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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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グリザインの巨大な腕

 そして場面は変わりレオンハルト達は②の扉に入った。

 メンバーは他にデュバン、マーティラス、ミンガードだ。


 中は非常に暗く敵の姿は確認出来なかった。

 すると……

「うわっ‼️」


 突如デュバンを3メートルはある巨人の腕と巨大な剣が襲った。

「危ない!」

 これは幻覚か、それとも人間以外の怪物か。


 咄嗟にレオンハルトがかばい飛び去りデュバンは怪我がなく済んだ。


 ミンガードは剣を抜いた。


 着地したデュバンは何が起きたかと動揺し慌てた。

「何だあの巨大な腕は‼️ 化け物かそれともトラップか⁉」


 ミンガードは言った。

「これはもしかすると」

「知っているのか」


「ふふふふ‼️」

 部屋に不気味な声が聞こえる。



 そちらを向くとフェミングの様にあまり強そうでなかった相手とは違い、明らかに巨体で見るからに筋肉が多く筋肉を何とか覆っている鎧、さらに頭や顔が大きく唇も厚い少し下品な顔をした男がいた。



 太さ15センチはある巨大な剣を持った少し下品そうで大食漢そうな見ただけで怪力の持ち主、すごい破壊力を持った強者、と思える騎士である。


「グリザイン!」

 ミンガードは言った。


「あいつが6大将軍の1人」

 デュバンはごくりと唾を飲んだ。


 そしてもう1人、帽子で顔を半分隠した年齢不詳の少し猫背のよぼっとした杖を持った魔術師がいた。

「あいつもか」


 巨漢の男が説明した。

「いかにも。こいつは6大幹部の1人魔術師べロウ。そして俺は同じく幹部のグリザインだ!」


「出たな!」


 グリザインはにやにやしながら言った。

「分かっているだろうがここから先へは通さん。尤もさっきの一撃で死ななかっただけ貴様らは一人前かえっへっへ」


 デュバンは熱くなった。

「舐めやがってあんなのまやかしかトラップだろう!」


 しかしベロウは言った。

「違う。貴様らが我々に恐怖を感じている為巨大に見えたのだ」


「嘘を付け!」


 デュバンは突っ込んで行った。

「あっ待て!」


 レオンハルトとマーティラスは止めたがデュバンは突っ込んで行った。


 デュバンは叫んだ。

「うおおお! 俺がお前に恐怖を植え付けてやる!」


 しかし突撃中デュバンの目にはまたもグリザインの体が3~5メートル程の巨人に巨大化して見えた。


「うお!」

 これはデュバンは動揺させるに十分だった。


「はああ!」


 デュバンに隙が出来たタイミングでグリザインは剣を振り下ろした。


 咄嗟にレオンハルトはかばった。

「無茶に突っ込むな」

「すまない。さっきと同じ現象が起きた」


「俺にも巨大に見えた」

「何のまやかしか」


「この現象、魔術は」

 とミンガードは思い出そうとしていた。


 マーティラスは言った。

「あの魔術師の魔法ではないか」


「くっくく、いかにもそうだ」


 デュバンは言った。

「随分あっさり種明かしするんだな。じゃああいつを倒せば幻術みたいなのは解けるんだろ」

「よし!」


 マーティラスは攻撃白魔法をべロウに向けて放った。これが命中した。


「ぐう!」

「やった!」

 とデュバンは歓喜した。


「はあ!」


 さらにマーティラスは魔法効果を消す波動を放った。

「これであの幻術は効かない」


「くっ! 何と言う事だ! これでは」

 とベノンはあっさり慌て始めた。


「よし、ならば攻撃だ! 今度は2人で行こう」

「よし」


 とデュバンとレオンハルトは突っ込んで行った。

 しかしベロウとグリザインはにやついていた。


 「あっ、待つんだ!」

 とミンガードは言ったが、2人は進んだ。

 

 何だあの余裕は

 とマーティラスは思った


 すると突撃して行った2人の目にまたグリザインの姿が巨大に見え躊躇した。


「何っ!」

「はああ!」


 動揺し2人はグリザインの攻撃をかわし切れず吹き飛ばされた。


 デュバンはダウンしながら言った。

「どういう事だ」


 レオンハルトも言う。

「幻術が解けてなかったのか?」


「これはまさか」

「知っているのか」

 デュバンはミンガードに聞いた。


 ベロウは笑った。

「くっくく、はっはっはっ。私の幻術はさっき解けたが貴様らの精神に及ぼした作用は消えていない」


「どういう事だ」


「この魔術は視覚ではなく精神に訴える。グリザインが巨大に見えるのはお前たちが実際に彼に強い恐怖を感じている為それが視覚等に反応しているんだ」

「恐怖を感じている為?」


「そうだ。お前たちは初めて会った時からグリザインに激しい恐怖を感じている。それを自身で何とか克服しない限り視覚などのゆがみは消えんのだ」


「俺達の心に問題があるという事か」

「まやかしなんかに俺は負けない!」


 とデュバンは切りつけたがグリザインに簡単に防がれ弾かれてしまった。


 ベロウは言った。

「まやかしではなく本当にグリザインが強いからだ。だから知らず知らずの内に彼に恐怖を感じている」

  

「俺たちが自身で強くならなければならないと言う事か」

 レオンハルトはすっくと立った。


 ミンガードは剣を構えた。


「ミンガード、お前は恐怖を感じてないのか?」 

 とデュバンは言った。


 ベロウは言う。 

「ミンガード、貴様は裏切り者だから他の奴の10倍の苦しみを味会わせて殺してやる。ん?」


「どうした?」 

 グリザインは聞いた。


「ミンガードの奴、亡くなったメガス様の兄、ミミーデン様に似ていないか?」 


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