帝王国の晩餐・5
エル視点。
一瞬でピュパーシが消えた。本当に目が追えないスピードでミランネお嬢様の後に移動した。そして、迷いなく風攻撃を放った。
完全に軽い淑女を軽く飛ばして気絶しそうなパワーが彼の経験の差が現れる。多分、これで多くの相手を平らにした。
でも、その風は彼の手から出て、数センチ先にあるお嬢様の背中に届かない。微風すらないと頭巾から流すお嬢様の長くて美しい黒髪の揺れを見て分かる。
華麗に振り返るお嬢様はもはやまだ本殿のダンス中と思わせる仕草で手を伸ばした。
でも、そこにはピュパーシはもう居ない。またお嬢様の死角に移動して、今回は数本の風刀を放った。
頭は悪くないね。風刀は全部他の適性を混ざっている。お嬢様の結界を試している。物理的効果の大きい金属適正の攻撃はお嬢様の結界を破ってた。背中にぶつかる途端、それが弾けた。派手な金属音を立てて。
続いて確認にまた数本放ったが、肩・脚・頭にアタックしても鍛冶屋から出そうな音が会場に響く。
「頭巾の防備は中々なものね」
帝王様がそう言うと、皇太子様は頷いた。
ピュパーシは攻撃を止めた途端、お嬢様はまた手を伸ばした。彼は警戒するけど、もう遅い。
足元から白い砂が固まり始めた。そして、彼の周りから百本の長くて細い白土柱が伸び上がる。2メートルを超えたら、ニョロニョロと蛇っぽい動きをして、動けない彼の上に絡み始めた。やっと靴を脱いだピュパーシは白土の鳥籠を攻撃したが、脱出できるタイミングを見逃した。風魔法は鳥籠の隙間のせいで役に立たない。他の魔法はお嬢様の籠を上回る可能性は低い。
綺麗なレース卵の中に捕虜にされたピュパーシにはもう勝ち目はない。お嬢様は指を鳴らした。
茨が生えて始めた。外から見るとウニの形になるが、中から魔法の光が見えても、効果はない。
「ギブ!!」
男の声が会場に響く。
沈黙の中、お嬢様は動かない。ただ籠を眺めてた。
「…あ、そうか。ミランネちゃんの勝利!」
役目を忘れてた魔帝王は結果発表すると、お嬢様はやっとこちらに向いて歩いてきた。後に卵が開花して、砂に戻る。
「ご苦労、ラン。楽しかった?」
「…何か足りない気がします。家の模擬戦の方が複雑で面白いですから」
「それは彼等は自由行動に見えて協調しているからな。本気で厄介で読みづらい」
私達に取って厄介は最大褒め言葉です。
「これでミランネちゃんは第三位だね」
「はい...虫が多くなるか少なくなるか分かりませんね」
それを聞いて疲れた顔を表すお嬢様。
「果たし合いで疲れたようだな。姉貴、ランを家まで送る。いい?」
皇太子様が勝手に決めるのは気に食わないけど、これは多分お嬢様が望む事だから許す。
「うん。お疲れ、そしてお休み」
『お嬢様』
『はいはい、お入りな』
私はお嬢様の影に溶ける。ここが一番落ち着く。近くにお嬢様の心臓の鼓動が聞こえ、うっすらと邸宅の者の魔印を遠く感じる。そして、闇に潜む百を超える罠ちゃん達。研究者から試作の手投げ弾もいくつあって、手に届ける所に置いてある。最近は本当に下打ちしようとする人が減って、一週間手投げ弾を持ってるのにまだ本番に使っていない。
溜息がつい出ちゃう。
始めは侍女仕事のついでにお嬢様の護衛の為に訓練したが、最近はこれがメインだと思ってしまう。そして、結構楽しい。
「誰か襲って来るかなぁ」
エル視点難しい。結構ダラダラしちゃいました。
そして、転移動魔法は一対一勝負に向かない。時間がかかりますから。荷物を運ぶや軍隊・平民を動かすのが一番優れています。




