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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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3つ目の扉の怪しき番人

 ドレッド、アレーナ達は③の表示がある扉に入った。


 さすがに、向こう側に間違いなく非常な強敵がいる事が明白である為、激戦を潜り抜けて来た彼らでも緊張はおろか恐怖にのまれそうになった。


 またシギアもいない為それも不安を大きくした。

 まずリザリーが慎重に扉を開け中に入り周りを見回した。

「トラップがある危険性があるから」


 リザリーは扉を開けすぐ前の足元や壁等を入念に調べた。

「大丈夫」


 そして皆は恐る恐る、しかし覚悟を決め入った。

 アレーナは予感で震えている。

 

 敵の姿はなく、代わりに小さいテーブルに砂時計が置いてある。


「罠かもしれないわ」

 とリザリーが制止したが、そこに手紙の様な文が添えられてあった。


 そこには「私は砂時計が表すように時間も操れる。怪我をしない内に帰った方が良いぞ」


「時間を操るだと?」

「そんなまやかし、どんな上級術者でも出来るわけがない」

「脅かしでしょう」

 アリザイン、ドレッド、コアはそれぞれ言った。


 アレーナは不安そうに顎に手をやり汗を垂らした。

「ふふふふ」


 そこへ笑い声が聞こえ、皆がはっと振り向くと1人の男が暗闇から姿を現した。 

 

 その男は50代の魔法使いで白いひげが伸ばされ頬はかなりしわがこけている。


 しわだらけの年季の入ったオレンジのローブに身を包み、長い帽子を被り若干猫背で腕は筋肉がなく全く鍛えていないが目は強い自信と意地悪さすらたたえ、それが威厳と不気味さを醸し出していた。 


 アレーナははっとした。

「貴方は、ガム・ゴルド⁉」

「知ってるのか?」


 ドレッドは驚いた。

 アレーナはかなり怯え慄然とするのがやっとの様だった。


「恐らくシュトウルム最高の魔法使いよ」

「!」


「儂の名前が知れ渡っていたようだね」


「こんな所でこんな相手と」

 アレーナは焦った。


 それを見たガム・ゴルドは腕を組みながらにやりとした。


「メンバーを3つに割り振った様だけど、勇者をこの中に入れてなかったのは間違いだったね。これで君達の勝つ確率は限りなく低い、と言うよりゼロになってしまったかな」


 ドレッドとアリザインは決意を表した。

「俺達がシギアに助けられてばかりだと思うな」

「そうだ、あいつはいずれ元の世界に戻る。だからこそ俺達の力で勝たなければならないんだ」


 しかしガム・ゴルドは余裕だった。

「く、くく、ところで儂は魔法だけでなく預言も出来てね。多分このままだと君達の仲間の1人クリウとか言う少女が死ぬね」

(同時系列です)

「!」


 ドレッドとアリザインは怒った。

「まやかしを言うな!」

「そうだ、魔法はまだしもそんな胡散臭い言葉を信じるか」


 しかしアレーナは青い顔をしている。

 ドレッドは疑問を感じ聞いた。

「どうした?」


「あの人の言う事あながち嘘でもないのよ。これまで様々な出来事を本当に当てて本も記したほどよ。もしやクリウが危ないんじゃ」

 と言ってアレーナは引き返そうとした。


 しかしガム・ゴルドは止めた。

「おっと、もう後ろには戻れないよ。行きたければ儂を倒してからにするんだな」


「くっ!」


 皆身構えガム・ゴルドも戦闘体勢に入った。

「さて、私の預言では数十秒で勝負がつきそうだ」

「舐めるな!」


 アリザインとドレッドは勢い良く切りかかった。

 しかしガム・ゴルドはすぐさま魔法を撃って来た。


 左手からは火、右手は水の魔法がそれぞれ2人を襲った。

「うわっ!」

 

 2人はかわし切れずダウンした。

「次はお嬢さんだ!」

 と言い、早いペースで次の攻撃をして来た。


 アレーナには雷を撃った。

 アレーナも雷で迎え撃つ。

 雷がぶつかり合う。


 しかしガム・ゴルドは余裕だったがアレーナはかなり必死だった。

 そして押し返され吹き飛ばされた。


 ドレッドとアリザインはたじろいだ。

「そ、そんな、雷魔法ならアレーナに1日の長があるのに」

「それだけじゃない。凄まじいペースで3連続攻撃を出している。両腕から1発ずつ魔法を出すなど常識では不可能だ」

「それ程の使い手と言う事か」


 ガム・ゴルドは本気に移行しようとした。

「その通り。だが3発ではない、4発目だ!」

 すると激しい竜巻魔法を受け一行は宙に舞った。  

   

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