シュトウルム城へ
遂に巨大な女神の架け橋が空中に出来た。
地上から約200メートル、長さ約400メートルのシュトウルム城に繋がる神秘の道である。
「おお!」
とヘリウム兵達は沸き上がった。
「あれが女神の橋!」
「美しい」
とヘリウム兵は涌く中、シュトウルム兵達は苛立った。
「あそこを通そうと言うのか」
悪魔王は見て思い立った。
「シギア達を攻撃しろ! 橋を渡らせるな!」
と言う命令を受け弓兵と魔法使いはシギア達を狙った。
しかし女神はシギア達をバリアで包み空中浮遊させた。
「行きなさい」
と女神はシギア達に託した。
ヘリウム兵達は騒ぐ。
「シギア達に託そうと言うのか!」
「俺も行きたい!」
「頼むぞ!」
しかしシュトウルム兵は苛立った。
「あんな所じゃ届かない」
「うわ!」
戸惑いながらシギア達は橋に無事乗った。
その時何とモフレンは女神に提言した。
「女神様、回復手が足りないと行けません。私もどうか行かせて下さい」
「わかりました」
ガルマスも言った。
「私も恩返しがしたい」
「わかりました」
何とラスビイも言った。
「僕はシュトウルムに恨みがあります! 僕もぜひ!」
「わかりました」
マーティラスは指示した。
「回復したい所だが、万一の事がある。全力でここを走り抜けよう」
と言いぼろぼろのシギア達は出来る限り大急ぎで走った。
「あそこじゃ弓も届かない!」
と嘆くシュトウルム兵に悪魔王は不気味に笑いながら言った。
「では役に立たせてやる」
と言うとシュトウルム兵数名が宙に浮き橋目掛けて突っ込んで来る。
「乗り込ませるつもりか!」
とシギア達は身構えたがマーティラスは何かに気づいた。
「皆! 避けろっ!」
「わああ!」
シュトウルム兵が悲鳴と共に橋にぶつかると何と爆死した。
「なっ!」
皆戦慄した。
悪魔王は平然と言った。
「くっ、この程度では橋に傷はつかぬか」
「何て野郎だ!」
デュバンは剣を抜いた。
「おい、ふざけるな! てめえ人の命を何だと思っていやがる!」
しかしマーティラスは肩に手をやり止めた。
「よせ」
「何故止める⁉」
「今は先に行く方が大事だ」
「しかし」
シギアもデュバンの肩に手を置き同調する様に縦に頷いた。
デュバンはやむなく頷いた。
「そうだな。今は鬼にならなきゃな」
と言い彼らは全力で走った。
そしてやがて終わりシュトウルム城門前に着いた。
皆ひとしおだった。
「やっと着いた」
「ここを攻め取れば戦いは終わる」
「長い戦いだった」
シュトウルム城でメガスは準備した。
「私が出よう。まず親衛隊を配備しろ。あの剣とにせ悪魔王を悪魔教会司祭に準備させろ。くっくっく、シギア達もだが兄上ミミ―デンとの対決が楽しみだ。それともう1つ」
一方シギア達は回復していた。
「後、残った兵力はどれくらいだろう。さっきの部隊が大部分なんだろうか」
ガルマスは言う。
「わからん。メガスは我々と距離を取る為兵力を完全には言わんのだ。だがまだ悪魔教会の司祭たちは残っている」
その時シギア達の体に締めつける念力の圧がかかった。
「これはアリザインを仲間にした時にメガスが出した念の圧だ!」




