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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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ミンガードの雰囲気と剣

「小娘が! 何勝手に開錠してんだ!」

 と言いリザリーに切りかかった。


 寸での所で鎖の鍵が解けたシギアはリザリーをかばい腕で帝国兵の剣を受け止めた。


「ぐぐ……」


 腕を切られ血が流れる。


 シギアは剣を構え帝国兵達に向き合った。


「逃がさんぞ!」

 と言い帝国兵達は襲い掛かったがあっという間に倒した。


 そしてリザリーをかくまった。

「君はグライの仲間?」


「昔のですが。彼とパーティ解散後、彼は大分お金に困っていたらしく、帝国兵からヘリウム国を騙して倒す手助けをしろと言われたらしいわ。で私は昔の仲間としてそれが許せなくなったわけ」


「君1人でこの戦場に」

「ええ、怖かったわよ。私には高速移動スキルがあるとは言えね」


「す、すまない、君には大きな借りが出来た」

「気にしないで」


 すると背後にミンガードが迫って来た。


「くっ!」

 シギアは振り向いた。


 シギアはミンガードが何も言わなくても目や他のあらゆる部分からの圧を感じた。


「通してはくれなそうだな」

 シギアは剣を構えた。


 あまり感情的でなくミンガードは言った。

「ここを通す訳にはいかない。私が相手になろう」


 シギアは思った。

 さっき兵を治めてくれたがやはり番人としての役目を果たすという事か。


 口には出さなかった。

 当たり前の事だと受け取られるからだ。


 シギアは剣を構えた。


 2人は一定の間合いで向き合った。


 その間合いは図ったと言うより初めからまるで1人の心の距離を的確に表す様だった。


 何か帝国兵とは違う。しかし立ちふさがる敵である事に違いない。


 シギアは確かに一定の殺気は目に込めたが何故かミンガードを憎み切れなかった。

 勿論油断するつもりはないが。


 さっきは確かに兵を止めてくれた。

 アレーナにも逃げて良いと言った。

 まあアレーナの腕を刺したけど。

 

 そしてシギアは切りかかった。

 1度ぶつかりまた離れた剣が2度、3度とぶつかる。


 シギアは目をそらさなかった。


 しかしそれは勝機を見出す為のみでなく、相手の様子を言葉以外からも感じ取りどういう人間なのかを判断したかった。


 大声を出さないが冷たい責任感と相手が敵なら容赦なく切る面もある、そんな印象を受けた。


 凶悪さや非道さをあまり目に感じないが。


 と思った瞬間、戦慄と恐怖を感じさせる突きがミンガードから放たれた。

 

 シギアは少し体勢が崩れたがかろうじて受けた。

「ぐ!」


 際どかった。

 ぎりぎりの体勢だった。


 何と言うかミンガードは無駄がなく効率性を動きで表現するような太刀筋、そして確かな殺気を感じさせた。


 さらに彼はどこか穏やかな表情なれど恐るべき速さで冷たい攻撃を繰り出して来た。


 表情の変化は少ない。


 シギアは防御に徹した。


 雰囲気が不気味なのもあるが、剣の威力に俺がビビっているんだ!


 容赦なく冷たい目と太刀筋でつぶしにかかっていた。

 シギアは必死で避けた。


 右斜め40度からの真ん中への突き。

 斜め30度からの袈裟切り。


 真上からの振りかぶり切り。

 それらの隙が無く凄まじい攻撃がどこか穏やかな表情、目つきから繰り出された。


「くっ!」

 斜め下38度からの斜めへの突き上げ。

 再度60度程からの袈裟切り。


 そして連続突き。

 速さと異様な雰囲気にシギアは圧倒された。


 斜め50度からの突き。

 47度からの突き。

 56度からの突き。


 意図的に使い分けていた。

 シギアは腕はあいつの方が上なんじゃ、と戦慄を覚えた。



 




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