勇者の行方・3
邸宅の玄関の上がり段に座り込んだ。
疲れた。
二人の女性を抱っこするぐらいの体力は勿論ある。一日中抱っこしても疲れない自信だってある。が、二人を背負いながら難しい飛び石デスゲームは辛い。バランス崩れるし、視界が狭くなる。動きだって制限される。そして、何回も攻撃魔法を仕掛けられると、片手で何とかしないといけない。彼女達は戦力あるが、頼られない。防御が甘かったら三人が死ぬ。
「ルイン邸ヘようこそ。」
知らない声を後から聞こえてリクの背筋が凍りつく。瞬時に振り返って立ち上がると、一人のメイドが玄関の前に立っている。
リクの手は剣の柄を握ったが、メイドは反応しなかった。
「リク殿とお連れの方で間違いないでしょうか。」
無表情でそう問いかけて、リクは面食らう。どういう事だ。
丸い眼鏡が印象的な女性は黒を総じた制服を着ている。故郷の様なフリフリミニスカではなく、西洋時代劇にありそうなふくらはぎ丈のスカートと立ち襟ジャケットのメイド服。メイドだとすぐ分かるのは純白なヘッドドレスとエプロンのお陰。
シアとディアンヌはリクの斜め後に移動して戦闘姿勢をとる。
「お客様は庭の散歩でお疲れになりましたか。一旦休憩室に案内しましょうか。」
「庭の散歩。。。」
あのデスゲームを散歩呼ばわりに反応したリクはつい声を漏らした。
「お客様はお目が高いです。庭師の方々は目の色を変えて腕前を披露しました。」
「何で俺の事を知ってる?」
「以前お目にかかる機会がございました。五年ほど前に、ラオダ家の者としてカヒラの宮殿に訪れた時に。」
「ミランネ嬢の侍女か。彼女は何処だ。助けに来た。」
「勇者様や聖女様方が来客したら、鳥の部屋にご案内すると指示があります。もしよかったら、私がその役目を果たします。」
「罠に簡単にかかるとでも思ってんのか。巫山戯るな。」
「そうですか。では」
きっぱり言って振り返る侍女はは迷いなく邸宅内に戻った。
「ちょッ」
彼女をつい追ってしまった。シアとディアンヌもリクの後をつけた。
中には電気を思わせる魔法点灯がいっぱい光ってた。飾り気のない雰囲気というか、シンプルすぎる。ほぼ全てが灰色の大理石で作られて、アクセントに黒に近い木造の家具や装飾があった。そして、長い廊下に進むと石壁に焼跡が所々に残っている。この邸宅に一体どれだけ罠が設置しているのか怖くなっちゃった。邸内には罠が一切感知できなくなったリクはメイドの足跡をきっちり追った。
「こちらでございます。」
淡い青空色の扉の前に止まった。隣に待機している使用人が扉を開けたら、楽しげに話している声が漏れた。
「先に入れ」
メイドを最初に部屋に入る様にリクはそう言った。彼女の影を踏んでリクはすっと入室した。
そこに座っているのは一人の男性と三人の女性。
うぅ、書くスピードが遅いです。多分今週の最新は間に合いますが、来週は微妙です。
今日は短くてすみません。




