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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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悪魔王再臨

「ぐぐぐ……」


 初めてガム・ゴルドは傷つき焼けた腕を押さえうろたえた。

 アレーナの覚醒には予測が追い付かなかった。


 先程まで絶望していた小娘が。

「ぐ、馬鹿な……」

 腕の痛みと共に現実を受け止めきれず汗も流した。


 アレーナはその様子をすっくと立ち悟りと毅然さが合わさった無無表情な目で見ていた。

 しかし相手を見下している訳ではない。

 

 彼女に言葉はない。

 先程の絶望感が嘘の様だ。


 ガム・ゴルドは焦りはあるが冷静さを弱味を隠す様に維持しながら叫んだ。


「もう1発、残った左腕で! 儂は左手でも撃つ事が出来る」


 しかし言葉を聞いてもアレーナは殆ど姿勢も視線も動かさなかった。悟りと自信が無表情から感じられる。

 

 ガム・ゴルドは切羽詰まった様子とこれで意地でも決めると言う決意の合わさった表情で力を溜め詠唱した。

 6大幹部の1人として。


 体に渾身の力がこめる。

 「ぬうう!」

 消えそうだった炎が再度燃え盛る様に。


 対してアレーナは相変わらず悟った表情で動きはないが右手の人差し指に少しずつ雷を溜め迎撃姿勢を取った。

 

 静かにバチバチと電気が集束する。


 力みながら力を溜めるガム・ゴルドと腕も上げず動かず力を溜めるアレーナは好対照だった。


 そしてガム・ゴルドは残った力でやっと持ち上げた先程幾分被爆した左腕で震える様に構え巨大火球エネルギーを集束した。

「はあっ!」 

  

 アレーナは見つめる。

「これで決めてやる」 

 そして猛々しい叫びと共に火球は発射された



 アレーナもほぼ同時に先程と同じ種の雷撃を撃った。

 動きが最小限だった。

 仕草そのものが別人の様だ。


 そして周りに莫大なエネルギーを散らしながら2つの魔法はぶつかった。

 今にも爆散しそうな様子だ。


「ぐぐ……」

「ぐぐ!」

 両者力を込める?


 アレーナは激突中あまりの猛パワーに少しだけ唇を噛み冷や汗を流し、ガム・ゴルドは切羽詰まって力んでいた。

 これも好対照だった。


 そして2つの魔法は化学反応の様に2人のおよそ13メートルの距離の中央でぶつかり大爆発した。

「うわっ!」


 ドレッドは巻き込まれそうになった。

 アレーナも煙に包まれ軽く防御体勢を取った。


 激突は明らかにガム・ゴルドは押され被爆面積が大きかった。

 煙の中から出て来たアレーナは落ち着いていた。


「ぐう!」

 ガム・ゴルドは打ち手に迷っている様だった。


 そして言った。

「娘、良く儂を追い詰めたな。この勝負お前の勝ちにしてやる。だが儂も黙って引き下がる訳には行かん。儂達には悪魔王様が付いている。悪魔王様は極限まで力を引き出してくださる」


 部屋の奥からシュトウルムの僧侶が現れた。

「悪魔王様、力をお貸し下さい!」


 僧侶が詠唱すると、先程レオンハルト達の前に現れた人間大の悪魔が現れた。

 

 ガム・ゴルドは言う。

「今こそお力を!」


 悪魔王が右手をかざすとガム・ゴルドの体は激しく振動しけいれんした。

「あ、うおおお!」

 かなり苦しそうに見える。

 

 エネルギー授与は続き2分が立つと。ガム・ゴルドは息を激しく切らし顔を真っ赤にした。


「はあ、はあ!」


 息をするのが精一杯の様で相当追い込まれている。

 

 しかしアレーナは動かず無表情で見ている。

 が、ガム・ゴルドの力は感じ取っていた。

 


 

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