設定 3大国
シギアが住む天界、宝児が住む人間界と次元の違う本作品の舞台世界には、人間界ほどではないが大きな大陸と島がある。
1300年の歴史がある。
いくつかの小さな国と少数の民族を除くとヘリウム、シュトウルム、ガルデローンと言う三角形的に位置する3大大国がある。
東ヘリウム、ギルタン、ノーストリア等の地方やシジリア半島などの島、都市が昔制圧される前はあった。
そしてその原点となるのが覇権国家ガッシリアであった。
彼らは戦争を繰り返し破壊し虐殺し強制移民をした。
諸民族はさまよった。
多数の小国家が興亡を繰り返した。
その悪辣ぶりは民の経典にも書かれている。
官僚官職名は200におよび属州に労働、兵役を課した。反ガッシリア意識はすさまじかった。しかし施策欠陥で崩壊した。
その後の時代ヘリウムは建国された。
東西ヘリウムが分かれたのは防衛を効果的にするためである。
やがて西のみになった時の王の戴冠でヘリウム地域社会が成立する。
ヘリウムは啓蒙思想や宗教を核とした主義や公益への献身、社会規律化や欲を抑えた生き方を国民に説いている。
貴族は土地の授受を通し主君と家臣の関係が出来家臣からの反逆も許される。
墾田永年私財法のように大土地所有が認められている。
王領は刑事裁判権を行使出来る。王の統治業務は増えて行く。
宗教について言うと、ヘリウム教は一神教である。
三位一体でありカタリ派等とは違う。
カトリックの様な破門はなく領主階級の私闘抑制もなかった為昔は内戦はあった。
しかしアントニオ王やマルレウス王らが維持して来た平和を取り持とうとした。
「道徳的に正しい戦争はない」と言った学者の言葉に近い。
正戦論にあるカトリックにだけ適用された考えとは違う。
島ではないのに武器をなるべく持ちたくない平和主義である。
確かに昔は他国ザリア、ユロープ、イズタン、エデプト地底海付近等を制圧して支配権を広げ防衛網も敷いた。
ラムラ・マロ将軍が率いて他国侵略した。
降伏した者を助命嘆願むなしく殺した事もある。
他民族によっては征服消失した所もある。
属州民を支配して帰属意識を持たせ、条件付きでヘリウム市民にした。新市民は地区に登録される。
法的特権としてムニキピウム、コロニアが与えられる。都市を核に属州が発展した。
広い範囲をアイデンティティーでまとめ上げた。厳しすぎない統治だ。
また過去ヘリウムは英雄バンニバルを倒し海の覇者と言われた商業軍国主義のガルダコも征服した。
戦いでは海軍の強いガルダコにヘリウムは苦戦した。
しかしガルダコは移住を命ぜられ怒り激しく抵抗し市街戦や籠城戦を通してついに負ける。
そもそもガルダコは地底海を航海していた民族が建てた国家である。
多神教国家で女神や農業神を祭る。エデプト起源の神も祭る。農業や鉱山で奴隷を使役した。
先住民を相手に有利な商取引をしていた。
ベルシア国から援軍要請されて断った事がある。
スーフェスと言う最高政務官がいる。
また一方、バケドニアでは、併合の為王のリッセウスは偽物扱いされていたが身分の卑しい男でヘリウムにも見下され戦いでも負けた。
大覇者気取りで略奪したが。
しかしリッセウスはガルダコと提携し援護を得た。
そしてバケドニアは負けてから無政府状態手つかず農地状態だった。
元々バケドニアは哲学者ガレクトテレスに教育を受けたヘリポス王の息子、有名有能なアレクサンデイラスが大王だった。
ガレクトテレスは「王として」「植民地建設」の論を書いた。しかしこれはアレクサンディラスの考えと対立した。
彼は若くして都市を建設した。騎兵部隊も任された。国内反対勢力を処刑した。
ドラキアへも遠征しケタイ族、イリリア人、デーベを征服した。
エデプトにも滞在しパピロン城にも入城している。
バケドニア人は放牧を営み高原と平地に住む民族だ。
木材を主に輸出する。騎兵が主体だ。
騎兵隊は1800人でヘタイロイと呼ぶ。また重装歩兵部隊と近衛歩兵部隊がある。近衛歩兵はヘリポスがエリートを選別し拡大した。
高度に組織された軍隊だった。
攻城兵器も発展し塔や破綻縋を作った。
サレイオス率いるベルシアとのイッソクの会戦は有名だ。
さらに、ヘリポス王の改革の力でバケドニアは強国になってはいたが。ベルセボリス等を占拠したが王宮は炎上した。
軍隊整備と制服地統治が活発だった。
しかしアレクサンディラスは急逝した。
覇権の歴史はヘリポス王の夢だった。
その後、ヘリウムはゴリントをアカシア同盟から切り離す。
