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パワー特化抜きの最上位戦

 1位と2位の戦いはミカンの時と違ってすぐに始まった。

 先に仕掛けたのはバスターの方だ。


「〈冥府解錠〉亡霊を一撃で仕留めなさい!」


 その声がゴーストの耳に届くように、スキルもまた彼の足下から普通のように広がっていった。

 すぐに地面は黒く染まり、そこから無数の黒い手が伸びていく。


「このスキルは冥府の怪物を少しだけ呼び出すものです。触れられればアウトですよ」


 そのことを聞いてすぐにゴーストは盾を地面につけた。

 そして大声でスキルの発動を宣言した。


「触れられる前に処理したらいいんです!〈魂の捕食者〉冥府へと追い返せ!」


 そう言った直後に盾による吸収が始まった。

 みるみるうちに冥府の闇は盾に食われて、召喚された魂もどきも一緒に消されていく。

 それを見ていたバスターはゴーストの切り札を知って対策を練り始めた。


 全てを吸収しきって冥府の扉が閉じられた。

 それを確認してゴーストは盾を持って立ち上がった。


「王系統のスキルを使う絶対的な強者で様々な属性などを使いこなす。私の亡者系の最上位も使うなんてとんでもないですね」


「それが僕の一位たる由縁ですから。冥王さえも僕の手中なんですよ」


 2人はこうして話してる間も策を練っている。

 ゴーストの〈魂の捕食者〉は1日に5回しか使えないからあと4発を大切にしないといけない。

 バスターの〈冥府解錠〉はあまりにも強力なので1日に1回しか使えない。

 つまり、バスターはスキルを一つ無駄にして、ゴーストはまだ切り札を残してるということだ。


 バスターのスキルのことを知らないゴーストはここで一気に攻めるためにスキルを4つ用意した。


「そんなアグレッシブな王様には一瞬で悪夢をくれてあげます」


 そう言ってからすぐに〈亡者の進行〉を発動した。

 それとほぼ同時に〈影をもたらす者(シャドーブランガー)〉〈シャドーネイル〉〈魂の捕食者〉を一気に発動して、バスターの横を通り過ぎざまに切って少しだけ片腕の魂を食った。

 その時バスターは剣を振って排除しようとしていたが、エレメント系のスキルじゃないのでゴーストの体を通り過ぎるだけになった。


「さぁ、これであなたのHPが残り四分の三になって片腕は呪い状態になりましたよ。腕は解呪するか私を倒すかしないと治りません」


 振り向きながら不気味に微笑むゴースト。

 実体があるのにない亡霊の一撃は他の連中にできない1位への大ダメージになった。

 この一瞬のうちに起きた緊急事態にバスターは焦りを見せている。

 剣を持ってない方のやられのは不幸中の幸いだが、これがもしも剣を持っている利き手だったら今頃畳み掛けられて負けていた。


「これは...前回の時よりさらに強くなってますね。これは本気を出さないとやばいですね」


「なら、こちらも出し惜しみ無しであなたを食い漁ってあげます」


 空気が一変して緊張感と殺気が充満してきた。


 大急ぎでミカンがここの近くに戻ってきていたが、この自分の時に感じられなかった空気にビビって近づけずにいる。

 偽物の王と生きる亡霊は自分達の装備やスキルを確認した。

 全てを出し切るために最終チェックをしてるのだ。

 それを終えたところで再開した。


「〈亡者の進行〉です!」


 先に動いたゴーストはまたあれを使ってバスターの目の前に立った。

 そこから〈魂の捕食者〉を使おうとしているが、すぐにバレて〈光速移動〉で一瞬にして10メートル近く下がられてしまった。

 でも、まだ発動してなかったのでゴーストは〈魂の捕食者〉を残り3回分温存することができた。


「そのスキルがさっきのアレですか。またリスキーで恐ろしいスキルを手に入れましたね。でも、〈七王の怒り〉からは逃げられませんよ!」


 今度はバスターが火、水、雷、木、風、闇、光の七属性を同時に使える上位スキルを発動した。

 それはゴーストのスキルだと守りに入るしかない。

 〈亡者の進行〉はエレメンタル系に弱いのでそうするしかない。


「〈影壁〉!」


 影で自分を包んでエレメンタル系への防御を厚くした。

 元々防御極振りなのでそういう守りには特化している。

 その壁と大盾めがけてバスターはスキルの七属性砲を放った。

 超極太エネルギー砲は影の壁にぶつかると分散させられて周りの森を次々と破壊していく。


 しばらくしてゴーストの壁にヒビが入った。

 それを見たゴーストは〈代償亡霊壁〉を発動してHPを半分使って壁を二重にした。

 それのおかげでどうにか守り切れた。


「ここで終わらせます!」


 チャンスと思ったゴーストは〈亡者の進行〉で素早さを上げですぐに反撃に向かった。

 バスターは絶大な威力のスキルの反動で5秒間身動きが取れない。

 そこをゴーストが突きに行ったのだ。


「もらいました!」


 そう言っていつもの流れで〈シャドーネイル〉を発動した。

 しかし、その攻撃は停止してるフリをしたバスターに止められてしまった。

 動く方の手でゴーストの腕をキャッチしたのだ。


「残念でしたね。対策として〈思考停止防止〉などを用意してましたから、5秒以内に向かってきても無駄なんですよ」


 それをバスターはドヤ顔で語ったが、ゴーストは知ってるよって感じの笑みで返した。


「予想済みです」


 その一言の直後に足元に黒い闇が広がった。

 それを見てバスターはすぐにこれが〈冥府解錠〉だと気付いた。


「条件はキツかったんですけど、私もちゃんと得意分野のスキルなんで手に入れておきました」


 バスターはまだ秘策のありそうな目に恐怖を感じて手を離して逃げ始めた。

 でも、〈冥府解錠〉への対策なんてバスターにはない。

 唯一の方法はあの〈七王の怒り〉だが、あれは使用済みで今日はもう使えない。

 つまり、バスターは詰んだ。


「まさか!ここまで読んで戦っていたんですか!」


「いいえ。私はあなた達と違って行き当たりばったりでやってます。でも、直感とタイミングを間違えなければこうなるんです」


 この勝負は急ぎすぎたバスターの負けだ。

 強者だからと言って強いスキルを使い切ってしまうと手も足も出なくなる。

 それをバスターは今更教えられてしまった。


 でも、タダでやれるつもりはない。

 バスターは秘策をここで一気に消費することにした。

 〈冥府解錠〉の弱点である『使用中は移動できない』はバスターもよく理解してるからこその道連れだ。


「君の強さを見誤ってました。敬意を表して道連れにしてあげます。〈五色五線〉!」


 バスターは動けず的になるしかないゴーストに五属性の攻撃を放った。

 それは簡単に大盾によって防がれた。

 あれを防がれるのは予想できていたので間髪入れずに〈龍王の咆哮〉〈妖精王の蝶〉〈夜王の夢幻烏〉〈王の飛翔斬撃〉と貫通が乗ってる攻撃も混ぜて連続で発動した。

 それによって防ぎきれなくなったゴーストは無言でやられた。

 それとほぼ同時にバスターも冥府に飲まれた。


 後には2つの石と1つのカケラが落ちていだけだった。

 それをミカンが拾った。

 この戦いを見ていた感想は「なにあれ」と混乱してる言葉だった。

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