2対2 デュバンの初戦
帝国兵の中から幹部らしき2人が前に出て来た。
1人は神話の怪物の様な兜とローブに身を包んだ魔術師タイプ。
もう1人は顔をずっぽり大きな仮面の兜で覆い、鎖帷子や前掛けを付けている。
魔術師タイプは言った。
「ヘリウム城下町を火の海にし騎士団も全滅させてやる」
魔術師タイプは火の魔法を町に何発も放って行った。
騎士団は話しあった。
「くそ! まず町の人を避難させるのが先だ」
「俺もそう思う」
「手分けしてやろう!」
デュバンがそう答えた際、マーティラスは言った。
「お前はあの仮面をつけてるやつを1人でやるんだ」
「は、はい」
シギア達は言った。
「俺達も戦います」
「いや、彼1人でやらせてくれ、皆は避難誘導を。そして私は」
マーティラスは魔術師の方を向いた。
魔術師は答えた。
「貴様が1人で私とやると言うのか? ふん!」
デュバンは言った。
「じゃあ、マーティラスさんの指示通り俺が戦います。皆さんは避難や火消しを!」
「危なくなったら呼んでくれ」
そしてデュバンは仮面の方と剣を持ち向き合った。
「小僧が……このイバール候に……」
「小僧でもいい! 俺は若さと心はおっさんや老人に負けないんだ! 行くぜ! 平和を手にするために!」
デュバンは勢いよく突撃して行った。
しかしイバールは当然のごとくに剣で防いだ。
剣越しに睨み合う。
デュバンの熱い目とイバールの仮面に隠れた無表情が対比的だ。
「城下町に火を付けやがって! 許さねえ!」
一旦バインドを解いて後ろに下がったデュバンは仕切り直し激しく剣で切りかかった。
最上段の水平切り。
中心から少し上の水平切り。
さらに10度から40度まで細かく角度を変えた袈裟切りを放って行った。
その1発1発に心血がこもっている様だった。
青臭い奴だ……
とイバールは思っていた。
「馬鹿め、ただ闇雲に熱くなっているだけだな!」
と魔術師はデュバンを評した。
そこに剣をマーティラスは突き出した。
無言の突きだった。
「お前はただ熱いだけではない様だな」
デュバンは大きくかぶり、30、40、48度の角度の袈裟切りを食らわせて行った。
さらに30度、45度、65度の角度から攻める。
シギアは横目で見ていた。
「デュバンさんの方があの鉄仮面より明らかに体力を速く消耗している。何故助けちゃいけないんだ」
レオンハルトは答えた。
「試練と言う意味か? いやこれは実戦だ」
剣で攻撃しながら再度デュバンは行った。
「町に火を放ちやがって! 許さねえ! 平和の道のりの邪魔をするな!」
「お前もその内火だるまにしてやる」
「黙れ!」
「うおお!」
「こんな粗削りな剣で!」
と言いイバールは剣で払った。
デュバンは後方ジャンプし回転し着地した。
戦いのシーンをもう少しパワーアップしたいです。




