パワー特化のイベント参加
次の日、ログインするとみんなイベント会場を目指して歩いていた。
ミカンとゴーストもそこを目指して突き進む。
その会場に入ると中央あたりに上位達が集中している。
そこにゴーストも混じった。
「さて、頼りにしてるよ。最強の盾さん」
「こちらこそ頼りにしてますよ。最強の剣さん」
2人は一緒に戦える日を楽しみにするようになっていた。
そんな2人が本気で共闘できるかもしれないこのイベントは互いの楽しみを実現できる最高の舞台になるのだ。
だから、戦いの前に2人は拳を合わせて互いが本気であることを確認し合った。
そんな2人が辺りを見渡すと前回の10位以内のプレイヤー達が探り合いをしてるのが見えた。
どいつも本気でゲームをしてるのが伝わってきた。
「で、今回のイベント内容は?」
「残念ながら開示されてません。だからこそみんながどんなイベントが来てもいいように準備をしてます」
そう聞いてミカンは何が来てもいいように覚悟をした。
そこにゲームのマスコットキャラが現れた。
それはみんなに見えるように現れてイベントの前の話を始めた。
「みなさーん!イベント開始時刻になりましたー!」
その声にみんな目と耳を向けて集中した。
「今回のイベントは三日間で行われます!現実とは時間がズレるのでゲームから出ることはできませんが、その分ゲームに長く滞在していても現実では3時間しか経っていないという状況になります!」
これはヘッドギアを使ってるからできる技術だ。
最近は多くのゲームでこれが採用されている。
「今回は石のカケラの奪い合いをしてもらいます!参加者にはあらかじめカケラを一つを配布しますが、前回のイベントで10位以内になった皆さんには完成した石をカケラの代わりに配布させてもらいます!」
マスコットキャラがそう言うとみんなの手元にそれが配布された。
「それはカケラ5個で一つの石になり、石が2個以上で装備なのどに使えます!石を交換してスキルや素材に交換することもできますね!ちなみに今から別マップに転送しますが、そこには隠しダンジョンと石のカケラを守るボスがいるので気をつけてください!まぁ、どうせ血気盛んな連中は対人するんでしょうけどね」
あれが何か言ってた気もするが、みんな石の利用方法を聞いてすでに考えがそっちを向いている。
「それで今回も石とカケラの所持個数で最終的に順位を決めます!色んな能力が優れててこその強者ですから、皆さん全力でやってくださいね!」
『順位を決める』という上位達にとって最重要な情報が発信された。
三大勢力も元仲間達もやる気を示した。
最もやる気を見せたのは意外なことにミカンではなくゴーストだった。
そんなやる気の出るみんなの足元の魔法陣を運営は起動させた。
「では、健闘を祈ります!」
マスコットキャラのその言葉を最後に全員が転送された。
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みんなバラバラの場所に転送された。
転送後すぐに伝え忘れた『倒されたらスポーン地点からリスタートになります』という通知が来てからスタートが表示された。
森の中のミカンパーティーはまず周辺の探索を行うことにした。
平原の『真紅の不死鳥団』は下っ端を捜索に回しつつジェシカ自身が狩りに向かった。
山の『深緑の妖精軍』はまず拠点を作るように命令していた。
海岸の『蒼き海の守護会』は海の捜索からするように命じつつチーシャが紅茶を飲んでいる。
洞窟の『七色の突撃隊』はミカンに認めさせるために必死にばらけて動き始めた。
他の上位もひっそりと動き始めている。
ミカンはこの上位達と自分を含めた新星を警戒している。
あわよくば新しい仲間を獲得して怠け者は完全に切り捨てようとさえ考えている。
それだけストイックに最強を目指しているのだ。