シギアの葛藤
黄色の髪の、普通の村人の服を着ていても全身に生まれついての気品が漂うがそれを周りになじむために隠している、そんな雰囲気の少女だった。
「王様に娘?」
「これは一体?」
皆が驚いた。
ワンザは申し訳なさそうに誠意を込めて言った。
「すまぬ皆、いや国民全員に謝らなければならん。儂に娘がいる事は国民に隠していたのだ」
「えっ?」
説明を続けた。
「何故そんな事をしたのかと言うと娘マライを将来王または国の重要な役に就かせる為、身分を隠して修行に行かせていたのだ」
「お父様」
「マライには将来儂の跡を継いで欲しかった。儂はこんな秘密を隠していた以上降りなければならん。その為継承者になってほしい」
「おっと、申し遅れたが私は6大幹部の長ヒルデバルと申しますワンザ王、姫は我が軍の調査でワンザ王家系に身分を隠した娘がいる事が発覚した為我々が捉え、国の交渉に人質として利用しようとしたのです」
「私は同じく6大幹部のジーメンと申します。最も良い時に姫は役立ってくれました」
ワンザは怒った。
「マライを利用などするな! 彼女やミミ―デン君の様な平和を愛する人物が国の和平には必要なのだ!」
ミンガードは反応した。
ヒルデバルは答えた。
「和平だと⁉ これだけ殺し合いをやって今更和平等あるか。それに貴様らが『シュトウルムをそのままにしておけない』と言って突っかかって来たのだろう。それにミミ―デンが王位に等就ける訳がないだろう。そいつは裏切ったのだからな」
ワンザは弱気になった。
「儂では力不足じゃ。軍事も交渉も。だからマライに代ってほしい。儂はどうなっても構わん」
「王様」
皆心配した。
レオンハルトは励ました。
「王様ご安心を、私達は命に代えても負けたりはしません」
デュバンも言った。
「そうだ! 俺達に降伏の2文字はない!」
宝児も言った。
「それにこっちには無敵の勇者様が付いているんだ! ねえシギアさん」
シギアは下を向き悩んでいる。
「……」
「あれどうしたんですか?」
「……」
ジメーンは嫌味を言った。
「さすがの勇者もこの状況では強気な事を言えなくなったかな」
宝児は言った。
「うるさい! シギアさんや僕らがお前らの思い通りにさせない!」
しかしシギアは下を向き黙っている。
さらに悩みが深くなったようだ。
どうしたんだ。
とレオンハルトも思った。
宝児は思った。
どうしたって言うんだ。
こんな時こそ何か言って欲しいのに
この人は始めは現実主義で効率主義だった。
でも本当は熱い人だってわかってる。
何故黙っているんだ。
ミランディも思った。
「シギアさん」
ヒルデバルは皮肉を込め褒めた。
「お前達は立派だ。ふふ」
ジメーンは言う。
「意地だけは誰にも負けんか。しかし傷ついた体でやけくそに戦って負けたらもう国を守る者はいない。お前達がここで負けたら抵抗せず国を引き渡す取り決めだからな」
ヒルデバルは意外な事を言った。
「ではもう1つ。お前達の仲間を生き返らせてやろう。それでどうだ?」
「ええ?」
ジメーンが呪文を唱えると何とまぶしい光と共にクリウとアリザイン、コアが生き返った。
「ええ?」
皆これには驚愕した。
「あ……」
クリウは呆然としていた為皆訳を話した。
「女、お前はどう思う?」
「私は……降伏した方が正しいのかもしれないと思います」
「ええ?」
「この戦いで負けたら皆もヘリウム国民も皆殺される。皆に死んでほしくないし、ヘリウム国民の皆も死にたくない人は大勢いると思う。皆はまだ降参したくないだろうけど」
「シギアさんはどう思うんですか」
ついにシギアは口を開いた。
「俺もクリウと同じ様な考えだ」
宝児は衝撃を受けた。
「えっ⁉」
シギアは辛く不安なのを見せながら抑える様に努めて落ち着いて話そうとした。口元が震えている。
「俺は皆と会って特に洪水の日から大切な事を教えてもらったり最後まであきらめない心を学んで自分でも前より熱い心を持つようになった。ちょっと前なら『最後まであきらめない!』と言ったかも知れない。でも今はまた現実主義に戻して考えてる。特に王様やマライ姫も含めて俺達の意地だけで命を全員分背負うのはエゴだ。皆が俺達に全て賭けてる訳じゃない。死にたくない人も大勢いるだろう」
「そんな」
人が生き返ったりシギアが弱気になったり、結構反応が不安ではありました。
次回を待って下さい。
ここまでお読みいただきありがとうございます。宜しければブックマーク及び評価をお願い致します。




