パワーアップの秘密
レオンハルトとヒルデバルは戦っていた。
前に砦で初めてあった時と比べて妙に落ち着いているとヒルデバルは感じた。
「女神から力をもらっただと?」
確かにレオンハルトは堂々とかつ以前よりはるかに落ち着いて立っている。
前の様に真面目過ぎて少し気が入り過ぎだった表情が抑えられている。
ヒルデバルがいつも相手をする時の態度、余裕の笑みを浮かべて余裕を漲らせ剣を構えた。
常に相手を下に見る。
顔もメガスに似ている。
ただし必要以上に下品な笑い方をするのは避けた。
軽く裁いてやろうと言う性格の悪さは出ているが。
「では行くぞ」
ヒルデバルは小手先の突くような様子見の打突を顔付近にした。
レオンハルトは最小限の動きでかわして見せた。
剣をしっかりぎりぎりまで見つめ、避けた後も目をヒルデバルからそらさない。
しかしヒルデバルは感情を表に出さない。突いては最小限の隙で引っ込ませる。
そして再度余裕の笑みを浮かべながらレオンハルトの全身の雰囲気と目つきを伺い、それに対してやや舐めた調子でさっと剣を顔の左上辺りに鋭く打突した。
眉間の左をわずかにすり抜けた。
避けた……
ヒルデバルは動揺を顔に出さないようにした。
目の落ち着きが明らかに違う。
確かな自信を感じる。
相手を恐れていない。
またヒルデバルは余裕を持ち20度の水平に近い角度で袈裟切りを撃つがレオンハルトは難なく防いだ。
更に横から撃ったがこれも防御した。
続く70度の突き上げも防いだ。
ヒルデバルは思った。
あの男、完全に私の動きを捕らえ見切っている。
わずかに苛立ちを感じいつもの笑みが崩れかけた。
ヒルデバルはいつも冷静で温和な顔をするのが相手に対する威厳に繋がっているからだ。
それは彼独特で彼にしか出せない。
内心で思った。
遅れを取らない。
雰囲気も動きも砦で会った時と全く違う。
特訓でもしたのか。
いや日にちが空いていない。
ありえん。神の力を受け私と互する等、
まぐれか強がりでないのか。
レオンハルトはまだ汗をかいていない。
目つきにも余裕と落ち着きがある。
むしろレオンハルトが受けて立つ側の様に見える。
ヒルデバルは再度思った。
この男にこれ程力はなかったはず。
そして、切りあいは始まる。
一方竜に変身したマライは大きさの為城を壊しそうだった。
しかし思っていた。
この城は崩さない。
崩せば私も破壊者として罪人になる。
最小限に。
ミミ―デンはその頃牢で思っていた。
僕が調査した中では悪魔王は造り物だった。
それが間違っていたのか。
兵達が騒ぎ始めた。
「ど、ドラゴンだ!」
「な、何だと?」
ミミ―デンも驚いた。
そして遂にマライはミミ―デンの前に着いた。
「あ、悪魔王の手下?」
しかしマライは首を横に振った。
「ぼ、僕の言葉を理解している? まさか」
「私と一緒に脱出しましょう。貴方は平和に必要な人」
「な、何だ? 心の中にマライさんの声が? まさかこの竜は」
マライは頷いた。




