例え手が無くなっても
クリウは気合いを込め後1発しか撃てない攻撃白魔法を使った。
「はああ!」
「うわああ!」
一気に4,5人の兵士達を吹き飛ばした。
クリウはさすがに息絶え絶えで戦場なのに力が入らず隙だらけになってしまった。
これを帝国兵達は見逃さなかった。
「あいつは恐らくもう攻撃魔法は使えん。切れ」
後ろにいた数人の帝国兵が襲い掛かりクリウは逃げられずすくんだ。
「きゃああ!」
思わず恥も外聞も無く悲鳴を上げた。
これまで意地で弱みを見せない様にしていたが、さすがに緊張の糸が切れた。
「はーっはっはっ!」
と襲い掛かる帝国兵達を前にクリウは死を覚悟したがそれを1つの剣が救った。
恐怖でつぶった目を開くとそこにはミランディがいた。
「ミランディ!」
クリウは九死に一生を得た気持ちだった。
「大丈夫⁉ クリウさん!」
ミランディはクリウを守り兵達を薙ぎ払って見せた。
さらに宝児も現れ水魔法を兵達にぶつけ、クリウに襲い掛かった兵は全滅した。
「宝児君」
「間一髪ですね」
「ありがとう2人共」
「危ないですよクリウさん仲間とはぐれたら」
「ええ、攻撃魔法も使い切ったわ。あっ、でシギアに会えた?」
「それが、僕らはまだ辿り着けてないんです。アレーナさんが真っ先に行ったみたいなんですが」
「アレーナだけじゃ……」
「本当に罠で、シギアさんは騙されたの?」
「そうみたいです。シギアさんはもっと疑って慎重に行く人かと思ってました」
「変に正直なのよ、あの人」
「しかし、レオンさんたちの加勢とシギアさんを救出するのどっちに行くべきか」
クリウは決断した。
「レオン達の方へ行きましょう。そこの方が敵が強いからよ」
「決断ですねクリウさん」
「まあ、私は軍人みたいに決定する局面あまりないんだけどね」
その頃レオンハルト達と戦っているイバールは鉄仮面に助けを求めた。
「オーガイン様、お助けを」
その声を止める様に非情にもオーガインはイバールの腕を刺した。
「ああ!」
オーガインの言い方は冷酷だった。
「屑程の役にも立たん塵め、さっさと消えろ」
「私は致命傷を負っていて動けません」
「ならさっさと藻屑になれ」
デュバンは驚いた。
「随分な扱いだな。あいつら同格のコンビだと思っていたが」
オーガインは言った。
「ふん、同格だと? 笑わせる。こんな男私の奴隷に過ぎん」
「ど、奴隷」
またデュバンは驚いた。
「そうだ、2大大将の形に見せていただけだ」
「じゃあ、あんたの方がずっと格上で強いって事?」
一方シギアはミンガードに放たれた矢を腕で受けた。
「ぐ、ぐぐ」
その様子を見て冷静なミンガードが取り乱した。
「君は僕を?」
「せっかく気が変わってくれたのにいきなり裏切り者扱いじゃなんだろ」
「早く傷薬と包帯を着けるんだ!」
ミンガードは治療した。
「すまないな」
「すまないのは私だ」
ミンガードは肩を貸した。
その行為に感謝しシギアは痛みに耐え苦笑した。
「あんた程の人が帝国にいたとはな。ちょっと先入観と偏見を捨てて訂正しないと」
「じゃあ、行こうか」
デュバンは中々埒が開かず焦り頭に血が上った。
「くそ!」
「ふん!」
しかしオーガインに剣で返された。
「よし、じゃあ2人かかりで奥義だ」
レオンハルトは言った。
デュバンは
「よっしゃ!」
と言いレオンハルトとデュバンは距離を取り構え奥義の力を溜めた。
「はああ!」
2人は息を合わせた。
そして同時に踏み出した。
激しい叫びと共に切りかかった。
しかしこれすらも跳ね返され、レオンハルトは肩、デュバンは腕をざっくりと切られた。
さらにオーガインは突進してくる。
そこにドレッドが立ちふさがり盾で防ごうとしたがこれも貫かれた。
「ぐわ!」
マーティラスは解説した。
「あいつは力で突いてるんじゃない、剣の技で盾を貫いたんだ」
デュバンは血を流しながらまだあがく。
「まだだ! まだやってやる!」
と突進しようとした所にマーティラスは立ちふさがりバリアを出した。
「クリウの奴ほど強固ではないが。しかしお前も自重しろ」
デュバンははあはあ言いながら食いさがった。
「俺は諦めるのは嫌なんです。シギアを待てって言うんですか!」
「その怪我で何が出来る!」
まだ食いさがった。
「俺は手がちぎれたって戦う!」
「俺もだ」
レオンハルトも呼応した。
「ふん無謀な。もう少し効率的に勝てんのか」
オーガインは嫌みを言った。
デュバンは言い返した。
「効率的じゃなくて何が悪い。命も体も使い果たしてやっと勝てるかどうかだろう」
レオンハルトも続いた。
「俺はシギアは来ると信じている。だが待つだけで何もしない事じゃない!」
「それでも貴様らは負けるがな」
3人は急いだがミランディはつぶやいた。
「あの鉄仮面相当な手練れです。私の気配ですが」




