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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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ヒルデバルの笑みとレオンハルトの悟り

「6大幹部の長をなめてもらっては困るね」

 

 レオンハルトがパワーアップした事もさほど気にしてない様子でヒルデバルはにやにやと余裕綽々の態度を取り攻めてくる。


 しかし次のヒルデバルの攻めもレオンハルトは非常に隙の少ない別人の様な切り払いで一蹴して見せた。


 ヒルデバルはじっと様子を見て思った。

 動じずに切り返している。

 しかも剣から光が。


 ヒルデバルは態度を変えず言った。

 相手を下に見ている。


 しかし少しだけ動揺している。

「その剣の光は神の力か。剣で光を出した位で図に乗らないでほしい」


 と、またヒルデバルは変わらぬ様子で剣を一閃したがこれはレオンハルトに顔すれすれで避けられた。

 いや少しかすり頬から血がにじんだ。


 次にヒルデバルは左下から右上に45度の角度で相手の存在を覆い消すような太刀筋の攻撃を放ったが、これもレオンハルトは防いだ。


 そしてヒルデバルは直ぐに右上から左下に逆に振り下ろすがこれも何とか止めた。


 ヒルデバルは調子にのり楽しむ様に攻めていく。

 相手を舐め左右少しワンパターンな袈裟切りで攻める。


 しかしそこで威圧感も加わるのが彼のなせる技かも知れない。

 そして何とか防ぎきったレオンハルトを今度は左手からの衝撃波で吹き飛ばした。


 後ろに飛ばされ倒れるレオンハルト。

 冷静沈着に笑うヒルデバル。

「私にはこういう攻撃もあるのだ」


 レオンハルトは口を拭い起き上がろうとした。


 ヒルデバルは嘲笑う。

「さっきも言ったが舐めてもらっては困る。私は本来君が1対1で戦える相手ではない」


 その間デュバンはジメーン、ドレッドはキングへイルと、ミラムロはガム・ゴルドと戦い、シギアや弓兵、魔法使いはギルギザンと戦っていた。


 レオンハルトは言った。

「俺は1対1、いや何人かかりでも構わない。ヘリウムに勝利をもたらすなら」

「プライドを捨てたのかな」


「1対1は騎士として大事だ。だがそんな事は言っていられない」

「弱さを自覚したか。ん?」


 ヒルデバルは逃げて来た兵のラスビィを見た。

 あの男、何だ? 不思議な何かを感じる、まあいい。


 レオンハルトは言った。

「他人の力を借りてもあんたを倒す。しかし1対1で勝とうとしている自分もいる」

「?」


「俺も男だからあなたに負けたくはない。それにあなたを1人で倒すくらいでなければ兵の力も数も劣っているヘリウムは勝てない」


 まだヒルデバルは余裕綽々だ。

「ワンザの為か」

「王様だけでなく皆をだ」


 ヒルデバルは内心思った。

 愛国心だと? 私は確かにメガス様に仕えてはいるが、確かにメガス様は才能はあってもどこかお飾りの王だ。


 オロゴン王は強かったが。

 元々ミミ―デン様の方が有能だったがあの方は和平を結びたいと言い出し追放され、メガス様が残った。

 

 それまでシュトウルムの王はみな強く経験もあるものが就いていた。

 だから強かった。


 私はメガス様より悪魔王を信望していた。

 悪魔王はシュトウルムと言うよりハーディング家に力を貸した。

 

 オロゴン王が絶大な力を得、メガス様はただの続きだった。

 しかし悪魔王はハーディング家の者にしか力を貸さないと思ってついて来た。



 そして戦いは続いたがレオンハルトはついて来る。


 ヒルデバルは動揺した。

 勿論見せない様にだが。

 ありえん。神の力で私と相まみえる等。


 ヒルデバルに少しだけ焦りが見えた。

「力とは戦いを激しく繰り返す事で手に入る物だ!」


 格下の相手に動じる訳には行かん。

 私にプライドを捨てさせようと迷わせるとは。


 

  

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