パワー特化とイベント告知
邪魔な奴らがいなくなったので2人は店員にパフェとティラミスを画面操作で注文した。
注文からわずか10秒で注文の品が届けられた。
「やっぱりゲームだと早いね」
「最初は驚きますけどなれたら普通ですよ」
ミカンは初めて二日目なのでまだ新鮮なことばかりだが、ゴーストは前回イベントが行われた3週間前より長くやってるからすごく日常化している。
そんな感じの2人が本物みたいなスイーツを楽しんでいると、他の席から警戒されてるような視線を感じた。
「ねぇ、さっきから視線を感じるんだけどなんで?」
「あぁ、それは他の上位が私を警戒してるからです。ここに今ちょうど三大勢力がいますからね」
「三大勢力って何?」
「前回のイベントの時点で強さとリーダーシップとカリスマ性を持った3人が居たんです。そいつらがたくさんの仲間を引き連れてギルドみたいなことをしてたので、その時の巨大すぎる勢力達をまとめて三大勢力と呼ぶようになりました」
「もしかしてそのトップが上位に入ったの?」
「そうです。『真紅の不死鳥団』で3位『不死鳥のジェシカ』は何度倒してもすぐに起き上がる強さでみんなに尊敬されるようになりました。『蒼き海の守護会』の5位『荒れる海のチーシャ』は普段大人しいのに味方を完璧に指揮する姿で上位にしてもらってました。『深緑の妖精軍』の8位『フェルカ』は仲間のために強さを求める姿勢が信頼と尊敬を生んで絶対的な統率を作り上げました。これが三大勢力のボス達です」
「こりゃまた素晴らしい連中だね。細かいところはどうか知らないけど私より素質あるわ」
その会話を聞いていた三大勢力のボス達の内の1人が席を立ってミカン達に近づいてきた。
そいつは2位に知ってもらえていたことを嬉しく思ったらしい。すごい笑顔だ。
「お前は『不動のゴースト』だな。こうして対面するのは初めてだな」
「私のことを大きく見てくれてるんですか?言葉に尊敬が少し見えてますよ」
「おっと、敵なのにすまない。だが、尊敬すべき2位であることに変わりない。そんなあなたでも抜けてるところがあると聞いたのでイベントのことを伝えに来た」
「第二回の告知が来てたんですか」
「えぇ、また荒れそうな気がする。特に新入りは豊作のようだし注意しなくては」
この台詞を言ったときのジェシカはミカンの方を見ていた。
それからすぐにゴーストに向き直した。
「第二回こそは上に立つべき者が私であることを証明してやる」
「ふふっ、宵闇にはご注意してくださいね。亡霊かカラスに襲われますよ」
「十分に注意しておこう。では、そろそろ失礼する」
最後に喧嘩を売り合って終わった。
ジェシカは仲間を連れて店をあとにした。
その様子を観察していたミカンはジェシカが3位になれた理由がなんとなく分かった気がした。
「とても善良な人で敵にも敬意を持って接している。そんな人なら上に立てるのも納得だわ。その部分では私もゴーストも完敗だね」
「その通りですね。強くて諦めが悪くて倒す条件が厳しい。性格の良さに強さなんて足したらあれだけの人が着いてくるのも納得できます。住んでる世界が違いますよね」
2人は何故かジェシカに敗北した気分になっていた。
でも、送られた告知の第二回イベントをやってみないと実際には分からない部分が多い。
第一回のイベントより増えたプレイヤーでどんなことになるのか期待が膨らむばかりだ。
ミカンも強い敵と戦えるのを楽しみにしている。
イベント開催はまさかの明日だ。
みんな大忙しになり始めたが、ミカン達はすでに準備が出来てるのである程度は余裕になった。