絶望の予感
「何だあの巨人? それとあの騎士中身がないぞ」
ゴーレムは身長約5メートル、肩幅が異常に広く肩や上腕は鍛え上げた人間の様に太い。
足は短いが凄まじい筋力で首がほとんどなく口もなく、ただ白目が2つあるだけだった。
色は青銅色でブロンズの粘土を焼いたかの様にも見える。
悪魔王はほくそ笑んだ。
「来たなバットゴーレム。私が直接召喚した怪物の1匹よ」
兵士達は危惧した。
「もしかしてあいつ、ギルギザンと同じ位に強い?」
「それは戦ってからのお楽しみにしよう」
この悪魔王の思わせぶりな言葉が恐怖となりヘリウム兵士の士気を多く下げた。
さらに悪魔王は問いかけをした。
「ところで何故『バット』ゴーレムだか知っているか?」
いきなり悪魔王は問いかけた。
「コウモリ?」
「そうだな、こいつは貴様らの血を吸い尽くしもぬけの殻にする為作られた殺戮兵器だ。そしてもう1つ意味がある」
「え?」
これにはシギアも戸惑った。
「バットと言えば何に使うかな」
「えっ、ラシュール(野球)?」
「その通りだ」
と言うと何とバットゴーレムは背中から巨大こん棒を出した。
「あれで殴るのか?」
「それもあるが」
バットゴーレムは思い切り棒で地面を叩いた。
すると地は大きく揺れた。
「うわ!」
「叩いただけで地震が!」
「はーっはっは!」
しかし
「地震だけじゃひるまない!」
と1人の兵士が突撃した。
「よせっ!」
と言う間もなく兵はバットで渾身の力で横から殴られ肉も骨も木っ端みじんになった。
「うっ!」
皆目を背けた。
さらにバットゴーレムは口から毒ガスを吐いた。
「ぐ、ぐああ!」
15人以上の兵士達は苦しんだ。
「あのパワーに毒ガスまで!」
「撃てっ!」
カーレル隊長の命令にギルギザンを攻撃していた弓兵達はゴーレムを狙った。
しかし何本か突き刺さったもののまるで効いていない。
「俺が行く!」
「よせシギア!」
これ以上犠牲者を増やしたくないんだ。
と言う思いを胸にシギアはバットゴーレムの隙を見て突進し爆発性の奥義を放った。
轟音と衝撃と共にバットゴーレムは煙に包まれたが、皆が恐る恐る見る中、恐怖を煽るようにそこからほとんど傷のない姿を現した。
「ば、馬鹿な! こんな化け物が何匹も」
ヘリウム兵隊達の絶望の声がこだまする。
ヘリウムで弓兵は軽装兵になる。
矢には盾を貫く程の威力はない。
飛距離も50メートル程だ。
しかしシュトウルムは改良弓矢を使っておりヘリウムのそれの数倍の威力がありかつ訓練度も上である。
ギルギザンに多くの弓兵を回した為、ヘリウムの弓兵自体がシュトウルム弓部隊に押されている。
しかも威力の低い弓矢ではギルギザンに致命的ダメージを与えられない。
カーレルは悩んだ。
「だからと言ってギルギザンや幹部達への攻撃を減らす訳には行かん、どうすれば」
シギア達はまだしもかなり多くの兵士が絶望に包まれた。




