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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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再度のパワー注入

「ヒルデバル達がさらにパワーアップした?」

「ぐ……」

 レオンハルトも流石に動揺した。


 悪魔王が発した禍々しい瘴気を全身で浴びる様に受け止める4幹部達。


 象が水浴びをする様な気持ちよさと、悪魔の心を得て正気を失い狂気に走る心の変化が如実に見て取れる。


「悪魔のオーラみたいなのに包まれて行く!」

 ドレッドと宝児はその様子を動けず見ていた。


 ヘリウム兵の中に怯える者も出た。

「あいつらがこれ以上強くなったらどうなるって言うんだ! まだあの3怪物も倒せてないのに」


「もうおしまいだ」

「うろたえるな」



 デュバンとアリザインは言う。

「砦で戦った時も悪魔王の与えた力は凄かった」

「しかも理性を失って行った」


 ドレッドは力が大きくなる前にキングへイルを倒そうと身構えた。

「今の内に倒す。騎士道精神に反しても」


 レオンハルトは「今攻撃するのは騎士としてフェアではないのでは」と思いドレッド達に強要はしなかったが複雑な気分だった。


 ドレッドは言う。

「俺だって騎士道精神は捨てたくないし捨ててもいない。でも今は本当に切羽詰まって後がない」


 己の騎士道精神を捨てドレッドは「相手が動けない時に攻撃する」事を決断した。


「うおお!」

 ドレッドはパワーアップする前のキングへイルを切ろうとしたが受け止められてしまった。


「ふっはっは! 遅かったな!」

「ぐ、ぐぐ」

 キングへイルは凄まじい握力で大剣を止めている。


 先程までは両者の力は5分だったが今は完全にキングへイルが押してしまっている。


 悪魔王は呼びかけた。

「いよいよだ! 4大幹部よ。これを機に畳み込み一気に奴らをつぶせ!」

「くっ!」


 ヒルデバルはレオンハルトと宝児に向け空いている手で衝撃波を放った。


「うわっ!」

 2人共軽々吹っ飛ばされてしまった。

「ぐ、ぐぐ」


 地面を掴み立とうとする宝児。それを嘲笑う様にヒルデバルはレオンハルトを掴んだ。

「ぐぐ」

 

 そしてボディに重いめり込むような一撃を入れた。

 さっきより重みは遥かに増している。


「随分と私をからかってくれたな? え? 調子に乗りおって。いつも冷静な私がかなり苛立っていたと知らないだろう」

 とレオンハルトをまた殴った。


 ヒルデバルの引きつったにこにこ顔は汗を伴っていた。

 悪意と敵意と邪悪さが増している。


「やめろ!」

 宝児は杖を構えたが衝撃波で吹っ飛ばされた。

 デュバンとアリザインはジメーンの重力魔法と即死魔法の雨あられを受けた。


「うわああ!」

 デュバン達はさっきの様に防げなかった。


 ミランディとアレーナはガム・ゴルドの魔法攻撃に苦戦した。


 宝児は倒れながら苦悩した。

「僕にもっと力があれば、うう」


 シギアは鬼が宿ったようにバットゴーレムに食い下がり光のエネルギーを発し続けた。


 しかしバットゴーレムは振り払おうと殴り、ようやく離れたシギアに毒ガスを食らわせた。

 さらにバットを食らわせようとしたがかろうじてかわした。


 「宝児! 貴方とシギアに2度目のエネルギーを送ります。他の人に2度与えたら体が崩壊しますが貴方とシギアなら大丈夫です」


「えっ、シギアさんは分かりますが何で僕が」

「忘れないで下さい。貴方は私が直々に呼び出した勇者。シギアと同じ位力はあるのです」


「僕が」

「今からエネルギーを送ります。受け止める準備をして下さい」

  


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