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魔嬢様の遊び  作者: たんぽコロ
2ー魔嬢様の賭け事
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帝王国の晩餐・4

 白地は本殿の隣にある空地。名前通り、地面は真っ白な所。丁度一キロの四角形で、今夜は使われていない場所。


 私達の後に本殿から群れが付いてきた。果たし合いは貴族の話題になりやすいからね。多分、私の負けが見たい人も数少ない筈。


『エル、今の内に影から出て。闇を閉じるから』


 エルがそうすると、ピュパーシは気づいた。移動中の明るい本殿から薄暗い庭の隙間を利用したが、やっぱり警戒している人は分かる。大丈夫よ、こんな公の場で影暗殺術を利用しないから、焦って影を閉ざさなくてもいい。ま、彼の魔素無駄使いは私にとって有利なので言わないけど。


『観察によると、彼の魔法は風に消費少なく、火や土は激しいらしいです。ただ、彼は素早いと聞いています。過去の果たし合い経歴を見ると、ほぼ全部が一分を切っています』


 エルの説明を聞いて、なんとなく納得する。ピュパーシの魔素は薄い。魔帝王やアズ兄の魔素濃さに慣れたせいかも知れないが、彼の魔素はもはや泡。通りで魔帝王の溶岩魔素と合わない。


「殿下、準備終わりました」


 宮殿の使用人はそう言うと、アズ兄はチェックしといた。安全の為に広範囲の結界と数々の椅子が用意された。


「審判は誰にしますか」


 審判は果たし合う二人で決めなければいけないので、ピュパーシに聞く。


「ルイン侯爵は決めて下さい」


 オホ、自信あるね。誰の目から観ても圧勝狙いですか。


「では、折角見に来てくださった陛下はいかがですか」


 周りは動揺する。魔帝王はまだ本殿にいたーー


「いいよ」


 可愛くアズ兄の背中から現れた魔帝王は即返事した。影に隠したら、私はアズ兄と魔帝王の魔波が判別できるかけど、他の貴族は出来なかった見たい。


「ふふふ、審判は初めてだ」


 喜んでいる魔帝王と逆に、ピュパーシ家は青白くなった。彼女の評価はこの国にどれだけの影響があるのかはその目を見るだけで分かる。勝っても、評価悪いと意味が無い。それでも、紳士ぶって負けても駄目だ。


 見下すと容赦しないよ、私。


「ルールは時間制限なし、降参するか意識不明になるかで終わるでいいですか」


「…はい」


 こいつチョロいな。やっぱりピュパーシ公爵の人形に過ぎないか。いや、見くびっちゃ駄目だ。少なくとも果たし合い経験は半端ない。それが私の言いなりになっている理由だけと。だってか弱いスリ花娘に余裕で勝てないなんて誰も思わないから。


「ルイン侯爵は着替えないんですか」


 ピュパーシはそう聞くと、私はちょっと困ったポーズをとって、とぼけて聞き返す。


「着替える事が多いですか」


「それなりに…」


 今私達が着ているのは最高級の礼服。戦闘に役立つ筈が無い。普通は着替える。だけどーー


「昔は陛下や殿下の果たし合いを拝見した時は着替えませんでした。そういうものですか、殿下?」


 アズ兄に聞くと彼は頷いた。「あぁ、そのまま始めたな。懐かしいな」


「それは継承戦の話ですよね」


 今の果たし合いは継承戦の時に比べ物にならない。申し込んだ人は死んでも法律上では許され、本当に戦争でした。そして、今は違うと分かっても、このままする方が私にとって有利だ。


「どうしましょう。殿下は審判をわざわざして頂いているから、時間は変えないですね。このドレス、脱ぎづらいです」


 それは本当の話。ニ時間かけてやっと着たんだ。


「それは...まぁ、仕方ないですね。このままやりましょう。悪いですけど、服を汚したり破れたりするかも知れません」


「ピュパーシ様も同じです。先にお詫びします」


 そう言って、私達は結界の中に入った。


 魔法空間から可愛らしいベルベットのマントを取り出して羽織った。そして、ひじまで続く長い手袋も履いた。


 ピュパーシも黒いマントを羽織った。


 これで準備完了。


 手ぶらの二人に驚く観察者のヒソヒソの上に魔帝王の明るい声が響く。


「よおい、はじめ‼」

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