しかし以上の説明の様に、確かにヘリウムは過去戦争をしたが、フランス内戦やスペイン人のインディオ降伏勧告や十字軍、カトリックの様な、信仰の敵を滅ぼし異教徒を「血塗られた神の敵」とみなす「聖戦」定義ではない。
敵と戦うのが免罪だと言う定義もない。
親鸞や日蓮の様な他神排斥とも似ているが違う。
奈良時代にあった「死の汚れ」を嫌う思想もない。
政治要求ばかりで民を救わない比叡山の様でもない。
カトリックとプロテスタントの様な争いもない。
かといって武装解除した事はない。
しかし、領土を広げるにつれ国家全体が少しずつ支配欲や金銭欲にまみれだし、神をないがしろにしだす風潮も現れたのでそれらを是正する努力をした。
そして王朝敬愛心が育まれた。
鎖国時期もあり平和主義を貫く。
ワンザは軍事は中程度だが政治力は高く学芸や地域振興に努める愛された王である。
ノルガンジー族のワオ首領の5世代後の王だ。
各地にいた豪族達は子孫らが公、伯等の称号を得た。
ワンザの祖先ノルガンジー族は最初は小さい規模だったのが麦生産等を糧に力を蓄えて行き、他国や民族を倒し領地を広げた。
インフラ特に街道建設は効率性重視である。
水路を作って多く水供給したりする。都市インフラも整備した。ヴァチカンの様な聖地の丘がある。
大学と修道院が作られる。
浴場も作った。
死んだ兵はヘリウム式葬式が行われ負傷者は最高司令官つき医師団が治療し馬車も使われる。
入浴設備も提供される。
奴隷解放制度がある。
王は世襲制で終身制だがあまり反対意見はない。
社会統制緩和と立憲制、議院制導入が検討される等民主主義的に移行して行く流れだった。
身分は貴族、新貴族、騎士階級、平民、解放奴隷、奴隷がいる。
裁判権不在等大きな不平等は緩和されていった。
軍は、カーレルが百人隊長とするとその上は下から中隊長、上級隊長、筆頭隊長、士官、幕僚、軍団長、親衛隊長官がいる。
百人隊長には複雑な上下関係があり。1個軍団につき60人いる。あらゆる仕事を任される。
属州は総督が管理し、財務官が徴税を担当する。
属州民は安全保証費を払う。
兵役は徴兵制と志願制がある。独立自営農民は重装歩兵となる。
シュトウルムやガルデローンとつかず離れずの関係を持つかが外交の要である。
一方3国中でもシュトウルムは最も軍事力が高く数々の国を征服してきた。
王権永続性と宗教的価値観を前に出して支配した。
また「事大主義」の様に服従を美徳とさせた。
若き皇帝メガスもその父オロゴンも征服欲が強く軍人としても高い能力を持っている。
最初シュトウルムの宗教はミバン・マドが開祖となり人々に伝えた。商業都市ウルバに広まる。
そしてウルバを征服後略奪で経済を拡大し領地を広く広げる。
しかししばらくしてミバン・マドの一族の権威が落ちて行く。地方政権が割拠する。
そこに遊牧民ゾルコ人達が流入してきた。
ゾルコ人は肉体も屈強だ。
ゲルト人を蛮族と見なしたシュトウルムは征服し属州とした。ゲルト人はバルバン人に攻撃されて移動して来たがやがて彼らも征服される。
愚劣な文明を理解しない抵抗活動だった。段々嫌気がさしてくる。
バルバン人は狂暴で怠惰でだらしない。
ザイキング人も内陸に現れた。
しかしシュトルムにも祖国の為命を賭ける者は多くいる。
ザブラハン王の代にシュトウルム統治技術が生まれる。
シュトウルム学校で学んだ知識人達が法整備と国政改革をした。
シュトウルムの神を絶対視し戒律を重んじた。
迫害移住後他国の神殿を打ち壊した。
1日5回の礼拝があり人体解剖や帝王切開をしていた。ゾルコ系遊牧民は理論より「神秘主義」を信じた。
宗教寄進制度が出来た。
奴隷狩りも行われる。
異教徒に対し戦う事を誓う。そしてヘリウム教との戦いの歴史が生まれる。
征服し税を払わせる。
税は年貢と違う。
王領からしか得られない年貢と違い、税は全土から得られる。
王が大きな力を持つのは封建に代わる新しいシステムだ。
王や貴族が戦い好きで娯楽と捉えている為当然戦費がかかる。
それに目をつぶりそうになり諸侯や民衆の批判にさらされる事も多い。
微税官がいる。
だからこそ戦争の重要性が説かれた。
騎兵隊、歩兵共に重要性が説かれた。
屈強な君主直属奴隷部隊が出来た。
複数妻帯が認められている。
アガライブ朝を建てる。
まずギルタン半島に進出し都市ビツムを征服する。
抵抗にもあったがやがて半島を制圧して行く。
バヤギ一世はアルトリア一帯に支配を拡大する。
