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パワー特化のボス討伐

 ミカンは今から戦闘を始めるが、自分の手持ちのスキルが3つしか無いことを忘れていた。

 しかも相手が強いから1つは役に立たない。

 圧倒的不利な状況。これには昔の感覚を思い出せるミカンにとって最高な状況だ。


「さぁ、どう動く?」


 そう呟くと巨大なボスカラスは戦闘前にお辞儀した。

 それにミカンは混乱したが一応お辞儀を返した。

 両方が頭を上げるとボスカラスは翼を大きく広げて飛び上がった。


「モンスターのくせに律儀なんだ…まぁ、気にせず始めますか!」


 そう言った直後にミカンは刀を振りかぶった。

 そこにカラスは猛スピードで突撃してきた。


「バカラスが!これでも食らえ!」


 そう言って近くまで来たカラスの首を狙って刀を振った。

 しかし、その一撃はバキンという最悪な音共に無意味に終わった。

 ミカンはショックと理解できない状況のせいでこの一瞬をスローのように感じた。

 次の瞬間にはカラスの突進で吹き飛ばされてしまった。


 その状況を見てゴーストはまだ早かったかと思って動こうとした。

 でも、ミカンはギリギリのHPで耐えて目線でゴーストに『まだやれる』と伝えた。


「このカラスめ。硬化で鉄より固くなった訳か。でも、それはもう覚えた」


 そう言った途端にミカンは〈硬度上昇〉を取得した。

 折れた刀と弱い銃、それとボロボロの体。

 それでも諦めずミカンは手に入れた力で活路を見いだそうとしている。


「折れた刀には頼り切らない。この銃がそろそろお前のHPを撃ち抜く!」


 そう言いながら〈挑発〉を発動してまた突進させた。

 今度は鋭い本気の目のミカンが相手だ。

 考えがあって突進させたに決まっている。


「〈硬度上昇〉だ!これで転びな!」


 ミカンは奴の目を狙って一発撃ち込んだ。

 それによって痛がったカラスはバランスを崩してミカンの横を通り過ぎて行った。

 ミカンはここでニヤリと笑って銃をカラスに向けながら振り返った。


「どんな奴にも弱点はある。そこをつかれれば強者でも雑魚に負けることもあるんだよ。油断したな」


 ミカンは本気を出さない相手に敗因を伝えた。

 その後は容赦なく相手の柔らかい頭に残り7発を強化して全弾撃ち込んだ。

 その様子は切りまくる美しさとまた違う美しいかっこよさがあった。

 ゴーストはもう一つのミカンの顔に見惚れている。


「さて、まだ倒し切れてないしね。最後は折れた刀でやるか」


 そう言ってカラスの顔面めがけてジャンプして突っ込んだ。

 カラスはHPもギリギリなので動くことを諦めてやられてやることにした。


「一撃は痛かったよ。またやるときは攻撃させないから覚悟しとけ」


 その一言をカラスに聞かせてすぐに残りのHPを削りきった。

 するとカラスは消えてその場に魔法陣と宝箱を残した。

 ミカンはそれを確認するより先にレベルアップで得たポイントを振って、獲得した〈パワーの影響〉〈八連の舞〉〈破壊弾〉〈不屈の精神〉〈飛行継承〉の5つを確認した。



 〈パワーの影響〉...取得条件:防御力半分以下の状態で攻撃を受けること。(ミカンはパワー特化なので元々防御力が紙以下)

 効果:装備全ての防御力と耐久力が攻撃力分上昇する。銃や弓や盾といった攻撃力が本来反映されないものにも攻撃力を反映する。


 〈八連の舞〉...取得条件:連続攻撃でHPを8割削ること。

 効果:どんな武器でも8回連続攻撃を必ず成功させる。


 〈破壊弾〉...取得条件:攻撃が通りにくい相手と戦うこと。

 効果:攻撃力2倍の弾丸を撃つことが出来るようになる。


 〈不屈の精神〉...取得条件:HP1割未満の状態でボスモンスターを撃破する。

 効果:HPが2割を切ったら攻撃力を5倍にする。


 〈飛行継承〉...取得条件:飛行系ボスモンスターを反撃させずにとどめを刺すこと。

 効果:倒したボスモンスターの羽を自分にはやして飛行できるようになる。速度は素早さのステータスに+50した状態になる。



 確認し終えたミカンはゴーストの方を向いて微笑んだ。


「終わったよ。これが私の戦い方だ」


 ボロボロなのに余裕を見せるカッコ良さ。

 ゴーストはミカンに完全に惚れてしまった。

 とんでもない戦い方と絶対に諦めない残虐的な戦い方はゴーストの恋愛対象の条件にぴったりハマった。

 そんな惚れた状態を真顔で隠してミカンに歩み寄った。


「かっこよかったですよ。可愛いプラスかっこいいは反則です。まぁ、これからはパーティーの仲間として一緒に戦いましょうね」


 ゴーストは男の娘なのにイケメンなミカンに微笑み返しながらそう言った。

 それから宝箱を開けるように勧めることにした。


「で、さっさとミカンのオリジナルシリーズを見てみましょうよ」


「それもそうだねすぐそこにあるし、開けてみるか」


 そう言ってミカンは宝箱に近づいて開けた。

 中には漆黒でオシャレな装備一式が入っている。

 《漆黒の夜烏》《夜空の流れ星》《星空の三日月》《星空の一番星》の4つで、それぞれドレスアーマー、ブーツ、刀、銃の順番に出された物だ。

 ついでに口元も隠せる仕様になっている。


「へぇー、いい物じゃないですか。デザインは私のに似てますね」


 ゴーストが覗き込んでそう言った。

 それを無視してミカンは全て装備した。


「さて、ここからカラスが羽ばたく時間だ。ゴースト、私は最強になりたい。ついてきてくれるかな?」


 かっこいいだけのセリフを吐いて正式にゴーストを誘うために手を差し伸べた。

 その誘いにゴーストは手を取って答えた。


「こんな亡者で良ければ手を貸しましょう。素敵な戦いする方には最高な盾も必要でしょうから」


「ありがとう。そして、これから本当によろしく」


 こうしてカラスと幽霊が正式にパーティーを組むことになった。

 パーティーリーダーは黒烏のミカンだ。


 2人は外に出るために魔法陣を使った。

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