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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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読み合いとその行方

説明不足な点を修正しました。

 シギアは剣を持って再びサリディアスと戦った。


 2人は激しく剣越しに睨み合った。

 しかしシギアは意識的に目の憎しみを押さえていた。


 それはサリディアスに自分が憎しみだけで戦っているのだと思われたくなかったからだ。

 訴えるのは無駄かもしれないが。


 サリディアスはまだ笑っていた。

「やっと五分の条件で俺と戦えるようになったな。柄にもなく無理をしおって」


 しかしシギアには自負があった。  

 俺は素手で自分よりリーチのある相手との手合いも多くやってるんだ。

 思い上がりかもだけど。


 剣をぶつけ合いながらシギアはサリディアスを崩しにかかった。

「相手に気迫で圧をかけるんだ!」

「貴様の圧などに屈するかこの青2才が」


 シギアは基礎的な事も思い出しながら戦った。


「足腰の動きで崩してやる! 間合いで圧力をかけるんだ! 間合いを詰める事が相手を攻める1歩なんだ。そして自分に心理的に有利な間合いを作るんだ。中心を取り少しでも相手が動いたら打つんだ」


 サリディアスはひるんだ。

「くっ、俺の考えを読んで攻めているのか」

「ああ、あんたは相手が何を考えているか、何をしようとしているか考えない。だから何で俺が素手で戦ったかわからないだろう」

「貴様が何も考えていない馬鹿だからだ。さっきもいったが何故戦争になったかかもわからない若造が」


 しかし、またシギアは押され始め切られ血が流れた。


 ミランディは心配した。

「シギアさん、大丈夫かしら」


 宝児は力強く言った。

「大丈夫です、シギアさんはどんな敵にも負けません!」


 シギアは上から斬撃を浴びせるふりをして胴を切った。

「ぐっ!」


 シギアは思った。

 中心線を外したら、駄目だ!


 剣先が交差し右の手の内を入れる。中心線の取り合いになった。

 サリディアスは打開するため溜めもなく瞬時に光の奥義を出した。


「ぐあ!」

 シギアは吹き飛ばされた。

「お前は奥義をある程度力を溜めないと出せないだろう、だが俺は違う!」


 さらに続けざまにもう1発食った。

「ぐあ!」


「シギアさん!」

「シギア……」

 ミランディとクリウが心配した。


 しかしシギアも黙っていない。

「面への攻撃をそのまま振り下ろして小手打ちだ!」


「ぐっ!」

 サリディアスもまだ反撃した。


「俺の打突を受けろ。俺が青いころからどれだけ打突を極める努力をしたと思ったんだ! 肩を鍛え、踏み込み、連続技、突き、残心の特訓。基礎から全てやった!」


「あんたはその頃は純真だったのに曲がったんだな」

「俺は自分の意志で生きているんだ! 貴様に言われる覚えはない」

 そしてシギアは打突同士をぶつけた。


 サリディアスは驚いた。

「打突は払うものだ、それなのにこいつは切っ先をぶつけようというのか」


 シギアは自分の信念を説明した。

「俺の剣は例え相手が同じ剣の切っ先だろうと、剣ごとその向こうの敵を貫く!」


 サリディアスはひるんだ。

「貴様、貫く型の奥義もあるのか!」


「俺は1度技を出したら決めるまで打ちを止めないんだ! レオン、お前の打突奥義を一緒に食らわすぞ!」

 シギアはレオンハルトを誘った。

「えっ!」


 さらに意図を説明した。

「最後位反則っぽい事をやっても良いんだこいつは散々汚い事をやったんだ」

「よし!」


 2人は息を合わせ同時に打突奥義を出した。

「行けえー!」

「ぐあああ!」

 サリディアスは貫かれた。


 しかしシギアは途中で深く刺さりすぎない様剣を止めた。

 サリディアスは何故シギアが剣を止めたのか分からなかった。


「こいつも捕まえて罪を償わそう」


 しかし、その時何とクリウが出て短刀でサリディアスを刺そうとしていた。

 皆騒然とした。


「な」

「何で!」


「私は皆の様に剣で直接相手を切ったりした事がほとんどない、私だけが罪を背負ってない、だから皆の代わりに私が止めをさして罪を負うわ」

「おい、よせって!」


 しかしクリウは躊躇したあげく短刀を震えながらぎりぎりで止めた。


 そしてサリディアスに回復魔法をかけた。

「女、俺を助けるのか?」

「……」


 宝児は言った。

「何でクリウさんがあなたを助けたのか、少しはその意味考えて下さいね。シギアさんが止めささなかったのも」


「こいつら、自分の考えで突っ走るだけの癖に……」

 サリディアスは顔を背け恥を隠した。


 そして隊長と副隊長達が来た。

「外の敵はほぼ倒した。これで勝ちだろう!」

「やった!」

 騎士達も喜んだ。


「シギアさん!」

 ミランディはいきなり泣きながらシギアに抱き着いた。


 皆驚いた。


 宝児は嫉妬した。

「シギアさん、何してるんですか!」

「俺は何も!」

「変な事しないで下さいよ! ミランディさんは僕の!」

 皆大笑いした。


 タードは謝った。

「すまなかった。俺が弱音を吐いたからシギアにエネルギーを使わせ皆にも迷惑をかけた。何と言ったら」

「いえ、貴方の騎士の心、しっかり見せてもらいました」


 他の騎士も励ました。

「そうですよタードさん。これからも頑張って下さい」


 タードは涙をこらえた。

「そうだな。シギアが言う様に人が死んだり憎み合う事が無くなる様に」


 こうしてヘリウムは遂に砦を奪還した。





ここまでお読みいただきありがとうございます。


先日活動報告に書きましたように、展開がここで一段落つき、少しだけ投稿間隔が空きます。


実はプロット時はここで第1部完でした。でもまだまだ続きますので宜しくお願いします。

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