表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

165/225

女神の与える新しい力

「うおお!」


 シギアは高空から上手くギルギザンの攻撃範囲をすり抜けながら超スピードで下降し皮膚を直接切りつけた。

 光の矢のようだった。


 まさに電光石化。

 これが新しい天使の羽の力なのだ。

「おのれ!」


 ギルギザンにとっては火炎でなく前足の爪も大きな武器だ。

 少し動きは遅いながらもシギアを捕らえようとした。


 しかしシギアはまた超スピードで空中に上がり回避行動を取った。

 そして凄まじいスピードで再度急降下し今度は死角となっている背中に攻撃を加えた。

「ぐ、ぐおお」


 シギアは火炎の届かない高空から降下をして一撃離脱攻撃をしていた。

 その間も弓兵と魔法攻撃は続いた。


 シギアを捕らえられないギルギザンは苛立った。

「何と言うスピードだ」


 見ている宝児は少し不安だった。

「シギアさん、今にも攻撃が当たりそうですよ」

 

 カーレルは答えた。

「非常にリスクを伴う戦い方だが、あれでも地道な戦法なんだ。下手に飛べない人間が前から突進すれば一瞬で黒焦げにされる」

「じゃあ、シギアさんしか戦える人がいないって事に」


 レオンハルトは言った。

「くっ! もどかしい。敵を前にして何も出来んとは!」


 宝児は再度心配した。

「あれだけのスピードで飛び回っていたらスキルエネルギーや魔法力がすぐに尽きてしまうんじゃ……」


 ギルギザンは思っていた。


 奴もそんなに長くは飛んでいられんはずだ。スピードが落ちるか動けなくなるかしたらさすがの奴も8万度の炎で黒焦げになる。


 ギルギザンは駆け引きの様にシギアのエネルギーが落ちるのを待った。

 

 勿論牽制で爪で払おうとしたり嚙みつこうとする。

 しかしシギアは超スピードで避けて行く。


「食らえ!」


 と言いギルギザンは更に広範囲に広がる炎を吐いた。

 シギアはすんでの所で避けた。


「あんな広範囲にも炎を吐けるのか」


 とヘリウム兵は恐怖したが先輩は叱咤した。

「怯えるな! 奴に矢を集中するんだ!」


 シギアは様子を見計らい剣で降下して突くような攻撃を加え地道にダメージを与える。

 

 しかし流石にギルギザンは強靭な皮膚と生命力を持っている。パワーアップしたシギアでさえ簡単にダメージを与えられない。


 ここで奥義を放ったら隙を突かれて火炎を食らってしまう。

 とシギアは警戒していた。


 ヒルデバル達も攻撃しようとした。

「我々もシギアを攻撃する!」

 ヒルデバルは衝撃波、ジメーンは死の魂玉、ガム・ゴルドは火炎を放った。


 しかしシギアはギルギザンと戦いながらも上手く攻撃をかわして見せた。

「くっ、何と言うスピード」


 しかし宝児は心配していた。

「もう結構飛んでる」


 シギアは疲れ始めた。

 しかし女神がエネルギーを送りシギアは回復した。

 

「女神が回復させた!」

 シュトウルム兵が叫ぶと上官は指示した。

「女神を攻撃しろ!」


 しかし兵は戸惑った。

「神を攻撃するんですか!」

「良いからやれ!」


 しかしシュトウルム兵の矢は女神の体をすり抜けた。


 シギアはふと両親の事を思い出した。


 こんな時に何だけど、父さんと母さんはどうしてるんだ。


 しかし女神は心の内を知っていた。

「良いのですシギア、それで。私は親とヘリウムどちらかを選べと言いましたが、迷い選べずどちらも大事だと思っている貴方だから力を与えたのです」


 その頃ガルマスは苦悩した。

「わ、私はあいつに命を救われた。それを返さなければならないのか。敵に情けをかけられるなど!」


 宝児とカーレルは話し合った。

「迷ってますよ」

「うむ」


 シュトウルム兵も困惑した。

「ガルマス軍長は戦いを放棄して悩んでいる」


 ガルマスは罪に苦しみ頭を抱えた。

「ぐ、ぐおお、義に生きる人間は義を返さねばならん、ならば!」

 そして何とガルマスはギルギザンに切りつけた。

「ぐああ!」


 完全な不意打ちだった。

「貴様、裏切ったな!」


 そしてすんでの所をまたシギアが助け上空へ逃げた。


 メガスの元に報告が行った。

「ガルマス軍長が裏切りました」


 伝令兵士はこわごわ来たがメガスは不機嫌に答えた。

「ふん、ヒルデバル達に始末させろ。それからゴーレムとスカルアーマーを行かせろ」

 別にどうと言う事のない反応だった。


 一方、マライは地下牢にいた。

「このままでは」

 

 とマライは感じ何かをしようとしていた。

 そして叫んだ。

「私の竜族の力を解放する! 私は巨大な竜となる」

 地下牢は揺れ、見張り塀は何事かと騒いだ。


 その頃ガルマスは遂に決した。

 しかし力強くではなく処刑される覚悟を背負った怯えや震えがある。自分は殺されるだろう、しかしシギアへの借りは返したい。

 そんな心境だった。


「私はこれ以上シュトウルムの味方は出来ん」


 シュトウルム兵はしどろもどろだった。

「ガルマス軍長が裏切った!」


「くっ、士気にかかわる」


「我々が処刑してやろう」

 とヒルデバルが迫り


「私もだ」

 とギルギザンが迫る。


「どうすればいいんだ!」

 とレオンハルトが叫んだ時女神は言った。


「あなた達にも新しい力をあげましょう」


 と言い勇者パーティにシギアの様に女神光と共には力を与えた。

 レオンハルトやクリウ達がまぶしい光に包まれる。


「こ、これは、すごい力が!」


「レオンハルトは力もスピードも大きく上がり、クリウは魔法力ストックが大きく伸び、回復や攻撃魔法が多く使えます」


 クリウも驚いた。

「私にもこんな力が」    

  

        

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