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天から落ちた最強だが性格が悪い最低ランクの勇者が地上で独立部隊パーティーの一員に任命され帝国と戦う  作者: 元々島の人


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エイスラーの実力

 アリザインはダウンしサリディアスも血にまみれ落下した。

「やった!」

 タード達は歓喜した。


「アリザイン!」

 シギアとレオンハルトは駆け寄った。

「大丈夫か⁉」


「ああ、命はとりとめた」

 アリザインはほっとさせるように苦笑した。


 他の騎士も賛美した。

「すごかったぞ。幹部を相手に」

「これで戦いも、あっ」


 その時、突然隠れていた白魔導士が現れサリディアスに治癒魔法をかけた。

 サリディアスは万全に近い所まで回復した。

「きたねえ!」


 サリディアスは開き直った。

「ああそうだ、俺達は勝つ事を宿命付けられている。敗者は格下げどころか場合によっては死刑だ。お前らとは違う。お遊びでやってるんじゃないんだ! メガス様達がヘリウムを完全手中にするまで我々は命を懸けてお仕えする」


 シギアは言った。

「くっ、簡単に死刑にするようなやつらに命を懸けて仕えるだと? 脅されてるだけじゃないのか」

 ガイも叫んだ。

「そうだ。シュトウルムの上層部なんて仕える価値もない奴らだ」


 シギアは仕切り直した。

「よし、俺が相手をしてやる」

 サリディアスは笑った。

「お前はもうろくに体力が残ってないんじゃないのか?」


「うっ!」

「アリザイン!」

 

 アリザインは苦しみだした。

 胸の傷が開いた。


 シギアは言った。

「仕方ない」

「シギア、もしかして」


 タードは懸念した。

 シギアはタードを助けた時と同じ様にアリザインにエネルギーを送り込んだ。

 アリザインは止めた。

「よせシギア」

「クリウ達もいないしこうするしかない」


 アリザインはなおも止めた。

「よせ、エネルギーを使うな。お前の命はもうお前だけの物じゃないんだ」


「俺が行く」

 そこにいたのはエイスラーだった。


「エイスラー」

「俺がサリディアスと戦おう」


 そう言って前に出て行った。

 サリディアスは笑った。

「ほう、お前か、聞けば最近の新入りでデータがないと言う話だが」

「この俺が相手になろう」


 レオンハルトは危惧した。

「大丈夫か、何なら俺が」


 シギアもエイスラーの事は不明な点が多かった。

「エイスラーの力俺も知らない」


「ふん、さっさと終わらせて次に勇者を倒し一気に終わらせてやるぞ」

 そして2人は睨み合い剣を抜き、ついにぶつかった。

 シギアはエネルギー注入に集中していたがレオンハルト達はごくりと唾を飲みながら見守った。


 エイスラーは先程から戦いに入っても殆ど表情も変えず汗もかかず流麗で力みのない動きで渡り合った。

 

 柔軟な剣さばき、戦いが始まっても目をほとんど動かさないエイスラーのたたずまいに一種異様な雰囲気になった。


 サリディアスも動揺した。

 こいつこれだけ冷静に俺と渡り合うとは何者だ。


「食らえ!」

 サリディアスは袈裟切りを放った。


 しかしエイスラーはこれを払って打突した。

 サリディアスの顔近くに剣が来る。


「馬鹿な俺より速いだと⁉」


 これは防がれたが今度はエイスラーは中段の構えから下を攻めて行った。


 サリディアスは思った。

 顔に隙ありだな! 丸空きだ!


 そしてサリディアスが顔を攻撃しようと振りかぶった瞬間エイスラーは胴を攻撃した。

「何?」


 エイスラーは表情を変えない。

「くっ、こいつ、誘い込んだか」


 レオンハルトは説明した。

「そう、中段にする事で顔に隙がある様に見せたんだ」


 今度はその中段で攻め合いとなった。

 エイスラーが剣の裏から攻めていくとサリディアスは少しだけ裏からの攻めに体勢を崩した様に見えた。


 エイスラーは裏に剣を密着させそのまま攻め入り間を詰めた。


 そして裏から強く攻めるとサリディアスは打ち返してきたがここで隙を突きエイスラーは顔を狙った。

「くっ!」

 これは防がれた。


 しかし今度は鍔迫り合いからエイスラーは右に押し、押し返してくる力を利用した攻めに出た。

 サリディアスは焦った。

 くっ、こいつ、何者だ! と思っていた。


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