 ドレッドは言った。

「このままじゃおぼれ死ぬ人がいる!」


 宝児は服を脱ぎ飛び込もうとした。ものすごい形相だった。

 自分に人の命がかかっているような決死の覚悟だった。


「僕は助けに行きます! 僕は泳ぎは誰にも負けない!」


 クリウとドレッドが続いた。

「私も! あまり自信ないけど」

「俺も」


 フィリオも行った。

「私も行きます」


 レオンハルトはシギアを誘った。

「俺達も行こう」


 しかしシギアは冷静な判断をした。

「ちょっと待てレオン、鎧を着たまま水に潜る気か」

「脱ぐ」


「何言ってるんだ。敵に襲われたらどうするんだ」

「構わない」

 レオンハルトは全く迷いがなかった。


 そこへ建物の上から見下ろすようにカイングロと手下の魔法使いが現れた。

「はーっはっはおそろいでようこそ!」


 レオンハルトは叫んだ

「貴様ら帝国軍か」

「いかにも俺は帝国司令官の1人カイングロだ」


 レオンハルトはまた叫んだ。

「まさかこの洪水は貴様らの」


「そうだ! 毎回同じ攻めでは勝てんから違う手段に出たのよ! この水の魔法使いの力で川の水を氾濫させて人間どもを流してやるのよ」


 その魔法使いはまるでドワーフか小人の様に小柄で青い装束に身を包み、自分の背より大きな杖、大きな帽子をかぶっていた。


 シギアはいきり立った。

「くそ! あいつさえ倒せば」


「待て」

 レオンハルトは止めた。


 シギアは何だと言う顔をした。

 レオンハルトが説明する。

「まだ流されたりしてる人がいるかもしれない。俺達も救出に行くんだ」


 しかしシギアは叫んだ。

「何言ってるんだ! あいつを倒さなきゃ水かさは減らないんだぞ!」

「わかってるさ」


 シギアはかつてなく熱くなった。

「じゃああいつを倒さなきゃだめだろ! いいか? 水が漏れている時は漏れている場所を防がなければ漏れっぱなしになるんだぞ」

「ああ」


「俺の考え間違ってるのか?」

「間違ってないよ」


「じゃあ」

 その時子供が流されて来た


「いかん!」

 レオンハルトは飛び込んだ。


 シギアは叫んだ。

「な、何やってるんだ鎧を着たまま! くそ! 俺は人情より敵を倒す効率主義だからあいつを倒して洪水を防ぐ! うおおおお!」


 何とシギアはカイングロ達のいる建物の頂上まで30メートル近くジャンプした

「ば、馬鹿なここまで跳躍して来た!」


 しかし水の魔法使いは冷静だった。

「ふん!」

 飛び上がったシギアに魔法使いの手から巨大な火の玉が撃たれた。


「なっ⁉」

 これは予測していなかった。


 シギアは火に包まれ落下した。

「馬鹿が! 水の魔法使いと言って火が使えると思わなかったか」

「地上に落ちて死ね!」


 ところが、何とシギアは火だるまになったまま着地し、またも大ジャンプした。

「ば、馬鹿な!」


 そして渾身のパンチを敵に浴びせた。

 そのころ宝児は懸命に流されている人たちを背負い泳いだ。


「頑張って下さいもう少し!」


 ドレッドも人を抱えていた。

「俺も泳ぎはあまり得意じゃない」


 クリウも人を背負い泳いだが沈みそうになった。

 ドレッドは言った。

「クリウ、君の体力じゃこれ以上無理だ」


 その頃レオンハルトは鎧の重みで沈んでいた。息もしているのか分からなかった。





ここまでお読みいただきありがとうございます。

ええと、実は描写が下手な事もありこのような形で補足説明致しますが、前半に出てくる魔法使いっぽい女の子とカイングロの部下の魔法使いは同一人物ではありません。一応「正体あの少女だったのか」と誤解を招くこともあると思いますので念のために。

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