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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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悪魔王の正体

「うおおお!」

 デュバンは自分の内側の世界を引き裂くように幻覚を吹っ切った。


 幻覚は怪物はデュバンの発するエネルギーで苦しんで消え、5メートル程に見えていたグリザインの大きさも普通の人間大になった。


「ぬん!」

 レオンハルトもやり方と反応は違うが吹っ切った。

 

 心の内側の世界が煙を上げ溶ける様に消える。

 磨かれた激しい精神集中による「心の目」と堅く立った強い意志によってだった。


 べロウは慌てた。

「何、馬鹿な⁉」


 2人は力強く言った。

「もう、まやかしに惑わされないぞ!」

「俺達はもう怯えない」


「2人共!」

 マーティラスは呼応した。


 デュバンは生きかえった様に強く言った。

「マーティラスさん、そしてミンガードじゃなくミミ―デン様、待たせた!」


 それを見てグリザインが憤慨する。

「おのれ!」


「良し行くぞ!」

 レオンハルトとデュバンは共にグリザインに切りかかった。


 以前の数倍の思い切りの良さになっていた。

 動きを鈍くしていた何かが取れた。


 デュバンは思った。

 女神様、ありがとう。



 グリザインは思った。


 どうやってか知らんが、恐怖を克服した様だな、だが。

 とまだ余裕がある様だった。


 グリザインはデュバンの上方約30度の袈裟切りを渾身の力で受け止めた。


「ぬう!」

 と吠えるグリザインに対し

 デュバンは負けん! と言う気持ちで押し切ろうとした。


 さらにレオンハルトが角度が水平80度に近い袈裟切りを放ったがこれもグリザインは受け止めた。

 レオンハルトの目も確かに何かが宿ったように光り燃えている。


 だが、グリザインの中ではまだ許容範囲の力だった。

「はあ!」


 気合一閃で2人を後方に押し戻した。

 2人はバックジャンプして距離を取った。


 冷静さも失っていない。


「ぬん!」

 マーティラスは援護として念動波を放ったが防がれた。


 レオンハルトは体勢を入れ替えさらに攻撃をかける。

 動きがより速く無駄がなくなった。


 45度の右上袈裟切り、横切り、打ち払い、突きを連打して行く。しかしクリーンヒットは中々出来ない。


 ゼロンはにやりしながら見ている。


 「はあ!」

 とデュバンも突進から右上45度の袈裟切りを放った返された。


「手強い」

 2人は思った。


 べロウは笑った。

「どうやったのか知らんが良く幻覚を破ったな、だがそれでも50点だ。何故ならグリザインが圧倒的に強い現実は変わらないからだ。単にまやかしを破っただけだ」


「ふん!」

 とグリザインは剣の光の刃を広範囲に飛ばす奥義を放ち、レオンハルトとデュバンを同時に襲った。何とか2人はかわした。


 レオンハルトは汗をかき体を小刻みに揺らしながらながら言った。

「確かに奴は手強い。それは現実だ」


「貴様らに躊躇っている暇などない!」

 グリザインはレオンハルトに突進し胸を切った。

 

 さらに返す刀でデュバンを切った。

 速く破壊力もすさまじい。


 血が飛び2人はダウンした。

「まだだ!」

 レオンハルトは言う。


 デュバンは言った。

「まだ負ける訳に行かないんだ! 絶対! シギアとした特訓の為にも」


 グリザインは言う。

「単細胞が」


 レオンハルトは言う。

「しかしこの強さは一体何だ。幹部達にどんな秘密があると言うんだ」

「ふははは! 秘密は大ありだ」


 そこへシュトウルムの中年の僧侶らしき男が部屋に入って来た。

「ここまで来た褒美に少しだけ教えてやる。この幹部達や今まで戦った者たちは悪魔王の特別な呪いの力で通常の人間よりはるかに肉体もスピードも強化されているんだ」


 デュバンは答えた。

「悪魔王の呪い⁉」


「そうだ。そのおかげで人間では何人でかかっても太刀打ち出来ない強さになっているんだ」


「そ、そうだったのか。だからこんなにも強い」


「く、くく我々の背後にいる悪魔王様を甘く見たな。人間がかなう相手じゃない」

 

 しかし俺達にも女神が付いている。

 女神が現れたのを知られない様デュバンは心の中で言った。


 そこへ部屋に響く声が聞こえた。

「威勢が良いのは結構だがなそろそろ諦めたらどうだ。あの勇者シギアと言う奴は骨があったがな、そうそう、貴様らの仲間クリウと言う女が死んだらしい」


「何⁉」

 レオンハルトは胸に刃が刺さった様だった。


 べロウは笑った。

「はーっはっは悔しいか悲しいか? しかしこれ以上仲間の死者を出さん為に降参した方が良いんじゃないか?」


 ミンガードは言った。

「悪魔王なんていない」


 僧侶はたじろいだ。

「何⁉」


 ミンガードは続ける。

「そんなのは悪魔教会が召喚を使って出したでっち上げだ」


「貴様何を⁉」


「悪魔教会は国での立場を強くする為、父上や一族を騙して悪魔王がいると信じさせた。しかしそんなものはいない! 確かに国の士気はそれで上がったが」


「では幹部達の力が上がっている事は?」


「それは肉体強化の魔法をかけたに過ぎない。僕は色々危険に会いながら調べてそれを公表し、やがてヘリウムとの和平を結ばせようと活動して来たんだ」


 レオンハルト達は言った。

「悪魔王は本当はいない……?」



 レオンハルトは昨日の特訓を思い出した。

 シギアに頼り過ぎていた。

 だからあいつ無しでも勝てる様にならなきゃいけない。


 シギアは言った。

「精神集中して心の目で相手の本当の姿や力を見極める戦い方があるけど」 

  

 レオンハルトは言った。

「お前の弟子にでも何でもなる」


 デュバンも言う。

「俺も2番弟子になる」


「俺は対した事ないけどさ。でも俺の1番弟子は宝児さ、と嘘。あいつはリーダーだ」


 影で宝児やクリウが見ていた。

 シギアさん、僕をそんな風に見てたのか。


 シギアは言った。

 「俺はリーダーに向いてない、宝児かクリウかレオンがすればいい」


「皆リーダーには何か足りないな」 


「じゃあ皆リーダーでいいさ」


「ま、それはともかくとして俺たちは何としても新奥義を身に付けなければならない。命をかけてでも」


 レオンハルトの頼みにシギアの目付きが真剣になった。

ちなみにラスボスは前に伏線張ったりしています。

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