勿論そこには家族兄弟間の誰を立てるか等の支配争いもある。
諸侯の反乱もある。
またヘリウム奴隷少年を雇い戦士にした。
ノーストリアにも支配を拡大しようとする。
東ヘリウムの大きな都市ヘリウピ-プルもシュトウルムの支配下に落ちた。
西ヘリウムが正式ヘリウムになった。
メガス王、オロゴン王やその前のマリゼン、その前の代シュカイピ、アンセラらから自分達こそ世界の中心と考え次々小国を征服していき、残るはヘリウムとガルデローンだけとなった。
シュトウルムはガルデローンを支配しようとし、市場獲得、資源開発の優位性を持とうとし、ガルデローン統治下のバイクロンの独立党を支持するふりをしてガルデローンを攻撃させた。
そしてヘリウムは進出の邪魔とされた。
かなり自分勝手だ。
そして他国の手を借りてもヘリウムを征服しようとした。
しかしヘリウムには昔から女神の父である神が付いていると言われ、飢饉や疫病を何度か救った。
その為シュトウルムは用心しヘリウム征服を後回しにした。
その頃ワンザの元に女神が現れたのと同じようにオロゴン王の元に悪魔王と名乗る悪魔が現れ「我々が世界を支配する力を与える、さすれば全ての国を支配できる」とそそのかし悪魔の力が付いていると思った王たちはさらに軍事力を上げた。
その為に人頭税やパン焼きかまどに税を課したり、さらに奴隷に砂糖やカカオのプランテーションをやらせて利益を得て軍費にした。
シュカイピ王の頃、君主と諸身分の合議制が出来た。
君主は諸身分との協調を自覚している。
特に戦争における租税は議会で納得させる必要があった。
官僚制未発達を諸身分は救った。
一種の「聖戦」に関わる信仰戦士として共同体意識が出来た。
略奪の大義名分であるが。
またコロセウムで犯罪者を戦わせて傭兵としてスカウトし犯罪を免除し略奪行為を行わせた。
商人と手工業者はまだ地位は高いが奉公人は市民権がなかった。
シュトウルムの巨大化を恐れたヘリウムは嫌々ながら同盟を結んだ。
元々ヘリウムとシュトウルムの戦争は宗教戦争である。
シュトウルムの悪魔教会はヘリウムの神の信者を「自分を正義だと思っている」「異端」として見ている。
その為ヘリウムからシュトウルムに移住しなおかつ改宗せずヘリウムの神信者だった人達を異端として見せしめの様に殺した。
これと他の国に移住しても宗教の同胞だと思っていたヘリウムの神の信者達は激しく怒り戦争をするレベルまで行った。
また何度も奴隷を解放しろと訴えても応えないシュトウルムと貿易制限をし、シュトウルムには物の不足が出た。
ヘリウム人を抑留し強制労働させ、工作員として使わせようとしていた。戦争犯罪をでっち上げたりした。
さらにシュトウルムはガルデローンに先に攻め込んだが、同盟国としてヘリウムに援軍を要請したがこれを渋った為亀裂が決定的になった。
しかしヘリウムは占領されたネリ国を救おうとした。
ガルデローンにも内部暴動が起きた。
しかし国内平和改革も信じる。
実はヘリウムも「神の名の下に」他民族を征服した事もありシュトウルムを強く批判できない部分がある。
ヘリウムはシュトウルムに政治的に負け続け国民にこれ以上押されたら滅ぼされると言う感情が生まれた。
それまではヘリウムは受け身だった。
ヘリウムは現在ローマ5賢帝時代の様な物で5000万人程の人口だ。
道が張り巡らされ国境付近まで町がある。
悪魔教会公会議は共同体としての悪魔論理に支えられている。
神学者ならぬ悪魔学者が重要な位置を占めている。
さらに公会議は有害な教皇を取り除く。
また異端に対する危機意識がより団結を強くした。
教皇は枢機卿が選出する。
また権力だけでなく経済も持っている。
ヘリウム神信者の行く学校は世間から自立し貧しくても苦難と受け入れた。
そして学校の機構改革を提唱した。
シュトウルムでは悪魔教である事は社会の一員であると同義だ。
ヘリウム神信者は全ての人が救われるとは思っておらず罪により滅びる者もいると言うのが信条だ。
オロゴンやメガスを敵視しヘリウムに味方する非愛国者もいた。
・ヘリウム有名騎士
スキッピイ
救国の英雄と言われ大軍を率いた。
ファビイ
つかず離れず強敵と戦う策士。兵站切りで敵を倒そうとする。
キゲロ
ヘリウムの神への敬虔さを説いた政治家。
ブラックス
強さだけでなく高潔さが土着民にも認められた。
バシ
傲慢となる以前の王と周囲の橋渡しだった。
クヨシ
王を軍事や築城等の面で支える。




