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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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裏切りの報告

 クリウは始業前レオンハルト、ドレッドと話した。


「モフレンさんに最近舞踏会行ったりしないの言われた。行きたいけど今はね」

「前の貴族出身者舞踏会は君は大人気だったな」


「いえそんな……初参加で緊張したけどいきなり多くの男性が声かけて来て結構不安になったわ」

「僕も見てて不安だった」


「ダンカン3世さん、とかへラリート3世さんとか優雅で紳士だけど少し強引だった。不安になったからレオンに恋人のふりしてもらったけど」


「はは、ぎこちなかったけどな。クリウは参加し慣れてない、戸惑っているような初々しい雰囲気ももてている原因かも」


 クリウは謙遜した。

「いえそんな……何もかもわからない感じで。参加する前は楽しみで仕方なかったけどいざその場に行くと呑み込まれて自分がちっぽけに感じて」


「社交界もやっぱり慣れで、優雅な人も最初はお金のない学生から始めたりするものさ。最初は自分が不釣り合いに思いながら衣装やたしなみを身に着けるんだ」

「これから経験を積んでいくわ」


「ところで、昨日は教会の後モフレンさんのお見舞いに?」

「ええ、命には別状ないけど痛々しかった。元気に振舞ってた。騎士の人達は疲れてるのに礼拝大丈夫だった?」


「ああ、やはり傷ついても礼拝を欠かす事は出来ないからな」


 ドレッドも言った。

「そうだな。勝利と平安をもたらしてくれたんだろう。そして亡くなった人への黙とうも」


 シギアが話に加わって来た。

「何? 宗教の話?」


「ああ俺達は日曜礼拝に行っている」

「信心深いんだね」


 レオンハルトが言った。

「ってお前は神の国から来たんじゃないか?」

「お、俺はすごく神を信じてる訳じゃない。けどヘリウムの礼拝は行ってみたい」


 クリウは優しく誘った。

「じゃあ今度行きましょうよ」


「ああ、この国が信じてるのは俺を召喚した女神様? と言う事は違う世界だけど同じ神様を礼拝する事になるんだな」


「違う世界の人でも同じ神様を信じてつながるって良いわね」

「うん」


 ドレッドは言った。

「宗教って一神教だからな。違う世界、国においても万物を作った神は1人と言われる」


 そこで集合の号令がかかった。


 緊張が走る中、司会の騎士が異動して来た2人を紹介する。


「いよいよ3日後町解放戦が始まる。そこで今日新たに2名の者が隊に加わる事になった。1人はマーティラス、22歳、隊長、副隊長の指揮の元若手の指揮に当たってもらう。もう1人がデュバン、18歳、レオンハルト達と一緒に行動してもらう。では2人とも挨拶」


 まずマーティラスが前に出た。


 マントを指揮官の印として着け、長めの髪とやや広い額、中性的な上品さを持った顎から口。

 思慮深そうでかつ眼力がある落ち着き払ったやや冷たい目が印象的だ。


「おはようございます。今日から皆さんと共に戦っていきます。慣れない指揮ですがどうか

お願いします」


 と静かな様で一貫して目はどこかを強く見つめ、冷たいようで眼力が強い事からどこか熱さを感じさせた。


 そして次にデュバンだった。


「おはようございます!」


 手を後ろに組み口を大きく開け覇気のある大きな声で挨拶し、1目で元気で積極的なイメージが伝わった。


 顔は顎がやや出ていて目は熱く輝くように強い瞳の力があり髪は短め、胸は大きく張っていて全身からエネルギーが満ち溢れていた。


「皆さんと一緒に戦い一刻も早く平和を取り戻したいです! 体を張って頑張って行きたいです。宜しくお願いします!」


「じゃあ、デュバンは皆と一緒に訓練」

 そして訓練が始まりまずはランニングだった。


 いきなりデュバンは速いスピードで躍り出て突っ走った。スタミナもすごく落ちない。

「凄いないきなり」


 また筋肉トレーニングも1番重いウェイトを持ち上げた。

 宝児は気が付きデュバンは答えた。

「あっ、腕に重り付けてるんですか」

「ええ、全身に」

「すごいなあ」


 その後のトレーニングも1番大きな声を出し率先してやった。

 マーティラスは隊長達から指揮の仕方を指示されていた。


 騎士達は皆デュバンに感心した。

「熱い男じゃないか」

「積極性の塊だ」


 そして食事でも多く食べた。

「すごいバイタリティだ」


 食べ物を噛みしめデュバンは言う。

「皆さんと頑張りたい!」


「パワフルな感じだな」

「強くなり皆さんを引っ張って行くのが目標です!」


 若いが頼もしく見えた。


 その頃突如号令がかかった。

「敵襲だ! 城下町に!」

「何!」


「こんなタイミングで! すぐ出撃だ!」


 報告の兵士が来た。

「大変です! 兵士休憩所や倉庫から火災が!」

「火事か!」

「焚火と油が置いてあり何者かの仕業です」


 外に皆は出た。

 すると帝国兵達がいた。


「はっはっはっ! 貴様らが暇そうにしてる所を狙ってやった」

「お前らが火をつけたのか!」


 騎士達が聞くと帝国兵はとぼけた答えを返した。

「何の事だ? 我々に内通した裏切り者放火犯はいるがな」

「そんな人間がいるわけないだろう!」


 しかしそこへ報告が入った。

「外から入った跡が全くありません」


 これを聞きムードが変わった。

「じゃあ、あいつらの言う通り我々の中に裏切り者が?」


 ヘリウム騎士達はざわざわし始めた。

「マーティラスかデュバンじゃないか? 今日の今日なのが怪しい」





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