神の義について
シギアはいよいよ2人の幹部の前に来た。
剣で魔術師の魔法を切った。
「貴様……」
カーレルは言った。
「シギア、すまない。手を貸してくれ」
「はい」
魔術師は嫌味っぽく言った。
「何だ。今戦争の理由を論じているが貴様にそんな事が出来るのかな? 何も知らない若造が」
シギアは言いかえさなかった。
それは幹部達を言い負かせるだけの理論を持っていなかったからだ。
神、運命、という事に対して。
その為何を言おうか考えていた。
シギアは回想した。
「俺は天界生まれだからすべからく女神様を信仰していた。だから子供の頃は良く礼拝に行っていた。だけどうちの仕事は上手く行ってない事は分かっていた。でもその内良くなるって思っていた」
「忍耐が信仰の大事な事です」
と牧師さんも言っていた。
でも中学で悪堕天使学校に行ってからは礼拝が授業になくなったし、受けられなくなった。
堕天使学校の悪徳がばれて差別的な目で見られる様になった。
だから他者をうらやむ様になったり世の中は平等じゃないと思い始めた。
それで本来宗教は「自分の努力ばかり信じては駄目」なんだけど自分の努力をかなり信じるしかないと思う様になった。
それはまずいとわかりながら。
堕天使学校出で1家ごと迫害された家もある。
だから信仰がひねくれていった。
俺の家は仕事とか上手く行ってないし、世の中他の悩みが解決しないままの人も大勢いるし、何よりおれは教会から迫害されてるじゃないか。
高校は国立だったから良かったけど。
こんなのってあるか。
さらに高校の勇者学校の授業で「天使の羽根を出す」授業で俺だけ黒い羽根が出て白い目で見られた。
高校時代は礼拝はあったけどその頃には「自分の努力でなった」と言う思い上がり意識があった。
それは「自分の努力だけでは限界がある」と言う神の義に反する物だった。
高校では教師が皆に説いた。
「神は皆の前で平等です。皆さんもこれから勇者になるにあたって人を分け隔てたりせず平等に見る事が出来る様にして下さい」
平等、そうだな。俺は剣道も出来たし体も強かった。
親は貧乏でも理解があった。




