救護班到着
サリディアスはエイスラーに思いの他苦しんだ。
「この男、強い。こいつや他の奴らもに敵に回すと……よし」
何と、部下が人質のマギーを連れて来た。
「あっ!」
サリディアスはマギーを盾に言った。
「降伏しろとまではいわん。人質を盾にするのは卑小だからな。しかしガイには再び獣人になってもらうぞ!」
「何⁉」
魔法使いはガイに魔法をかけた。
「ぐ、ぐわお!」
「心が弱っている今がチャンスだ」
「ぐ、グウワオ!」
ガイは再び獣人化した。
サリディアスは命令した。
「ガイ、我々に加勢しろ。エイスラーとやら、我々2人じゃきついんじゃないか?」
レオンハルトとアレーナは名乗りを上げた。
「くっ! 俺が行く!」
「私も!」
サリディアスはレオンハルトに答えた。
「じゃあ、貴様らは俺が、エイスラーの相手はガイと行くか」
5人の戦いが始まった。
レオンハルトは苦境に苦しんだ。
「くそ!」
そこへクリウや宝児、ドレッドや救護班が到着した。
シギアは喜んだ。
「皆!」
「遅くなった!」
シギアは言った。
「クリウ、ぼろぼろじゃないか!」
クリウは全身やけどと数か所から血を流した。
「大丈夫!」
サリディアスは指令を出した。
「救護班を攻撃しろ」
そしてクリウの先輩が矢で撃たれた。
クリウは急いで治療しようとした。
「私が」
しかしクリウの先輩は言った。
「大丈夫、貴方はアリザイン達を見てあげて」
「でも」
「大丈夫」
クリウはシギアとアリザインに駆け寄った。
シギアは心配した。
「だ、大丈夫か。全身やけどの上に血まで流して」
クリウは傷つきながら踏ん張り元気にふるまった。
「大丈夫、私は自分より他者を回復させるのが仕事! アリザインさんを回復させたら次はシギアの番」
「しかし!」
「貴方はここで不覚を取るわけに行かないでしょ」
一方レオンハルトとサリディアスの武器がぶつかる。
レオンハルトは後方バク転のあと飛び掛かった。
サリディアスはその動きを褒めた。
「中々やるな」
レオンハルトは中段からやや下を素早く連続で攻撃した。
さらにアレーナは援護の雷攻撃をした。
サリディアスは苦しくなかった
「2体1とはいえ、この程度の奴らなら」
上手くかわしそこに飛び込んで来たレオンハルトの剣もいなして見せた。
一方クリウは言った。
「シギア、とにかく私の魔法であなたを回復させる。それまでは戦わないで」
「でも時間がない! 皆が!」
アリザインは言った。
「シギア、お前の命はお前だけの物じゃない、皆を背負っているんだ。だから十分回復させてもらえ」
「わかった、クリウ」
「え?」
「俺、あんたが洞窟で言った命を大事にする事が分かって来たよ。
「良かった」
レオンハルトは打突をかなり力を込め連続で撃った。
これが限界だと思わせておくんだ。そこで打突のさらに強い奥義につなげる、と思っていた。
サリディアスは思っていた。
こいつ打突を多用しているが何か駆け引きがあるのか。




