カオスな状況 特攻魂
「シギアの攻撃が効いてない!」
「それよりも、反撃が来る!」
「シギア、避けろっ!」
奥義が効かなかったからと言って呆然としている暇はシギアにはなかった。
バットゴーレムは動きは遅いものの、一体何トンあるのかと言う重さのパンチをぶおんと言う音共に反撃で繰り出して来た。
「うわっ!」
まるで大木だ。
スピードはやや遅いが、凄まじい威力で風圧が出来る。
普通の人間が食らって生き延びられないのは伝わる
シギアは素早くバックしてかわした。
しかし彼は恐怖を感じた。
あんなパンチ食らったら死んでいた。
奥義を出した疲れもありシギアは肩を落としぜいぜいと息を口からこぼした。
滝の様な汗が体を流れる。
遠くの兵士の目からも体力を使い切っているのが明白だった。
心拍数は180は行っている。
「シギア、何だってあんな無茶をするんだ」
シギアはそれが聞こえたのか思った。
ギルギザンだけでも化け物なのにこんな怪物が2匹も3匹もいたら間違いなく負ける。俺が命を賭しても最低1匹は倒さなければならない。
と言う側からギルギザンの背後からの気配を察知したシギアは必死に振り向いた。
ギルギザンは2本足で歩き、前足で披露したシギアを仕留めようとしている。
ギルギザンの前足がぐわりとシギアに襲い掛かった時すかさず転がって避けた。
すると運の良い事にそこがギルギザンの隙になる腹の少し上の位置になった。
今がチャンス!
とばかりにシギアは下からギルギザンの首を突いて見せた。
血がしたたり落ちる。
「ぐ、ぐわ!」
ギルギザンはほぼ初めて苦しみの声を上げた。
「効いてる!」
と兵達は歓喜した。
しかし兵士達の士気に乱れが生じた。
兵の1人が
「よし、俺もシギアに続くぞ!」
と行こうとしたが後ろの兵が迷っている。
「どうした?」
「正直言って怖い」
「何言ってるんだこの腰抜け!」
「相手が悪すぎるよ」
「俺だって怖いんだ」
その頃シギアは低姿勢で敏速に走りギルギザンの攻撃をかわしていた。
焦るギルギザンであるが、シギアが低姿勢で走るのは太ももやふくらはぎに大きな負担がかかりスタミナをロスした。
「ええい!」
シギアを捕らえられずギルギザンは焦り始めた。
シギアは実は恐怖を感じ回避と言うより逃走に近い気持ちだった。
一目散に逃げたかった。
反撃につなげる余裕がなかった。
それでもシギアは上手く死角に入ったりして目で追えなくしようとした。
一方バットゴーレムは地震を起こし兵達の相手をしていた。
ギルギザンは尻尾、噛みつき、爪でシギアを捕らえようとしたがかわされ遂にシギアに隙を突かれ頭の上に乗られた。
そしてシギアは渾身の力で兜割の様に剣をギルギザンの頭に振り下ろした。
「がうう!」
本来振りかぶりは以前「廻刀」が廃れた様に斬擊が遅くなり攻めの効果が薄くなるとされる。
しかし相手は人間でない巨大な怪物だ。普通の攻めでは駄目だ。
頭を真っ二つに出来たわけではないが初めてギルギザンにダメージらしいダメージを与えられた。
「おお!」
皆喝采した。
しかしシギアは
手ごたえが良いのか悪いのか微妙だ。
と違和感を感じた。
そして思った。
俺自身があいつの攻撃に恐怖して思い切りが悪くなっている?
やっぱりこれじゃだめだ!
と思ったシギアは体から女神よりもらった光のエネルギ-を出し始めた。
女神が降臨した時の様な光を帯びている。
しかしすごい熱も発生している。
シギアは力を溜め叫んだ。
「うおおお!!」
疑問に思ったクリウは叫んだ。
「何をする気⁉」
「俺の命を捨てて全エネルギーを解放し特攻する!」
「駄目よ! 貴方はまだ後に戦う相手がいるじゃない!」
「そんな事を考えながら勝てる相手じゃないんだ!」
そしてシギアは光に包まれ姿がほとんど見えなくなった。
「うおおお!」
シギアは光の塊を覆いギルギザンに特攻した。




